スマホで写真を2枚撮るだけで「体脂肪率と筋肉量」もわかる!AI採寸テクノロジー「Bodygram」(ボディグラム)が進化、フィットネスにも活用

スマホで全身の写真を2枚撮るだけで、身体の24か所が採寸できるAIテクノロジー「Bodygram」(ボディグラム)を展開しているBodygram Japanは、身体の採寸だけなく、「体脂肪率」と「骨格筋量」といった体組成の情報を推定計測できる機能を「Bodygram」アプリ(無料)に追加し、6月7日のアップデートで実装することを発表した。「体脂肪率」は±2.5%、「骨格筋量」は±1kgの誤差で測定できる。


「Bodygram」はアパレルEC業界で注目されてきたAI技術だ。服を購入するための身体の採寸作業は、以前はオンラインでは困難、大きな課題とされていたが、同社のアプリを使って、スマホのカメラで写真を撮るだけで実現した。iOSとAndroidの両分野の「ヘルス&フィットネス」カテゴリで2020年8月に1位を獲得している。


最近では、学生服の採寸にも次々と採用され、実用化が急速に進んでいる。そのBodygramアプリが本日のアップデートで機能を追加、写真から体脂肪率や筋肉量といったインボディの体組成情報までを推定ながら測れるようになった。


これにより、アパレル業界向けの採寸だけでなく、ヘルスケアやウェルネス業界に向けたアプリやサービス開発が可能となった。高額な特殊機器や専用デバイスを必要とせず、スマホひとつ、「Bodygram」アプリで誰でも簡単に自分の身体を知ることができるのが特徴。

「Bodygram」は発表に合わせて報道関係者向けに説明会を開催。CEOとCOOが新機能のポイントや今後のビジネス戦略を解説した。ユーザーはこの新機能を無料で利用できるとともに、今後はBtoBのビジネスも展開していくとしている。

左からボディグラム・ジャパン株式会社 CEOのJin Koh(ジン・コー)氏、COOのRei Aiba(レイ・アイバ)氏


体脂肪率や筋肉量が分かる新機能がアプリに追加

Bodygram Japan株式会社は、自社開発のAI採寸テクノロジーを搭載したアプリ「Bodygram」の機能面とUI(操作画面)を一新し、大幅なアップデートを実施することを発表した。


アップデートの内容は下記の通り。


見た目の採寸に加えて「体脂肪率」と「骨格筋量」も推定計測可能に

従来からスマホのカメラで撮影した2枚の写真(正面と側面の全身写真)から、24か所の身体のパーツを採寸することができるが、それに加えて独自開発AIによって「体脂肪率」と「骨格筋量」の推定計測が可能になった。

前身24ヶ所の採寸に加えて、「体脂肪率」と「骨格筋量」も推定測定


同社は12万以上の3D人体データを集積し、その際に体組成の情報も機械学習によってAIアルゴリズムを生成、全身の写真2枚から3Dと体組成の推定へと測定を展開させた。体組成と相関関係があることが判明している「顔の構造分析」を行うなど、主にAI(ディープニューラルネットワーク)分野での特許技術が多数使われている。
各身体部位の採寸といった“外側”の身体データだけでなく、体組成という“内側”のデータも手軽に瞬時に測定でき、体型のトラッキングも容易になることで、毎日の健康管理と体形の変化を簡単に確認できる。計測方法は従来の「Bodygram」アプリと同様、スマートフォンで2枚の全身写真を撮影し、身長・体重・性別・年齢を入力する簡単な操作のみで完了する。


自分の体型を3Dアバターで表示、目指す体型にゴールを設定できる

「こんな体型だったの?」と自覚を促されるかもしれない。3Dアバター表示機能(3Dボディジャーニー)も装備し、計測した自身の体型をアバターで表示し、グリグリと回して確認することができる。「自身の体型を自覚することは大切で、ビジュアル的な変化によってフィットネスを続けるモチュベーションに繋がる」(Jin Koh氏)。


更には、目指す体型に合わせて「ゴール設定」を行うことを可能にした「ボディゴール」機能も追加搭載。これらの機能を搭載することで、フィットネスやエクセサイズ、ウェイトトレーニングやジョギングなどの運動と併行してウェルネスとしてアプリを活用する有効性が格段に上がった。
BtoBでの連携を含め、今後は健康管理・ヘルスケア領域でも用途の拡張が期待できる。


アプリ画面のビジュアル変更

これらの機能追加に伴って、操作画面が一新された。身体の内側と外側の変化を見やすく表示できるので、エクセサイズやウェイトトレーニング、ジョギングなどの運動やヘルスケアにも活用できる。



採寸だけでなく、フィットネス/ウェルネス業界へ展開に

ボディグラム・ジャパン株式会社 CEO Jin Koh(ジン・コー)氏は報道関係者向け発表会で次のように語った。
「体組成をモニタリング及びトラッキングするためには、比較的高額な専用の体組成計機器を使用したり、計測データを記録したり、その他のヘルスケアアプリと連携するなど、複数の機器やツールを経由する必要があり手間がかかっています。「Bodygram」は場所や所有する機器を選ばず、スマートフォンさえあれば誰でも簡単に『自らの身体を知る』機会を提供することが可能となりました」

また、同社COO の Rei Aiba氏は「Bodygram技術の根幹を担うAIは、収集した学習用の人体データで構築した独自アルゴリズムによるものです。日本を拠点に技術開発と仕組みの検証が日々行われています。採寸データ算出に際しては、画像からボディラインの推定検出を行い、さらにそのデータから各部位のサイズを推定分析しています。これら従来の仕組みに加え、体組成と相関関係にあることが判明している顔の構造分析を行うことで、2枚の写真から体組成データまで推定計測することに成功いたしました。機能の実装に向けて「Bodygram」の AI は数千人分のデータ学習を重ねており、そのデータ量は世界でも最も多い水準だと思います。それが高い精度での体組成の推定計測を実現している理由です。このAIは、わずか3カ月という短期間で開発に成功いたしました」と続けている。

AI 身体採寸アプリケーション Bodygram ダウンロードページ
App store :https://apps.apple.com/jp/app/bodygram/id1514709034
Google Pay store :https://play.google.com/store/apps/details?id=com.bodygram.bodygram


Bodygram(ボディグラム)について

ボディグラムは AI(人工知能)の学習機能を駆使し身体サイズを推定する先進技術。年齢・身長・体重・性別を入力し、服を着たまま、スマートフォンで正面と側面の2枚の写真を撮影するだけで被写体のボディラインを自動で検出し、腹囲・肩幅・手足の長さなど全身 24 ヶ所の推定採寸が可能になります。これまで、アパレル業界やライフスタイル・ヘルスケア領域へ技術提供・実用化を果たしており、今後もフィットネス領域など様々な分野への活用と展開を計画している。また、消費者向けにアプリ「Bodygram」を App store 及び Google Play Storeで2020年6 月に正式リリース。以降、スマートフォン 1 つで身体採寸できるアプリとしてユーザーの関心を集め、iOSとAndroidヘルス&フィットネスのカテゴリで1位を獲得した(iOSは 2020年8月10日、Android は 2020年8月13日に獲得した)。

【ボディグラムの歩み】
2015年 Original Inc. が「Original Stitch」を創業
2018年秋 Original Inc. 内のBtoB事業としてBodygramを発表・ローンチ
2019年春 Original Inc. の事業を株式会社ワールドに譲渡し、Bodygram事業がスピンアウト
2019年 米国にてBodygram Inc. 設立(1月)、 Bodygram Japan株式会社設立(5月)
SHOPLISTへ導入(7月)、UNIQLO「My Size CAMERA」に採用(9月)
2020年 自社アプリ「Bodygram」提供開始(8月)
国内外の投資家からシリーズBラウンド1,700万ドル(約18億円)の資金調達(10月)
西武・そごうで非接触採寸サービスとして実験導入スタート(11月)
2021年 計測数値を可視化する3Dアバター機能追加(2月)
体組成(体脂肪率、骨格筋量)を明らかにする新機能追加(6月)


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神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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