NEC、米国国立機関NISTの顔認証精度評価で世界第1位に輝く フィンテックやデジタルIDなど顔認証の利用シーンを拡大へ

日本電気(NEC)は、米国国立標準技術研究所(NIST)が実施した直近の顔認証技術のベンチマークテスト(FRVT Ongoing)で世界第1位を獲得したことを発表した。
NISTは技術革新や産業競争力を強化するために設立された組織で、National Institute of Standards and Technology(米国国立標準技術研究所)の略。「FRVT Ongoing」はFace Recognition Vendor Test Ongoingの略で数千万人規模の大規模データにおける認証の精度の評価が行われる、各国のトップベンダーが参画する世界的なベンチマークテスト。


顔情報を照合する正確さで評価

第1位を獲得したのは、認証端末上の顔情報を登録データベース上の複数人の顔情報を照合しユーザーを本人認証する内容で、キャッシュレス決済をはじめとするFinTech領域や公共交通機関、Digital IDなどで主に活用され、より高精度が求められる大規模な「1:N認証」。1,200万人分の静止画の認証エラー率が0.22%と、性能を高く評価された。

なお、NECはNISTのベンチマークテストでは、2018年の顔認証ベンチマーク(FRVT2018)に続く第1位獲得となる。


社会ニーズに即応する顔認証エンジン

NECは「新型コロナウィルス感染症の拡大を受けて、マスク着用時でも高い精度を実現する顔認証エンジンを世界に先駆けて開発し、製品化しました。このように、顕在化する新たな社会ニーズに即応するため、コアとなる顔認証アルゴリズムのさらなる性能向上を図るとともに、シナジーを生み出す関連技術の開発と社会実装を一層推進していきます。また「NECグループ AIと人権に関するポリシー」に基づき、AI・生体情報などデータ利活用時において、引き続きプライバシーへの配慮・人権尊重に最優先で取り組んでいきます」とリリースを通じてコメントしている。


また「今後、顔認証技術をはじめとするNECの生体認証「Bio-IDiom」(顔、虹彩、指紋・掌紋、指静脈、声、耳音響など、NECの生体認証の総称)と、NECが強みをもつ映像分析などの最先端AI技術群「NEC the WISE」(NEC の先端 AI 技術群の名称)とを組み合わせることで、キャッシュレス決済をはじめとするFinTech領域や公共サービス・公共交通機関、Digital IDとしての利用をはじめ、空港やホテルなどでのスマートな旅行体験、大規模施設・イベントにおける本人認証など、高い信頼性が求められる利用シーンの拡大を目指します」と続けている。

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ロボスタ編集部

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