東京ロボティクス、小・中規模の物流施設向けロボット『モバイルグリッパ』を開発 異なる段ボールを潰さずに把持、運搬

人間共存ロボットの実現を目指す東京ロボティクス株式会社は、モバイルグリッパ(自走式パレタイズロボット)を開発したことを発表した。モバイルグリッパの実物・デモは2021年10月27日(水)~29日(金)に開催する「第4回[名古屋]スマート工場EXPO」(会場:ポートメッセ なごや)にて確認できる。


小規模~中規模の物流施設向けロボット「モバイルグリッパ」

モバイルグリッパは小規模~中規模の物流施設での短距離配送や仕分、物品管理を行うロボット。大型物流施設では既にパレタイジングロボットやAMRなどにより、大部分が自動化されているが、小規模~中規模の物流施設ではスペースや予算の制約により大規模な設備投資ができない事業者が多くいる。このような物流施設での作業は、かがんで重い荷物を持ち上げて運搬し、荷物を下すといった重労働となるため、採用コストも高くなりがち。モバイルグリッパはこのような小規模~中規模の物流施設が抱えるスペースや予算上の悩みを解消しつつ、省人化を実現するためのロボット。また、JAアクセラレータープログラムの成果の一つでもある。


モバイルグリッパの特徴


●力制御技術による優しい把持
東京ロボティクスが得意とする力制御技術を活用することで、異なる段ボールのサイズでも潰さずに把持、運搬することができる。

●左右独立グリッパ
力制御に加え、左右のグリッパが独立に動くため、ロボットが荷物の中心からズレて正対した場合にも、安定して把持することができる。

●低温度環境に強い新しい関節機構
ロボットの可動部に新しい機構を採用し、低温度環境でも効率を落とさず、安定した稼働が期待できる。

●様々な姿勢に対応



■利用イメージ




販売について

モバイルグリッパH/Wの販売、ナビゲーション機能や段ボール認識機能を付加した自律ロボットパッケージの販売、エンドユーザへの自社によるソリューション等、様々な販売方法を検討している。また、潜在顧客へのヒアリングを通して、例えばグリッパ部分をロボットアームに変更したり、足回りを差動二輪にするなどの仕様見直しも随時行っていく、としている。


東京ロボティクスについて

東京ロボティクスは『人間共存ロボット』の実現を目指す早稲田大学発のロボティクススタートアップ。同社が目指す『人間共存ロボット』とは、製造現場だけでなく私生活を含めた様々な場面で、人に寄り添うロボットを指している。

創業間もない時期は力制御可能なロボットアームや双腕ロボットの開発を中心に行い、近年はこれまでの研究成果を更に前進させた力制御可能な最先端人型ロボットを開発するとともに、人間共存ロボット実現に必要な要素技術として、ビジョン(3次元カメラ)や画像認識・機械学習、遠隔操作など研究領域を広げている。また、研究開発にとどまらず社会実装する事業も加速し、多くの大手企業と共同開発を進めている。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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