株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は5G時代における新たな付加価値の提供をめざし、XR領域での事業拡大に向けた取り組みを強化するため、世界最大のVRイベント「バーチャルマーケット」を運営する株式会社HIKKYとの資本・業務提携を2021年10月20日に合意し、10月29日に65億円を出資したことを発表した。
ドコモはXRが新たな生活インフラ“ポストスマホ”として日常・非日常を問わず、さまざまなシーンでシームレスに利用される世界を実現すべく、メタバース空間(VR)とリアル空間(AR・MR)双方の事業を推進していく。
世界最大級のVRイベント「バーチャルマーケット」を主催
HIKKY社は「最も魅力的なバーチャル世界とアクセスを提供する」をコンセプトに、WEBブラウザ上で動くVRコンテンツ開発エンジン「Vket Cloud」(ブイケット クラウド)のサービス展開や、世界最大のVRイベント「バーチャルマーケット」の主催など、多くのナショナルクライアントのバーチャル展開を手掛けている。また、単なるバーチャル空間作りにとどまらず、新しいコミュニケーションや文化の創出を行うことで、バーチャルとリアルをつなぐXR領域の発展をめざしている。
提携では両社が培ってきた企業ブランド、サービス基盤、ノウハウ等の活用において協力することで、両社の事業をさらに発展させ、XR市場におけるサービスの強化を目的としている。
1.HIKKY社が持つ高いコンテンツ制作力とXR技術をドコモのXR関連事業と連携することで、より顧客満足度の高いサービスを提供する。
2.ドコモおよびHIKKY社共同で営業体制を構築し、多くのパートナーからの受注を促進する。
3.HIKKY社の運営事業とドコモのXR関連事業の連携を深め、双方のサービス基盤を最大限に活用し、双方サービスの普及を推進する。
HIKKY社との協業実績について
ドコモはHIKKY社が2021年8月14日~28日にかけて開催した「バーチャルマーケット6」に初出展し、ドコモが展開するXR事業や、それに関連したコンテンツプロバイダを紹介する「docomoXRブース」と、「鹿島×ドコモブース」の2つのブースを展開した。
「docomoXRブース」ではドコモがコンシューマ・法人・技術開発に携わる方など、さまざまな人にXRの体験機会やソリューションを提供する「docomoXR事業」を紹介するスペースの他、コンテンツプロバイダのIPとコラボしたエリア、日中共同制作作品「直感×アルゴリズム♪」のエリアを展開した。
そして、ドコモがオフィシャルパートナー契約を締結している株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー協力のもと出展した「鹿島×ドコモブース」では、茨城県立カシマサッカースタジアムを再現したブース内で、過去の試合映像の視聴や公式マスコット「しかお」、選手アバターとの交流を楽しめるほか、アントラーズグッズを購入できるコンテンツを提供した。
提携についてのコメント
株式会社NTTドコモ 執行役員 ビジネスクリエーション部長 三ケ尻 哲也氏よりコメント
このたび、XRの世界的なトッププレイヤーであるHIKKY様とパートナーシップを築けることを大変嬉しく思っております。今回の提携により、ドコモのXR事業をさらに拡大、進化させ、リアルとデジタルがシームレスにつながる様々な体験を提供し、ともに「世界を変えていく。」ことができるよう努めてまいります。
株式会社HIKKY CEO 舟越 靖氏よりコメント
今後は、ドコモとNTTグループ各社の、通信インフラを始めとした様々な技術、研究機関、世界的なネットワーク等を活用させていただきながら、独自のメタバース事業をさらに加速させていきます。同時に、ドコモさまへは、弊社が強みとするXRにおけるサービスや技術、コンテンツ制作などの提供を行ってまいります。これまで支えてくださったクリエイターの皆さま、バーチャルマーケットの来場者さま、黎明期から参画してくださった企業の皆さまには、改めまして感謝の念をお伝えしたく思います。
今後も仮想空間を通じて生まれる新たな価値を広め、現実社会との架け橋となるべく、より一層努力していきたいと思います。
HIKKY社について
HIKKY社は独自のVRコンテンツ開発エンジンである『Vket Cloud』をサービス提供している。Vket Cloudを用いて制作されたバーチャル空間には、スマートフォンやパソコンから、専用アプリなどのダウンロードを行うことなく、URLリンクをクリックするだけでアクセスが可能。マルチプレイにも対応し、ボイスチャットやテキストチャットで同空間内にいる他のユーザーとのコミュニケーションも楽しめる。
HIKKY社の運営するVRイベント「バーチャルマーケット」は、バーチャル空間上にある会場で、アバターなどのさまざまな3Dアイテムや、リアル商品(洋服、PC、飲食物など)を売り買いできる世界最大のVRマーケット。日本はもとより世界中から100万人を超える来場者を誇る、ギネス世界記録にも認定されたVRイベント。3Dデータ商品の個人間売買を目的に始まったバーチャルマーケットは、近年では大手企業の参入などにより、リアル商品の販売も充実しVRコマースの新たな可能性を創出している。
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。