凸版印刷 メタバース上に自分のデジタル分身を生成する「メタクローンアバター」を開発 1枚の写真からリアルな3Dアバターを自動生成

凸版印刷株式会社は株式会社ラディウス・ファイブと協同で、メタバース上でサービスを開発・運用する企業向けに、1枚の写真からフォトリアルな3Dアバターを自動生成できるサービス「メタクローンアバター」を開発したことを発表した。


1枚の写真からリアルな3Dアバターを自動生成

同サービスは「メタクローンアバター」に自分自身の顔写真を1枚アップロードし、入力した身長と体重の情報を元に再現したフォトリアルな3Dアバターを自動生成することができる。3Dアバターの自動生成には、GAN(敵対的生成ネットワーク)などのAI技術を活用し、低解像度の写真データからも3Dアバターを作成することが可能。また、架空の人物の顔写真を自動生成する事で、肖像権フリーの3Dアバターを利用する事もできる。さらに、今後は「メタクローンアバター」に本人の肉声や表情、人格を再現するサービスを追加し、「メタクローンプラットフォーム」を拡大させていく。

「メタクローンアバター」を用いて1枚の写真から生成した3Dアバターと利用イメージ © TOPPAN INC.

「メタクローンプラットフォーム」全体像 © TOPPAN INC.
メタバース
メタ(超越した)とユニバース(宇宙)の合成語で、インターネット上に構築される仮想の三次元空間の総称。利用者はアバターと呼ばれる分身で空間内を移動し、他の参加者と交流することができる。

3Dアバター
ゲームやインターネットの中で登場する自分自身の「分身」を表すキャラクターの名称です。3Dモデルで構成され、頭や手足、表情などを動かせるように制作している。

メタクローンプラットフォーム
利用者の姿、表情、声などの外見的な特徴と知識や思考などの内面的な情報を再現して、自分の分身をメタバース上に登場させることが出来るプラットフォーム


開発の背景

現在、ヒトの身体的・生理学的な特徴(ヒトの外見)から個性や感性、思考、技能などを含む内面までを再現するヒトのデジタルツインが注目されている。これらは広告やエンタメ、接客など様々な分野で活用が期待されている。また、コロナ禍により外出が制限される中で、メタバース上での3Dアバターによる交流が活発化している。しかし、顔の情報を再現したフォトリアルな3Dアバターを製作するためには、CGクリエイターによる高度な技術と製作機材や高額なスキャンマシンを要するうえ、長期間の製作工程が必要になる。そのため、現在利用されているアバターの多くは、架空のキャラクターが使用され、利用者本人を模したアバターはごく少数。

このような背景から凸版印刷はAIおよび3D復元技術を組み合わせることで、アバター生成の難しさを解決し、簡単にフォトリアルな3Dアバターを生成できる「メタクローンアバター」を開発した。同サービスを活用することで、様々なメタバース体験ができるようになる。例えば、自分のアバターをゲームやバーチャルライブに登場させたり、バーチャルショッピングで自身のアバターに服を試着させることができたり、バーチャル観光で友人と集合写真を撮れたり、実際に会議室に集まっているかのようなバーチャル会議ができたりなど、メタバースにおける新たな体験を生み出す。


「メタクローンアバター」の特長

・1枚の顔写真から、フォトリアルな3Dアバターを簡単に生成
利用者は正面を向いている写真1枚をアップロードするだけで、短時間でフォトリアルな3Dアバターを自動で生成できる。生成した3Dアバターはまばたきや口を開くことも可能で、自然な表情を見せる事ができる。

・多様な写真から3Dアバターを生成
同サービスではディープラーニングなどのAI技術を活用することで、低解像度の写真や、ノイズがあり不鮮明な顔写真、モノクロ写真、絵画や古写真など、これまで3Dアバターの生成が困難とされていたコンテンツに対して、顔の構造・形状・表面・陰影・色等の特徴量を再現し、汎用性の高い修復を行う。また、物体の特徴や種類、隣接している領域等を考慮して、元々の色を予想し着彩することもできるため、様々な写真やコンテンツからフォトリアルな3Dアバターを生成することが可能。

「メタクローンアバター」を用いて歴史上の人物から生成した3Dアバター © TOPPAN INC.

・架空の人物の3Dアバターを生成
GAN(敵対的生成ネットワーク)を用いた人物生成アルゴリズムを利用して、架空の人物の3Dアバターを作成できる。これは実在する人物の顔写真から生成した3Dアバターとは異なり、肖像権を持たない。これにより利用者は権利処理を気にせずに利用できる3Dアバターを手軽に生成することが可能。

・ニーズに合わせた多様なカスタマイズが可能
利用者は生成する3Dアバターに身長体重などの身体情報を付与することで、利用者に近い体型の3Dアバターが生成できる。また、服装の変更やメガネなどのアクセサリーを選択することで、より自分の特徴や個性を再現した3Dアバターの生成が可能。

・モーションのカスタマイズが可能
生成された3Dアバターにはメタバース上で使いやすい「挨拶」や「歩き」などの基本モーションが付与される。カスタマイズで利用者自身に似たモーションを選択する事もでき、より再現性の高い3Dアバターを生成できる。


今後の目標

凸版印刷は「メタクローンアバター」と「トッパンバーチャルヒューマンラボ」の連携により、3Dアバターをさらに高精細化させていく。また、メタクローン利用シーンを拡充することで、2023年度までに関連受注含め約50億円の売り上げを目指す。

関連サイト
凸版印刷

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山田 航也
山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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