AI搭載のスマート給餌機で生育した「AI桜鯛」全国の「くら寿司」で販売 真鯛の委託養殖事業を本格始動

ウミトロン株式会社はAI・IoT技術を活用したスマート給餌機「UMITRON CELL」(ウミトロンセル)で育った真鯛が、くら寿司株式会社が運営する回転寿司チェーン「くら寿司」にて「【愛媛県産】AI 桜鯛(一貫)」として、3月11日(金)から期間限定で全国販売されることを発表した。価格は110円。 (一部店舗では価格が異なる)


「スマート養殖」で育てた真鯛を商品化

近年、漁業における「人手不足」が深刻化しており、「不安定な収入」や「労働環境の厳しさ」などが原因で「若者の漁業離れ」を招くなど、担い手不足が大きな課題となっている。くら寿司では2010年より「漁業創生」をテーマに様々な活動を行っており、2021年11月1日には業界初の水産専門会社である子会社「KURA おさかなファーム株式会社」を設立。人手不足と労働環境改善を目指し、AIやIoTを活用したウミトロン開発のスマート給餌機による「スマート養殖」の実証実験として、2021年春から愛媛県内で真鯛の委託養殖を開始した。

今回販売する「AI 桜鯛」は、この「スマート養殖」で育てた真鯛で、大手外食チェーンでの商品化は初めての試みとなる。


スマート給餌機「UMITRON CELL」(ウミトロン セル)

「UMITRON CELL」(ウミトロン セル)はAI・IoT技術を活用した水産養殖者向けスマート給餌機。スマートフォンなどの端末から生け簀で泳ぐ魚のリアルタイム動画を見ながら遠隔で餌やり操作が可能。また、AIが魚の食欲を判定し、餌量やスピードを最適化、制御することができるため、労働負荷の削減と餌の最適化、海へ餌が流出することを防ぎ環境に配慮した養殖業の実現に貢献する。


「UMITRON CELL」を活用した真鯛事業者との大規模実証では、搭載されたAIにより魚の食欲に合わせてエサやりをすることで、無駄な餌の削減を確認。また、従来より少ない餌量でも、スマートフォンなどから遠隔で適切なタイミングで餌を与えることが可能なため、出荷時のサイズや品質を保ちながら短い期間で生育することに成功した。

スマート給餌機「UMITRON CELL」は近畿・四国・九州地域を中心に、主に真鯛、シマアジ、サーモントラウトなどの魚種に導入されている。


今後の展望

「スマート養殖」実験結果を受け、今年6月頃からスマート給餌機「UMITRON CELL」を活用した真鯛の委託養殖事業をKURAおさかなファームと協業し、本格始動する。協業ではKURAおさかなファームが養殖用の稚魚や餌を委託養殖事業者に提供の上、「スマート養殖」を委託し寿司ネタにできる大きさまで生育、委託養殖した魚をKURAおさかなファームにて全量買い取る計画。


ウミトロンは今後もくら寿司、及びKURAおさかなファームと協働で消費者にクオリティの高い商品の安定供給、及び養殖生産者の経営リスク・労働負荷軽減、収入の安定化に貢献していく。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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