ビットキーとヤマト運輸が連携 オートロック付きマンションで「置き配」を実現 利便性の向上とドライバーの業務負荷を軽減

株式会社ビットキーはヤマト運輸株式会社の「マルチデジタルキープラットフォーム」と連携することを2022年3月28日に発表した。

ビットキーのデジタルコネクトプラットフォーム bitkey platform対応製品を利用するマンションでは、事前に置き配指定およびカギの解錠承認をした居住者(荷物の受取人)を対象に、ヤマト運輸が提供するECサイトの荷物が受け取りやすくなるサービス「EAZY」の配送パートナーEAZY CREWが一時的にオートロックを解錠し、玄関前などに置き配することが可能となる。なお、連携による配達は2022年5月1日より対応予定。まずは東京都練馬区と豊島区・板橋区の一部のオートロック付きマンションを対象とし、順次エリアを拡大する。


連携の背景と目的

コロナ禍を契機としたECの急増を背景に、自身のライフスタイルに沿った受け取り方として、置き配を希望する人が増えている。しかし、オートロック付きマンションで受取人が不在の際は、ドライバーはエントランスのオートロックを解錠できないため、玄関前などに「置き配」をすることができない。また、マンションに設置されている宅配ボックスに空きがないと、ドライバーは荷物を持ち帰るため、受け取りにあたり再配達の手続きなどの手間が発生する。

ビットキーはかねてよりこのような課題を解決するため、オートロックマンションに対応できるスマートロック「bitlock GATE」の普及促進に加え、bitkey platformを軸に複数の配送事業者との実証実験を進めてきた。

今回はヤマト運輸のマルチデジタルキープラットフォームとビットキーのbitkey platformが連携することで、bitlock GATEおよび、bitkey platformと連携するパートナー企業製品を導入するマンションの居住者も置き配の利用が可能となる。これにより、前述の社会課題をより早期に解決できると考え、連携に至った。



ヤマト運輸のマルチデジタルキープラットフォームと連携する製品

bitkey platformと連携するスマートロック「bitlock GATE」および「bitkey platform」と連携するパートナー企業製品が対象となる。2022年3月時点で、bitkey platform と連携するパートナー企業製品は、パナソニック株式会社のマンション HA システムに対応した一部製品を予定している。

EAZY CREW が配達する様子
<連携開始日>
・bitlock GATE 導入物件
2022年5月1日荷物受け取り分から

・パナソニック株式会社マンション HA システム導入物件
2022年8月1日荷物受け取り分から


オートロック付きマンションへの置き配までのステップ


1.荷物が発送された当日に、ヤマト運輸より荷物のお届け予定を受取人宛にEメールやLINEなどで通知する。受取人は通知内に記載されているリンクから受取り日時・場所を変更するページにアクセスして、置き配をする場所(玄関ドア前、自宅宅配ボックス、ガスメーターボックス、自転車かご)を選択し、オートロック解錠の同意をする。

オートロック解錠対象物件に居住する人のみ、同意に関する項目が表示される

2.対象マンションに到着したEAZY CREWがオートロック解錠専用のアプリで配達荷物のバーコードをスキャンし、解錠の正当性が確認される(「荷物の配送ステータス」や「ドライバーの情報」など)。

3.正当性の確認完了後、アプリ内のオートロック解錠ボタンが有効化され、解錠ボタンを押下することでマンションエントランスのオートロックを解錠する(解錠は1回の配達で1回のみ)。

ドライバーの操作画面イメージ

4.受取人が指定した場所に荷物を置き配、撮像する。撮像データを確認できるURLが受取人の登録したメールアドレスに配信される。


今後の展開

今後は配送事業者に加え、家事代行やネットスーパーなどの多様な事業者との連携を図り、暮らしのさらなる利便性向上を推進していく。


「マルチデジタルキープラットフォーム」について

ヤマト運輸が開発した「マルチデジタルキープラットフォーム」は、複数社の異なるデジタルキーを一つのシステム上で同時に管理することができ、オートロック解錠用デバイスの設置情報とEC注文時の配達先の住所情報をマッチングし、対象のデジタルキー会社にエントランスのオートロック解錠申請を行う。配達情報ごとにオートロック解錠に必要なワンタイムパスワードが発行されるため、高いセキュリティを実現している。また、デジタルキー会社は「マルチデジタルキープラットフォーム」とAPI連携をするだけで導入可能。今回はクラウド環境下でCI/CDを実践することで、開発スピードを落とさず高品質なシステム開発を実現した。


bitlock GATEについて

bitlock GATEはビットキーが開発する電子制御ドア向けのスマートロック。スマートフォンアプリから扉の鍵を簡単に開閉可能。居住者が不在の場合でも「人・時間・回数」などの制限付きデジタルキーを発行することで、配達員や、家事代行スタッフなどがスマホでオートロックのエントランスの鍵を開けることができる。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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