国交省「Project PLATEAU」デジタルツイン上でAR屋外広告・3D都市モデルで被害や救助状況の把握等の実証実験へ

国土交通省都市局では、令和2年度から『Project PLATEAU』を開始し、スマートシティの社会実装をはじめとするまちづくりのデジタルトランスフォーメーションを推進するための基盤データとして3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化事業を進めている。

その中で、まちづくりのデジタルトランスフォーメーションを更に加速させるため、『Project PLATEAU』の一環として、先進的な技術と3D都市モデルを組み合わせたユースケース実証を行っているが、令和4年度に実施する同プロジェクト採択テーマのうち、「防犯・防災」「地域活性化・観光・コンテンツ」において、xR(VR/AR/MR)技術やデジタルツインシステム開発を手掛けるSymmetry Dimensions Inc.が同開発に参画し、2つのユースケース実証を開始することを2022年4月6日に発表した。
(冒頭の画像:3D都市モデルを基盤とした、災害時の即時的な現状把握及び救援活動支援)

同社は、ユースケース実証を通じて、まちづくりのデジタルトランスフォーメーションを推進すると述べている。





同社が行う2つの実証実験概要

同社は、「令和4年度民間サービス創出型ユースケース開発」において、【屋外広告の可視範囲と人流データを用いた広告効果シミュレーション】【3D都市モデルを基盤とした、災害時の即時的な現状把握及び救援活動支援】の2つの実証実験を行う。


屋外広告の可視範囲と人流データを用いた広告効果シミュレーション

「フィジカル空間のAR屋外広告」を前提とし、3D都市モデル・環境情報等の景観ルールと連携して、デジタルツイン上でAR屋外広告の管理システムを実証する。併せて、都市AR屋外広告における課題の抽出、データの取扱いについて渋谷データコンソーシアムと共に令和4年度に検討会を開催予定だ。

実施内容 1. AR広告の管理(登録・編集・景観確認・表示・効果測定)
2. AR広告の表示イベントを渋谷区で開催
3. 都市のAR広告に関する検討会の設置・開催
実施体制 一般社団法人渋谷未来デザイン/渋谷データコンソーシアム/株式会社Psychic VR Lab



3D都市モデルを基盤とした、災害時の即時的な現状把握及び救援活動支援

地方自治体の持つ住民基本台帳をはじめとする自治体情報、3D都市モデル、3D測量データ等をデジタルデータとして連携し、被災前後の住居・建物の位置や世帯状況を迅速に把握することで、被害状況の正確な把握、救助活動の検討、救助活動時の二次被害の軽減、災害復旧活動等を効率的に行えるシステムの実証を行う。

実施体制 静岡県掛川市/株式会社パスコローカスブルー株式会社
アドバイザー 松尾泰晴氏(中部地方整備局ICTアドバイザー)/大矢洋平氏(中部地方整備局ICTアドバイザー)/鈴木雄介氏(静岡県点群サポートチーム)




Project PLATEAUについて

Project PLATEAUは国土交通省が進める、まちづくりのデジタルトランスフォーメーション(UDX)を推進するための事業だ。日本全国の3D都市モデルを整備し、オープンデータとして公開することで、誰もが自由に都市のデータを引き出すことが可能となり、防災、まちづくり、AR・VRなど様々な場面で活用できるようになる。3D都市モデルとは、実世界(フィジカル空間)の都市を仮想的な世界(サイバー空間)に再現した三次元の都市空間情報プラットフォームで、二次元の地図に建物・地形の高さや建物の形状などを掛け合わせて作成した三次元の地図に、建築物の名称や用途、建設年などの属性情報を加え、都市空間そのものをデジタル上で再現した。同プロジェクトは、3D都市モデルを活用することで「全体最適・持続可能なまちづくり」「人間中心・市民参加型のまちづくり」「機動的で機敏なまちづくり」の実現を目指していく。

公式Webサイト:https://www.mlit.go.jp/plateau/

■【動画】PLATEAU Concept Film

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