万引き抑制と案内を両立、ドーナッツロボティクスの生成AI搭載接客ロボット「cinnamon Guide」導入店舗が拡大

ドーナッツロボティクス株式会社は、同社が開発する接客ロボット「cinnamon Guide(シナモン ガイド)」の導入状況を発表した。「万引き抑制」の機能に注目が集まり、百貨店、薬局、スーパーマーケット、空港などでの導入が進んでおり、販売代理店数は前年比で10倍に急増している。

2025年1月以降、TOYOTA、銀座三越、BYD、紀ノ国屋(青山店)、電通カフェ「エジェバル」などで導入・実証実験が行われている。「巡回による死角のカバー」や「自然な対話による案内サポート」など、複合機能の有用性が一定の評価が得られているという。


AI×ロボティクスによる次世代型警戒・案内ロボット「cinnamon Guide」

「cinnamon Guide」は、AIカメラと連携して万引きなどの不審行動を検知し、その場で音声警告を行う機能を備えている移動型接客ロボット。世界最高レベルの速度を誇る多言語翻訳(100か国語対応)、シナリオ設定による自動接客・対話型ナビゲーションなどを搭載している。




店舗内を移動しながら、画面上で商品の情報を紹介し、販売促進を行うことが可能であり、スマートフォンによる呼び出しや目的地への誘導も実現している。


社会課題に対応するロボティクスの可能性

警察庁の「令和5年版 犯罪統計資料」によると、2023年の万引き認知件数は93,168件であり、前年比11.4%増と大幅に増加した。過去数年で最も高い水準となっており、高齢化や社会的孤立、セルフレジの普及、訪日外国人の増加などが要因とされる。ドラッグストアやスーパーマーケットなどでの被害が集中している。

現場では「人手不足による巡回の限界」や「死角の多さ」が課題となっており、固定カメラでは対応しきれない防犯ニーズが高まっている。この課題に対応するため、自律的に巡回し、異常行動を検知して即座に対応できるロボット型ソリューションが「動く防犯カメラ」として期待されており、全国で実証導入が進んでいる。

接客ロボットの導入は、2025年に入ってから小売・商業施設を中心に拡大している。cinnamon Guideも複数の企業や店舗に採用され、実証実験が進められている。特に、「不審行動の検知」と「即時の音声対応」といった機能が注目されており、固定監視カメラでは得られない動的な巡回補完として活用されている。


ヒューマノイドとの連携による未来型社会インフラの構築に期待

ドーナッツロボティクスでは、ヒューマノイドロボットの開発も進めており、2026年にはcinnamon Guideと組み合わせた接客・防犯ソリューションを提供する予定。人手不足と防犯対策の両立が求められる中、AIとロボティクスを活用したスマートセキュリティの需要は今後ますます増えていく見通しだ。


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ロボスタ

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