有機米デザイン 田んぼの自動抑草ロボット「アイガモロボ」のプロトタイプを発表 HAL東京カーデザイン学科の学生がデザイン

有機米デザイン株式会社は有機米の栽培で農家が最も苦痛を抱えている雑草取りの作業を軽減しようと自動抑草ロボット「アイガモロボ」の開発を進めている。これまでの実証実験の結果、一定条件下で抑草効果が確認できたほか、収量増加やジャンボタニシの抑制効果などの副次的な効果も大きいことがわかり、農家からの要望がとても大きいことから早期の実用化に向けて準備を進めている。

同社は販売面で連携する井関農機の夢ある農業総合研究所(茨城県つくばみらい市)にて、アイガモロボ プロトタイプのデザインを発表した。


田んぼを泳ぐカモをモチーフにしたデザイン

アイガモロボは代掻き後の水田を太陽光発電で得られる電力によって自律航行して、水中を撹拌し泥を巻き上げることで光を遮るとともに、土の物理性に影響を及ぼし、水面下にある雑草の生長を抑制する。除草剤を使わずに雑草が生えにくい状態をつくることで、除草にかかる労力を大幅に削減できる。

アイガモロボプロトタイプ

田んぼを泳ぐカモをモチーフにしたデザインはHAL東京の学生、中村哲さんがデザインしたもので、専門学校HALのカーデザイン学科の2年生全員を対象にしたコンペで金賞に選ばれた作品。見た人が「一生懸命頑張って泳いでるね、可愛いね」と思って元気が出るデザインを意識してデザインしたもので、農家の苦労を軽減し、愛されるロボットになってほしいという開発チームの願いも込められている。

左から有機米デザイン代表の山中氏、デザインした中村哲さん、有機米デザイン取締役の中村哲也

圃場でのデモンストレーションに先立ち、コンペの表彰式を行い、同社代表の山中氏からコンペの受賞者に記念プレートと、賞金を手渡した。また、井関農機の縄田常務からは、記念品が贈呈された。

左から銀賞の原さん、金賞の中村さん、銅賞の藤井さん



アイガモロボ プロトタイプの受賞作品

以下、リリースより引用

金賞  中村 哲さん
農家などの審査メンバーが「愛されて日本全国の圃場に浮かんでいるイメージにピッタリ!」との意見で一致し、デザインと生産要件の両立まで考慮した実社会に通用するまさに金賞作品です。


銀賞  原 慧太朗さん
審査メンバーからは「お尻が可愛い」ととても好評でした。可愛らしさとスタイリッシュさが両立されていて洗練されています。審査メンバーは可愛らしさに重点があって銀賞です。


銅賞  藤井 樹さん
Myと米を掛けたまいカモのコンセプト、ロボの横に描かれた五穀豊穣の思いを込めた桜の花が素晴らしい」と好評でした。一眼見た時のコンセプトの伝わり易さに改善を期待して銅賞です。




アイガモロボについて

アイガモロボは2012年より元日産自動車のエンジニア2人を中心に、有機米栽培における大きな課題の一つである除草手間を極小化することを目的とした自動抑草ロボの開発がスタート。その後、ヤマガタデザインに開発の母体が順次移行され、実用化に向けて更に加速するべく、2019年に有機米デザイン株式会社(設立時ヤマガタデザイン100%出資)を設立、東京農工大学との共同研究契約を締結し、開発を進めてきた。なお、これまでロボットの名称を「アイガモロボ(仮称)」としていたが、今後は「アイガモロボ」を正式名称となる。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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