NECの協調搬送ロボット導入に向けてSGシステムと佐川グローバルロジスティクスが3社共同で実証実験を実施

物流業界では慢性的な人手不足が続く一方で、旺盛なEC需要に伴う荷物の増加により、生産性の向上が求められており、特に近年では多様な荷姿への対応、物量の増減や新設備導入に伴う倉庫内スペースのレイアウト変更、深夜時間帯の作業員の確保などが喫緊の課題となっている。

このような課題を解決すべく、SGシステム株式会社(SGS)および佐川グローバルロジスティクス株式会社(SGL)並びに日本電気株式会社(NEC)は、SGホールディングスグループの次世代型大規模物流センター「Xフロンティア」内の通販専用のプラットフォーム「EC Logi Tokyo」(所在地:東京都江東区)への協調搬送ロボット導入に向け、実証実験を行うことを、2022年5月12日に発表した。


同実証実験は、2021年12月に発表された、NECの次世代型の自動搬送ロボットを活用したソリューションによる入出荷作業の生産性向上を検証するもので、今後3社は同実証実験に基づき「EC Logi Tokyo」への本格導入を目指すと述べている。

SGホールディングスグループの次世代型大規模物流センター「Xフロンティア」(画像:SGホールディングス公式サイト内Xフロンティアページより)




同実証実験について

実証実験では、「EC Logi Tokyo」内に設定された約50メートルのルートを使用し、協調搬送ロボットを用いて20種類以上の大きさや形状の異なる荷物の搬送を行います。多様な形状の荷物を作業員のサポートなしに、所定のルートを自動搬送する作業を行い、本搬送方式の有用性を検証。また、実際の入出荷作業を想定し、作業員の事務作業などと連携した搬送を行うことで、本格導入時の生産性の向上も検証する。


実証実験で活用する協調搬送ロボット

どう実証実験では、2台のロボットでユニットロード(カゴ車、平台車等の荷物搬送機器)を挟み込む形で搬送を行う。これにより、ユニットロードの大きさや形状にかかわらず、搬送時にロボットに固定する治具などが不要となり、作業員のサポートなしに自動搬送することができる。また同ソリューションでは、倉庫に設置したカメラから得られる情報を集約し複数ロボットを一括して制御を行うため、搬送ルートの指定やレイアウト変更への対応などを容易に行うことが可能だ。

実証実験のイメージ

▼各社の今後の取り組み

SGS 今後、NECと共に今回の実証実験で使用した協調搬送ロボットの展開・導入を行うことに加え、今回の実証実験で得た知見を活かし、同社の物流自動化ソリューションの(物流コンサルティングソリューションと連動した提案内容に基づいて、システムやマテハン機器販売、インテグレーションサービスを行う)更なる強化に取り組み、物流業界全体の課題解決に貢献していく。
SGL 物流課題の解決に向けこれからも様々なロボティクスの導入を進め、これまで蓄積したノウハウを活用することによる生産性の向上に加え、新たなソリューションを提案できるようDXを推進し、ユーザーの経営課題に物流を通じて最適解を提案していく。
NEC SGSとSGLとの本実証で得られた知見を加え、今後も協調搬送ロボットのさらなるUX(ユーザーエクスペリエンス)向上に取り組み、省人化・生産性の向上といった物流業界における課題解決ソリューションを社会に実装し貢献していく。

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ロボスタ編集部

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