埼工大 自動運転バスの走行距離が年間1万キロを突破、前年度から約3.7倍増加!論語の里バスなど2台のバスが走行 動画公開

埼玉工業大学は、「自動運転技術開発センター」の2021年度(2021年4月~2022年3月末)の活動実績として、自動運転の走行距離が年間合計11,229 ㎞を達成したことを2022年5月23日に公表した。(※冒頭の画像:レインボーII、論語の里バス)


年間走行距離、1万キロ突破

2021年度では、前年度・2020年度の2,970㎞から約3.7倍の大幅に増加して、年間走行距離が初めて1万キロメートルを超えて、11,229 ㎞となった。これは東京、福岡間を5往復走行した距離に相当し、国内の大学における自動運転バスの走行距離として最長級の長距離走行を実施したことになる。

本年度は、大型バス(レインボーII)とマイクロバス(リエッセ II)の2台体制の研究・開発となり、コロナ禍においても各種の実証実験に参加したことによって走行距離が増加した。

同大学は、自動運転バスを開発して3年目となり、これまでに関東地方では1つの県を除く、1都5県において各種の実証実験に参加して各地の公道を走行。自動運転の実用化に向けた各地域の社会実装課題に対して、産官学の協力による課題解決に取り組んでいる。

リエッセII、栃木ABCプロジェクトの参加

自動運転技術センター長 渡部大志氏

埼工大は、2017年12月より、地元・深谷市内の公道における実証実験を開始しました。2019年8月にマイクロバス自動運転バスを開発し、その後全国各地での各種自動運転の実証実験に積極的に参加して、経験とノウハウを高めてきました。
その経験を活かして、大型自動運転バスを開発して、業務用の緑ナンバーも取得し、深谷観光バスとの協力により、乗客を乗せて公道での自動運転を長期間実施した経験を重ねました。
さらに、日本財団の「水陸両用無人運転技術の開発 ~八ッ場スマートモビリティ~」プロジェクトにも参加し、コンソーシアムのメンバーとの共同開発により、陸上での自動運転技術の経験を水上へ転用する世界初のチャレンジにも成功しました。
年間1万キロを超える長距離の走行を実現できましたのは、関係府省庁、関係自治体、関係機関、関係各社、そして深谷市と近隣の住民の方々の温かいご支援ご協力によるもので心より感謝申し上げます。




2021年度の走行実績について

今回、距離が大きく増加したのは、深谷観光バス株式会社との協力により、NHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公ゆかりの地を巡る「渋沢栄一 論語の里 循環バス」によるものだ。業務用の緑ナンバーを取得し、約1年弱の長期間にわたり継続的な営業運行を実施しながら、路線のコース内の自動運転区間を最大26kmへ拡大して走行。さらに、埼玉県外の自治体の自動運転に協力し、栃木県・茂木町と千葉市・幕張新都心の実証実験に参加した。


▼主な参加プロジェクトと走行実績の内訳(合計:11,229.021km)

1. 論語の里循環バス(レインボーⅡ) 2021/4/1~2022/1/10:9531.501km
2. 論語の里ツアーバスなど(レインボーⅡ) 2022/1/11~2022/3/31:577.138km
3. 栃木県、千葉市などの実証実験(リエッセⅡ) 2021/4/1~2022/3/31:1120.382km



■【動画】埼玉工業大学が開発した自動運転システムを中型路線バスに実装、深谷観光バスが一部区間を自動運転レベル2で運行中

■【動画】栃木県茂木町 自動運転バス 試験走行 2021/6/6-20





自動運転バスについて

埼工大の自動運転バスは、自動運転OSのAutowareをベースに、本学が独自開発したソフトウエアSAIKOカーWareにより、AI技術を積極的に採用して、自動運転レベル4相当を目指して開発を進めている。システムによる自動運転とドライバーによる運転が即時にスムーズに切替え可能で、交通の状況に応じて安全に、一般公道を法定速度での走行が可能だ。


マイクロバス(リエッセⅡ)

長さ:625cm、幅:203㎝、高さ:261cm、補助席含め24人乗り、4000ccディーゼル車の自動運転実証実験車両。「令和元年度 埼玉県スマートモビリティ実証補助金」(補助事業テーマ:公道走行可能な自動運転バスの実験車両とAIの実用化・市販化)の採択により開発した。

大型バス(レインボーⅡ)

長さ:910cm、幅:244㎝、高さ:307㎝、定員58人乗り、5.19Lディーゼル車の自動運転実証実験車両。「令和2年度 埼玉県スマートモビリティ実証補助金」(補助事業テーマ:ドライバー不足解消に役立つ自動運転・安全運転支援機能の開発・商品化)および「令和3年度 埼玉県デジタル技術活用製品開発費補助金」(補助事業テーマ:新人ドライバーに優しく労務軽減につながる自動運転路線バスの開発)の採択により開発した。

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ロボスタ編集部

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