スマートグラスを装着した店員を通じて自宅から買い物 凸版印刷が長野県飯綱町で実証実験

長野県飯綱町と凸版印刷株式会社は買い物や移動に課題を抱える住民に向け、スマートグラスを活用した買い物支援の実証実験を行うことを発表した。飯綱町内に店舗を構えるセブン‐イレブン三水普光寺店、社会福祉法人飯綱町社会福祉協議会と協力し、2022年6月から7月末まで実施する。


買い物や移動に課題を抱える住民が増加

飯綱町では少子高齢化、過疎の進行などにより、食料品等の買い物や移動に課題を抱える住民が増加し、これらの課題を解決するための買い物支援対策を重要な施策として位置付けている。

凸版印刷は次世代DX開発拠点である「ICT KŌBŌ」を2020年4月より長野県飯綱町に開設し、システム開発事業に加え、地域活性化の支援に取り組んでいる。今回の実証において凸版印刷はデジタルを活用した課題解決の施策として遠隔コミュニケーションサービス「RemoPick」(リモピック)を提供し、飯綱町と共同で買い物支援の実証実験を推進する。

実証のイメージ



2つの実証実験を予定

実証実験では凸版印刷が開発した遠隔コミュニケーションサービス「RemoPick」(リモピック)を活用し、買い物をしたい対象者がタブレット等を通して店舗にいるスマートグラスを装着した店員に対してポインター機能を使用し、欲しい商品をリアルタイムに指し示しながら伝え、買い物をする。購入した商品は対象者宅等まで宅配され、利用代金はモバイルPOSを通じて宅配時に支払う。利用者は自宅等の遠隔地からでも、実際の店舗を見ながら複数の商品をその場にいるかのように選択・購入が可能。

スマートグラスとWebブラウザのポインター表示イメージ

事前テストの様子

遠隔地における端末での投影の様子
遠隔コミュニケーションサービス「RemoPick」
「RemoPick」はスマートグラスやタブレットなどを用いて遠隔地をリアルタイムで繋ぎ、よりスムーズなコミュニケーションを可能とする次世代サービス。スマートグラスなどの送信側端末の専用アプリケーションから送られる映像・音声を視聴側端末のWEBブラウザに表示する。視聴側で映像にタッチするとポインターが表示され、そのポインターは送信側端末のモニターで確認することができるため、遠隔でのコミュニケーションを円滑にし、新たな価値を提供する。



1.個人宅向け買い物支援

・高齢者の一人暮らしなどを想定した個人宅向けの実証実験を行う。

宅配条件:1,000円(税抜)以上の商品の購入
宅配料:220円(税込)ただし、3,000円(税抜)以上の注文で無料
利用可能時間:2022年6月、7月の週1回(木曜日)
10:00~、13:00~、14:00~

配達時間:(1)正午(10:00注文のみ)、(2)16:00~18:00
配達エリア:飯綱町全域
予約方法:利用したい前日の正午までに、店舗へ利用したい時間(枠)を予約する。


 団体向け買い物支援体験会

・買い物支援とコミュ二ティの活性化などを目的に高齢者向けの集いの場で実証実験を行う。

日時:2022年6月10日(金)10:00~
場所:北川地区コミュニティ防災センター「いきいきサロン」で実施。
※いきいきサロン・・・社会福祉法人飯綱町社会福祉協議会が主体となって実施している、地域での仲間づくり、出会いの場づくり、健康づくりを行う通いの場


今後の目標

実証実験は2022年6月から7月の2か月間実施して課題の整理と検証を行う。その結果を踏まえ、2022年9月中旬から2回目の実証実験を行う予定。その後、2023年度以降の本格運用に向けた検討を行う。


飯綱町について

長野県飯綱町は長野市から車で30分ほどの新潟県にほど近い県北部に位置している。標高はおよそ500~700メートルで「北信五岳」の山並みのひとつに数えられ、妙高戸隠連山国立公園にも指定されている飯縄山の麓に広がる人口10,669人(2022年4月30日現在)の町。町内で生産されるリンゴは国内生産量の約1%、収穫量約1万トンを担い、古くから高品質なリンゴの名産地として、その名を馳せてきた。また、リンゴ以外にモモやサクランボ、野菜、そして特A一等米を産出している。



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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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