西日本電信電話株式会社(以下、NTT西日本)はテルウェル西日本株式会社と清掃ロボット、配達ロボット、警備ロボットなどのサービスロボット間で地図を共用できる地図基盤技術の確立をめざした「異種ロボット間の地図シェアリングの実現に向けた共同研究」を2022年7月21日(木)より開始することを発表した。
生活空間でロボットが安全走行するための地図基盤が必要不可欠
サービスロボット市場の高まりを受け、NTT西日本では「Smart10x」における新領域ビジネスの拡充・拡大に向けた取り組みとして、労働力不足を解消すべく、あらゆるサービスロボットが協調・連携し、人に寄り添った様々なサービスを提供する社会実現をめざした研究開発に取り組んでいる。具体的には生活空間でロボットが安全走行するために必要となるロボットのための地図基盤に着目し、サービスロボット毎の地図生成が必要となる従来の垂直統合型の地図生成・管理方式ではなく、様々なロボット間で地図を効率的に共用できる地図シェアリング方式に関する技術確立を推進している。
一方、テルウェル西日本ではビジネスユーザー向けに遠隔制御した小型の清掃ロボットでオフィス(事務室)・店舗などの掃除機掛け作業を自動で行い、その清掃結果をタブレット・PC 等で確認することができるサービス「クラウド型オフィスロボット清掃サービス ロボ★メン」を2022年4月より提供し、今後「ロボ★メン」のプラットフォーム上に様々なロボットをラインナップすることを検討している。
今回の「異種ロボット間の地図シェアリングの実現に向けた共同研究」では、両社の技術やノウハウを持ち寄り、「ロボ★メン」をユースケースとしたNTT西日本の地図シェアリング方式に関する技術の実用化に向けた有効性について実証・評価を行う。
地図統合技術、地図変換技術を実証・評価
「異種ロボット間の地図シェアリングの実現に向けた共同研究」では今後普及が想定されるサービスロボット間で地図を共用するための地図シェアリング技術の確立のため、異なる時間帯または異なるロボットで生成された隣接地図を一つの地図に統合する地図統合技術、およびロボット仕様に合わせた地図に変換する地図変換技術に関する実証・評価を行う。
具体的には実フィールドトライアルを通じて、地図変換技術において統合・変換された地図を「ロボ★メン」サービスにおいて商用提供しているオフィス清掃ロボットやその他ロボットに配信し、それらロボットが清掃などの業務を完遂できるかなどのフィージビリティ評価に加え、現場スタッフがWEB アプリケーションを用いて地図統合・変換などの操作を問題なく遂行できるかなどのユーザビリティ評価を行う。
【研究の概要】
実施期間 | 2022年7月21日~2023年3月31日 |
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実施場所 | 大阪府大阪市 |
役割分担 | ・NTT西日本 研究の全体管理、地図統合・変換技術の提供、フィールド評価取りまとめ ・テルウェル西日本 |
今後の展開について
研究で得られた地図シェアリング技術に関する知見等の成果により、様々なロボット間で地図を共用できる地図基盤技術の確立が期待できる。今後は2022年11月開催予定のNTTグループの展示会で地図変換技術のプロトタイプを出展するとともに、清掃ロボットだけではなく、配達ロボットや警備ロボットなどの様々なロボットの自律移動に必要となる地域に根差した地図基盤(ローカルダイナミックマップ基盤)を整備し、NTTグループで取り組む4Dデジタル基盤などに組み込んでいくことでIOWN構想に資する技術としての展開もめざしていく。
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。