犬型ロボット「SPOT」に装着、有害ガスを検知するカメラ販売開始 工場内外のメタンなどガス漏れ検知を自動化

株式会社アイ・アール・システムは、アメリカのMFE Inspection Solutions社が開発した、Boston Dynamics社製の四足歩行ロボット「SPOT」へ搭載可能なガス検知用カメラ「MFE OGI」の販売を開始した。
大規模施設における巡回作業の自動化や危険な空間での人による点検作業の置き換えなど、省人化や安全対策として歩行ロボット「SPOT」を使用した最新技術への期待が高まっているという。



Boston Dynamics社「SPOT」搭載向けに開発

ガス検知用カメラ「MFE OGI」は、走行ロボット「SPOT」に搭載できるように開発されているため「SPOT」へ簡単に接続できる。取得した映像を手持ちのコントローラーで確認することができる。
「SPOT」は様々な企業の現場に導入が広がっており、ガス検知用カメラとの組み合わせは、プラントや工場などの広範囲のガス漏洩発見への活用が期待されている。

ガス検知用カメラ「MFE OGI」(左)、走行ロボット「SPOT」に搭載した様子(右)



石油プラントや発電施設への活用

「MFE OGI」は、石油のプラントやパイプライン、発電施設、化学ガスプラント、建設現場などにて多く使用、製造されているメタン、プロパンなどの炭化水素(HC)系ガスを検知する。
従来、ガスの検知は固定設置型センサーやポータブル式ガス検知器を用いて行われてきたが、それらの方法ではセンサーや検知器にガスが接触しないと検知出来ないため、作業員が危険なガスの発生しているエリアに立ち入らざるを得なかったり、漏洩箇所の特定に時間がかかったりといった課題があった。
しかしロボットにカメラを搭載しガスを可視化することで、作業員が立ち入ることなく危険なガス漏洩箇所を容易に発見することが可能となった。


ポータブルカメラとして緊急時の現場対応力強化へ

緊急時のガス漏れ調査が必要な現場では、ポータブルカメラとして使用することもできる。ポータブルカメラは、配管が入り組んでいる箇所やロボット搭載時には死角になってしまうような箇所を点検するのに向いている。このカメラ1台でロボット搭載とポータブルどちらでも活用できるため、色々な状況へのフレキシブルな対応が可能となる。

ポータブルカメラとして使用した場合

カメラは 対応しているスマートフォンやタブレットに簡単に接続可能で、接続端末の画面上で映像の確認やカメラ操作を行うことができる。

【カメラ製品概要】
名称 : MFE OGI
対応ロボット : Boston Dynamics社製走行ロボット「SPOT」
検知可能ガス : 主にメタン、プロパン、ブタンなどの炭化水素系ガス
寸法 : 要問い合わせ
重量 : 要問い合わせ
画素数 : 640×512
波長 : 3.2 – 3.42 µm
デジタルズーム : 4x
最小検出能 : 60g/hr以下(米国環境保護庁(EPA) OOOOa 準拠)
内蔵バッテリー持続時間 : 要問い合わせ

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ロボスタ編集部

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