エイトノット、小型船舶向け自律航行プラットフォーム「AI CAPTAIN」を発表 自動操船アシスト機能の提供を開始

小型船舶向け自律航行技術開発を中心に「海のDX」と「船舶のロボット化」を推進する、株式会社エイトノットは、20トン未満の小型船を対象とした自律航行プラットフォーム「エイトノット AI CAPTAIN」(AI CAPTAIN)を発表。
同技術を実装した自社開発の自律航行小型EV船「エイトノットワン(Eight Knot I)」の体験乗船会を10月28日に広島県宇品にて実施した。

同社のミッションは「あらゆる水上モビリティを自律化し海に道をつくる」ことであり、陸上を移動するのと同じくらい手軽に水上を移動できる手段をつくり、人と海との関わり深めることで、海を基点とした新しい経済圏や周辺ビジネスを巻き込んだエコシステムの構築を考えている。

今回の発表において、同社は、2025年の無人航行船の就航に向け、現行法上でも利用可能な一部機能を「自動操船アシスト機能」として提供を開始し、安全性や人材不足など船舶関連事業が抱える大きな社会課題の解決を目指すと述べた。


船舶関連事業が直面する課題

同社はロボティクスとAIの専門家集団として、小型船向け自律航行技術開発を中心に「海のDX」と「船舶のロボット化」を推進し、社会課題の解決を目指しており、自律航行技術の社会実装を通じて、船舶乗組員のサポートや省力化、安全性の向上、コストの最適化を実現し、水上輸送をより身近なものにしていきたいと述べている。


船舶関連事業が直面している3つの課題
安全性 技術導入の遅れによって、ヒューマンエラーによる事故が発生している。実際に船舶事故の72%は人的要因によって起こっている。
人材不足 就業者数は過去30年で50%減少、現在も46%以上が50歳以上と、深刻な担い手不足となっており、我が国の海運、漁業をはじめとする船舶関連事業が衰退の危機に瀕している。
離島航路の維持・存続 全国に418ある有人離島を繋ぐ生活航路において、収益性の悪化や担い手不足によって航路再編や廃止を余儀なくされている。生活インフラを本土に依存している離島も多く、生活の足となる航路の維持・存続は死活問題となっている。




エイトノット AI CAPTAIN 機能概要

タブレットの画面で目的地をタップするだけで、目的地までの安全な自動ナビゲーションが可能。将来的には「陸上船長」も考えられる。

・目的地に応じた自動ルート設定
・障害物&他船回避
・定点保持機能
・自動離着桟



将来的には「陸上船長」も。遠隔監視機能。

・4台のカメラで周囲360度を監視
・遠隔から航行開始 / 停止指示
・将来的には複数台を一台のPCやタブレットから監視可能


環境にやさしいモビリティへ。船舶電動化。

・高い静粛性により顧客の乗船体験を改善


▼ ロボットAIクルーザー「エイトノットワン(Eight Knot I)」

全長 7.47m(25ft)
全幅 2.79m
推進器 電動船外機2基(12kwh×2)
速度 8knot
航行時間 3時間程度
充電時間 最大10時間
定員 10名
センサー LiDAR、カメラ4基、IMU、GPS等




乗船体験会の様子

10月28日、広島県広島市 広島港湾福祉センター(及び広島市営桟橋)にて開催し、旅客船事業者をはじめ、国や自治体関係者など、合計60名ほどの人々が来場した。




【乗船モニターの方々からのコメント抜粋】
・スムーズな航行で快適でした。特に着桟は人の操船より上手いと感じました。
・船内のモニターに、船の位置や周辺の状況などが分かりやすく表示されるので安心して乗ることができた。
・目的地を設定することで、自動的に航行する手軽さが非常に魅力的に感じた。

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ロボスタ編集部

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