電子書籍や電子ブックを利用する機会が増えていると思います。AmazonのKindleを利用しているユーザーも多いことでしょう。今回6インチ画面の「Kindle (第11世代) 電子書籍リーダー」(NEW Kindle (16GB):通称 無印Kindle)を入手したので早速レビューしたいと思います。
「Kindle (第11世代)」の特徴
そもそも「Kindle」とは何か?「Kindle (第11世代) 電子書籍リーダー」で何ができるのか? どのようなメリットがあるのか? 最大のライバルはもしかしたら「Fire HD8」シリーズかもしれない、などを解説していきましょう。なお、今回、紹介するのは10月に発売された「Kindle (第11世代)」(無印Kindle)と呼ばれるデバイスです。
この「NEW kindle」は第11代目のモデルで、明るさ調節機能付きの300ppi高解像度ディスプレイが特徴で、とてもクリアに読めます(先代は167ppi)。目を直接照らさないフロントライト方式のため、目に優しいと言われています。この方式は一般に「E-ink」と呼ばれ、紙のような読み心地を再現しています。「Kindle (第11世代)」は単行本や新書など読書に特化したモデルで、それしかできない代わりに、スマートスピーカーやタブレットのようにSNSやニュースなどのプッシュ通知に頻繁に邪魔されることなく、読書に集中できることが長所として捉えられています。
周囲によって画面の明るさを調整できます。背景を黒くする「ダークモード」を搭載していて、暗い室内でも読みやすく設定できます。屋内・屋外や時間帯を問わず、快適に読書を楽しめます。
価格はタブレット「Fire HD8」(9,980円)などと比べると意外といい値段で、ロック画面で広告が出るモデルで10,980円、広告なしモデルで12,980円です。
そもそも「kindle」とは?
そもそも「kindle」というのはAmazonが提供している電子書籍サービスで、販売しているサイトを「kindleストア」と呼びます。マンガ、小説などの文学、評論、啓発本など、さまざまな書籍をダウンロードして読むことができます。
Amazonのアカウントでログインし、読みたい書籍を選択して購入すると自分の「マイライブラリ」(クラウド)に保存できます。「マイライブラリ」は、パソコンやスマートフォン、タブレットやKindleデバイスにダウンロードして読むことができます。
購入前にマイライブラリに保存してダウンロードして一部の内容を確認できる「サンプル」も用意されている。
著者が入手した機種はメモリが16GBモデル。デバイス本体に数千冊が保存可能となっています (一般的な書籍の場合)。通常のタブレットと比較すると、表示速度の問題か、全体的にもっさりした動作感覚です。不愉快なほどではありません。ただ、ページめくりなどで意思に動作がついてこなかったりして少し戸惑うことがあるのも、個人的には気になるところです。それ以外は快適です。
Kindle Unlimited
書籍を1冊ずつ購入するほかに、「Kindle Unlimited」というサービスがあります。これは一部の対象の書籍、200万冊以上の本・マンガ・雑誌・洋書等が読み放題になるプランで月額980円です。多数の読みたいタイトルが対象になっていればお得に読書を楽しめます。ただ、対象のタイトルは定期的に入れ替えがあるので注意してください。また、「Kindle Unlimited」で一度に利用できる冊数の上限は20冊です。
「Kindle (第11世代)」の開封とセットアップ
「Kindle」の外箱を開けると、中にはデバイス本体、USB-Cケーブル、簡単なスタートマニュアルが入っています。
セットアップは画面表示の手順沿っていけば簡単にできますが、面白いのはスマートフォンのアプリと連携して簡単にセットアップできる機能です。
Bluetoothでスマートフォンと通信し、スマホのWi-Fiの設定などを移行して簡単にセットアップできます。
セットアップの途中で「Kindle Unlimited」の登録を薦める画面が出ますので、無料期間もありますので、入会したい場合は登録しても良いでしょう。セットアップが完了したら早速、好きな書籍をダウンロードして読みましょう。
Amazon純正カバー「デニム」を装着
本体と一緒にAmazon純正カバー「デニム」も入手しました。「Kindle(第11世代)」にピッタリのサイズで作られていてカッコいいし、画面の蓋の部分を開閉すれば表示と連動していて、とても使い勝手も良いのです。
装着のコツがAmazon純正カバーの説明書きに示されています。
装着完了。手触りもお気に入り。
「Kindle(第11世代)」とほぼ同じ価格帯の「Fire HD8 Plus」
これで「Kindle(第11世代)」の特徴はだいたい解説できたと思います。
ポイントは軽くてコンパクト、文庫本やポケット版書籍を持ち歩く感じ。長時間の読書にも目が疲れにくい反射抑制スクリーン、USB充電アダプター(9W)経由での約2時間充電で数週間利用できる (明るさ設定13、ワイヤレス接続オフで1日30分使用した場合の数値)なども特徴です。バッテリーは最大6週間持つという説明もあります。
一方、注意点は、雑誌や写真集、図鑑などカラー表示で見たい書籍は、モノクロ階調表示になるため適していないこと。そのような書籍はスマートフォンのKindleアプリで見る、と使い分ける方法もありますね。もうひとつは価格です。「Kindle(第11世代)」は広告なしモデルが12,980円です。単機能のデバイスとしては割高に感じます。
例えば、先日ロボスタでもレビューした「Fire HD8 Plus」はKindle本は見られて、カラー書籍もバッチリ、更に映画や動画も楽しめるタブレットです。こちらの価格は13,980円です。1,000円足すと買えるこのラインアップのバランスをどう考えれば良いでしょうか。
読書専用の軽くて長旅のお供にも便利な「Kindle(第11世代)」か、カラー写真集や動画も楽しめていろいろなアプリが使える「Fire HD8 Plus」、どちらを選ぶかはユーザー次第です。
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神崎 洋治神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。