ティアフォー「エッジパーセプション開発キット」提供開始 自動運転/運転支援/自走ロボット/警備・監視カメラなどの開発向け

株式会社ティアフォーは、自社の自動運転開発で実績のある車載HDRカメラ (Automotive HDR Camera) およびエッジコンピュータと、Autowareのカメラパーセプション機能を組み合わせた「エッジパーセプション開発キット」を、同カメラの代理店各社から販売開始することを1月6日に発表した。

なお、この度、販売に先駆け、2023年1月5日〜8日に米国・ラスベガスで開催された「CES2023」にて、同キットを含むセンサフュージョンのライブデモンストレーションを展示した。

左図:エッジパーセプション開発キットのハードウェア構成例、右図:同キットによる夜間の画像認識の例




「エッジパーセプション開発キット」について

同カメラは、120dB相当のダイナミックレンジ(HDR)、車載品質のハードウェア、各種アプリケーションへの高い接続性から、自動運転や運転支援の領域に限らず、自律移動ロボットや警備・監視など様々な用途において採用が進んでおり、すでに国内外の50社以上が導入。また、同社が開発をリードするAutowareは、自動運転システムの開発に必要な様々な機能がOSS(オープンソースソフトウェア)として提供され、多くの企業や教育・研究機関で導入されている。今回は、これまでC1カメラおよびAutowareのユーザーからの要望が多かったカメラパーセプション開発で実績のあるハードウェアおよびソフトウェアを、サポートツールや導入ドキュメントとともに開発キットとして提供する。同販売により、ユーザーはハードウェアの選定や開発環境構築・導入のための工数を大幅に削減し、製品の市場投入までの時間を短縮したり、研究開発推進のための環境を容易に構築できるようになる。また、高品質な車載カメラを用いた様々なコンピュータ上での開発をサポートするため、新たにGMSL2-USB3変換キットを発売し、受注を開始する。




「エッジパーセプション開発キット」の内容

同キットに含まれる内容とオプションは以下の通りだ。


ハードウェア (一部のみの購入も可能)
カメラ TIER IV Automotive HDR Camera C1 (C1カメラ)
コンピュータ ・ADLINK ROSCube-X (RQX-58G) -C1カメラのドライバがプリインストールされた形で提供され、カメラのシャッター制御 (同期) や画質調整を含む機能をサポート
・NVIDIA Jetson AGX Xavier/Orin DevKitにも対応
※別売りのMIPI変換キットが必要
GMSL2-USB3変換キット (新規開発) 同キットを用いてC1カメラをUVCカメラとして容易に利用できるため、x86ベースのWindowsマシンなど様々なコンピュータで利用可能


OSSとして提供されるソフトウェア・サポートツール
・カメラドライバ (Linuxカーネルドライバ、ROS1/ROS2ドライバ)
・画像認識ROS2パッケージ (YOLOX)
・カメラキャリブレーションROS2パッケージ
・カメラシャッター制御ROS2パッケージ (センサ間同期機能)
・簡易画質調整ツール
・上記機能を導入するための各種ドキュメント
・Experimental機能としてカメラベースの3次元形状推定、自己位置推定、白線認識機能などを今後追加予定




▼GMSL2-USB3変換キットの主な仕様

電源供給 USB 5V Vbus (4.75〜5.25V)
カメラ入力インターフェース FAKRAコネクタ (GMSL2)
USB出力インターフェース USB3.0 TypeC (スクリューロック付きコネクタ対応)
帯域:Up to USB3.0 SuperSpeed
画像出力フォーマット YUV422
出力フレームレート Masterモード:10/20/30fpsから選択可能
Slaveモード:外部トリガ周期に依存、最大30fps
リセットボタン 本体のリセットに使用
IOポート RITS 4ピンコネクタ (外部トリガ供給、追加電源供給) ※追加電源供給は、必要に応じてIOポートのDC-INから追加供給が可能(9〜12V)
動作温度範囲 0〜70 (保存温度-10〜85) ℃

左図:GMSL2-USB3変換キット、右図:C1カメラおよびPCへの接続例



■【動画】TIER IV GMSL2 USB3 Converter Kit(動作サンプル)




今後の展開について

同社は車載用LiDARやコンピュータと統合された自動運転システム開発キットの製品化も推進しており、今後は、同キットでのサポート内容に加えて、複数センサ間の空間的なキャリブレーションや時刻同期などの機能、およびCamera-LiDARフュージョンや物体認識などの高度な機能をAutowareの一部として提供していく予定だ。またAutowareをベースとした自動運転ソフトウェアプラットフォームである「Pilot.Auto」や自動運転システムの開発と運用を効率化させるDevOpsソフトウェアプラットフォーム「Web.Auto」との連携も推進し、自動運転開発に必要なあらゆるコンポーネントを提供。それらを市場に提供することで、ティアフォーのビジョンである「自動運転の民主化」に向けた取組みを加速させていくと述べている。


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ロボスタ編集部

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