BOLDLYが雪道での⾃動運転バス走行の試運行を実施 降雪地域で安定した自動運転バス実現へ 北海道東川町で

北海道上川郡東川町及びソフトバンク株式会社の⼦会社であるBOLDLY株式会社は、2023年3⽉6日〜10⽇にかけて東川町の町役場や道の駅ひがしかわ『道草館』などを通る1周約2.6kmのルートで、⾃動運転バス「NAVYA ARMA(ナビヤ アルマ)」(仏Navya社製)の試運行を実施した。



試運行では1日約15便を運行

試運行では、雪道における自動運転バスの走行を検証するとともに、町役場や道の駅周辺などの町内で交通量が多い市街地で社会受容性を調査するのを目的に1日に約15便(調査研究用:約12便、試乗会用:3便)を運行。


試運行の運行ルート

試運行では、BOLDLYが自動運転バスの運⾏業務を担い、株式会社セネックが、BOLDLYの運⾏管理プラットフォーム「Dispatcher(ディスパッチャー)」を使って茨城県の境町にある本社オフィス(遠隔監視センター)で遠隔監視を⾏う。



降雪地域でも安定した運行を実現するための体制構築を目指す

雪道での走行検証では、BOLDLYが協力して2022年12月から自動運転バスの定常運行を行っている同じく北海道上士幌町で得たノウハウを基に、降雪量や気温などの気象条件が異なる東川町において、除雪や除雪によってできる雪山を想定したルート設定など、雪道での走行に必要なオペレーションを検証し、降雪地域でも安定した自動運転バスの運行を実現するための体制構築を目指すとしている。


2023年2月に実施した運行ルート上での試験走行では、積雪後の道路環境を整備した結果、信号がある交差点を除いた区間において、車内に同乗しているオペレーターがコントローラーを一切操作しない「無介入」での自動走行を達成したが、3月に入り気温が上昇したことで、融雪により大きな水たまりの発生や路面が滑りやすくなったり、路肩に除雪した雪が車道に崩れ落ちたりするなどの環境の変化があったため、試運行ではそのような環境下でも安定して走行するために、環境変化に応じて道路環境を整備する。



雪道で安全に走行するための取り組みも

除雪作業により路肩に寄せた雪が走行ルート上にはみ出していると、自動運転バスが障害物として検知してブレーキがかかるため、除雪した雪を十分に路肩に寄せてルートの整備を行い、また安全性を担保できる範囲内で、走行ルート自体をやや中央線寄りに設定する工夫も行う。


バス停付近では自動運転バスが路肩に寄って停車するためさらに除雪が必要となり、バスの停車位置から横30cm以上、前方1m以上、後方2m以上の除雪を実施し、安全にバス停で停車できる環境を整える。


バス停付近での除雪方法

あらかじめルート上でスリップしやすい場所を特定し、運行前に滑り防止剤を撒くことでスリップ防止を行う。



東川町での自動運転バスの定常運行を目指す

試運行の結果を踏まえて、将来的な東川町での自動運転バスの定常運行を目指し東川町とBOLDLYは地域の交通事業者と協議を開始。


また、自動運転バスの利用促進や自動運転バスの運行による地域経済の活性化に向けて、地域通貨の「ひがしかわユニバーサルカード(HUC)」を活用したさまざまな施策の検討を行うために、「HUC」の運営元である商工会との協議も開始する。


東川町とBOLDLYは、地域の交通事業者や商工会などと連携しながら、高齢化が進む東川町において、自動運転バスを活用した利便性の高い公共交通サービスの提供を通して安心して住み続けられる持続可能なまちづくりを推進していくとしている。

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ロボスタ編集部

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