CuboRexが「Jetson Orin NX 16GB」搭載コンピュータキットを販売開始 移動ロボットやエッジAI開発に

建築現場や農地等の「不整地」での作業負担軽減や効率化に取り組むため、動力内蔵型タイヤやクローラの開発・パーツ化・キット販売を行っているCuboRexが、2023年3月28日からCuboRexオンラインショップにて「Jetson Orin NX 16GB コンピューターキット」の販売を開始した。

CuboRexでは「利用者自身が欲しいものを作り、利用することが当たり前となった世界を実現」するための、より柔軟性の高い開発を可能にする動力内蔵型クローラユニットやタイヤキットを始めとするモジュールを提供しており、産業用ロボットにおけるAI実装を後押しするため、より高い処理能力を持つJetsonシリーズの最新世代”Jetson Orin NX 16GB モジュール”を搭載したコンピュータ「Seeed Technology 社製 ”reComputer J4012”」を販売するとしている。


すぐにAI開発を開始できるようにAC電源コードとWifiモジュールが組み込み済み

NVIDIA Jetsonシリーズは、小型軽量で高性能なEdgeAIを実現するプラットフォーム。今までワークステーションで活用されてきたAI技術をモバイル環境で駆動することができ、自律走行ロボットや屋外AIアプリケーションに活用することができるIoTプラットフォームとなっている。

今回販売する「Seeed Technology 社製 ”reComputer J4012”」ではJetsonモジュールから汎用的なインタフェースにアクセスできるようにキャリアーボードが接続されており、一般的なパーソナルコンピュータと同様に容易にEdgeAI開発を進めることができる。

またreComputer J4012は本来AC電源コードとWifiモジュールが付属しないキットとなっているが、CuboRexで販売する製品では、すぐにAI開発を開始できるように、AC電源コードとWifiモジュールを組み込んだ上で販売する。



「reComputer J4012」製品概要



特徴

・Jetson Orin NX 16GB モジュールにキャリアーボードとケースをセットにしたキット
・最大100TOPS(INT8)のAIパフォーマンスを、低消費電力、低レイテンシで実現
・TAOToolkitを使い、ワークステーションでトレーニングしたAIモデルを直接デプロイ可能
・バッテリー駆動するロボット内でもワークステーションと同様のモデルの実行に最適


仕様
サイズ 130mm×120mm×58.5mm
モジュール Jetson Orin NX 16GB
AIパフォーマンス 100TOPS(INT8)
GPU 32個の Tensor コア / 1024コア NVIDIA Ampere アーキテクチャ GPU
GPU 最大周波数 918MHz
CPU 8コア Arm® Cortex®-A78AE v8.2 64ビットCPU 2MB L2 + 4MB L3
CPU 最大周波数 2GHz
メモリ 16GB 128 ビット LPDDR5 102.4GB/s
ストレージ 128GB NVMe SSD
電源 9-19V
ACアダプタ DC12V/5A(バレルジャック5.5/2.1mm(2.5mm互換プラグ、動作確認済み)
WiFiモジュール Wi-Fi 6 (802.11ax)、Bluetooth 5.2



想定される使用事例

・研究用移動ロボットの計算機
・監視カメラやコミュニケーションロボットなどのAIソリューションの組み込みまたは、その開発


価格

・166,000円(税込)


今後の展開​

今後もCuboRexは、安価で、届いてすぐにロボットが制作できる電動クローラユニットとして、移動ロボット開発の実現及び普及を目指していくとしており、人力による運搬や作業負担を減らす移動ロボットを簡単に作れる「CuGo」は、現在多く活用されているスマート農業以外にも土木等スマートコンストラクション分野、また人が入れない災害現場など幅広く活用可能と考えられている。

さらに、「CuGo」を活用したロボットが「ROS」による自律走行、Jetsonシリーズを用いたAIアプリケーションの応用、インタネットプロトコルを用いた超遠隔操作など、不整地産業においても最新の技術を多くの人に手が届くように開発を進め、利用者自身が欲しい物を作り、利用することが当たり前となった社会の実現を目指すとしている。

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ロボスタ編集部

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