指先で考えるロボットハンド「近接覚センサー」発売 人間にはない「近接覚」とは? モノの位置と形を非接触で把握してピッキング

「指先で考えるロボットハンド」の実現に取り組む株式会社Thinker(シンカー)は「近接覚センサーTK-01」を7月31日に発売することを発表した。近接覚は人間にはない感覚のひとつ。それに先がけて、5月23日より、注文受付を開始する。販売価格は242,000円(税抜価格220,000円)。



近接覚センサーTK-01とは

「近接覚センサーTK-01」は、赤外線と高速・高精度AIを組み合わせた独自のセンシング技法により死角部分を含めたモノの位置と形を非接触で把握する。これにより、従来の産業用ロボットでは難しいとされていた鏡面・透明物質、柔らかいものの取り扱いや、暗闇の中で透明な試験管を把持する等、現場環境に応じた臨機応変なピックアップが可能となり、ロボットハンドによるピッキングの可能性や活用分野を飛躍的に広げることが期待できる。


また、ティーチングの時間や労力を大幅に軽減できることから、これまでとは異なった領域でのロボットハンドの活用も期待されている。「近接覚」は、視覚や触覚に頼らずにモノの存在をとらえる、人間にはない認知方法とされていて、視覚では死角を含む見えない部分や、触覚では触る前に離れていても感じる感覚のようなもの。触覚が空間的に皮膚より拡張して、触れる前に感じる感覚と表現される場合もある。同社は、わかりやすいように動画でそのしくみや利点を公開している。

■ロボットハンドが人間の手を超える――Thinker「近接覚センサー TK-01」

※紙風船をキャッチする動画は、当社取締役の大阪大学大学院の小山助教が東大石川妹尾研究室時代の研究成果

■動く対象物をセンシングすることで把持部が追従する動画(2021年08月)




外形と寸法




システム構成



主な仕様と内容物


■会社概要
名称  : 株式会社Thinker
住所  : 〒541-0056 大阪府大阪市中央区久太郎町4丁目1−3 大阪センタービル6F-188 
代表者 : 代表取締役兼CEO 藤本 弘道氏
設立  : 2022年8月
企業説明: 大阪大学大学院基礎工学研究科の小山佳祐助教(当社取締役)が開発した「近接覚センサー」の販売および、同製品を活用したソリューション提案を行っています。その場、その場に応じて、自分で判断する“思考力”をロボットに持たせることで、ヒトと一緒に働く協働ロボットの世界に革新を起こします。
URL : https://www.thinker-robotics.co.jp/
備考  : 社名のThinkerには「考え抜く集団」「考えるロボット」「ロボットの進化(シンカ)を加速させる」といった思いを込めています。

ABOUT THE AUTHOR / 

ロボスタ編集部

ロボスタ編集部では、ロボット業界の最新ニュースや最新レポートなどをお届けします。是非ご注目ください。

PR

連載・コラム