展覧会『日本の巨大ロボット群像』記者発表会レポート ガンダムやライディーン、ダグラムなど巨大ロボットを体感・実感する新体験

「巨大ロボットアニメ」のデザインとその映像表現の歴史を紐解き、「巨大ロボットとは何か」を問いかける、かつてない展覧会『日本の巨大ロボット群像』が2023年9月から福岡市美術館で、2024年2月10日から横須賀美術館で開催される。本日、6月27日に開催の概要について報道関係者向け発表会が開催され、より詳細が明らかになった。それは、巨大ロボットを実感できるまったく新しいカタチの展覧会になりそうだ。
なお、入場料(福岡市美術館)は、一般 ¥1,600、高大生 ¥800、小中生 ¥500。


発表会ではマジンガーZ、ゲッターロボ、勇者ライディーン、ダグラム、メガゾーン23、「宇宙の戦士」の機動歩兵などの原画や設定資料、作品のワンシーン、展示パースなどを明示しながらの説明があった。

登壇した方々。左から展覧会の監修を行っている福岡アジア美術館学芸課長 山口洋三氏、グラフィックデザイナー(メカニックデザイナー)の宮武一貴氏、ゲストキュレーターの廣田恵介氏、ゲストキュレーターの五十嵐浩司氏


“巨大ロボットとは何か?”を問いかける展覧会

展覧会『日本の巨大ロボット群像』は、現時点で45タイトルの作品が展示対象となっている(予定)。この展覧会を監修している福岡アジア美術館学芸課長の山口洋三氏は「初めての巨大ロボットアニメ”鉄人28号”が放映されてから60年の節目にあたる。日本独自の文化ともいえるロボットアニメの歴史、デザイン、映像表現などを紐解き、”巨大ロボットとは何か?”ということを問いかける展覧会にしたい」と語った。

また、「本物の巨大ロボットは未だ誰も見たことがない。一方、アニメの制作素材は全て平面であり2次元。あえてそのギャップを前提に全く新しい体験に取り組んだ。単なる絵画展ではなく、巨大ロボットの大きさ、メカニズム、変形などを展示や絵画、映像で感じて欲しい」と続け、様々な角度から巨大ロボットを探求し展示したものになっていることを示唆した。なお、各作品が制作された背景や設定などはゲストキュレーターの五十嵐浩司氏が解説した。


巨大ロボットを体験し、実感できる新しい体験型の展覧会

展覧会のゲストキュレーターの廣田恵介氏は「巨大ロボットの展覧会というとアニメのシーンやポスターなどが並んで壁に展示されているという印象かと思うが、この展覧会は全く異なる。ロボット作品によって、巨大ロボットの飛び出す絵本の中に皆さんが入りこんだり、アニメで設定された実寸のコクピットを前にして皆さんが”本当にこれ乗り込んで操縦できるのか?”といった議論をしたり。つまり、ロボットアニメ番組を1つ1つ紹介していくものではなく、ロボットの大きさを様々な手法で体感したり、メカニズムを知って実感できるものになっている」と語った。

具体的にはダグラムの実物大コクピットが展示されていたり、ガンダムのシルエットが床に描かれ、その上を来館者が歩いて、触って、大きさやサイズ感を体感したり、といった新しい体験手法が取り入れられている。


あえてアニメの設定をリアルに実寸展示。感じたことを議論して欲しい

廣田氏は「巨大ロボットのデザインは素晴らしいが、それだけではなくて、このロボットが実在して、街中をガチャガチャと動いていたらどうなんだろう、ここは無理があるんじゃないか、など、アニメの設定とリアルとを比較して真面目に議論をする機会があってもいい、という視点でロボットを選択した」と語った。

更に「初期の巨大ロボットのデザインはかっこよさやデザイン優先だったが、あるときから内部構造から逆算して考えてロボットを設計してデザインが制作されるようになった。合体・変形の内部構造もそう、リアルになっている。そのインパクトを伝えるために、今回の展覧会ではかなり大胆な展示をする」と続けた。

最後にゲストとしてメカニックデザイナーの宮武一貴氏が登場し、巨大なロボットの絵画が展示されることが予告された。作品対象はライディーンやマジンガーZ、コンバトラーVのようだ。
当時の夢や憧れが表現された迫力ある巨大絵画、観るのが今から楽しみだ。

【展覧会の見どころ】(リリースより抜粋)
1)巨大ロボットの「メカニズム」に注目!
主人公のロボットへの「搭乗」、そして「合体」、「変形」は巨大ロボットの、いわば「お約束」。玩具展開を前提としたデザインには工夫が凝らされています。が、そのデザインに隠された「メカニズム」には、それなりの合理性があります。本展では、そうしたメカニズムの魅力を、デザイン画やアニメ劇中の場面などから制作した造作物によってお伝えします。

2)気分はパイロット? ロボットの「大きさ」を体感できる!
巨大ロボットの「大きさ」は、アニメ劇中にていかに表現されてきたか?1980 年代になると、巨大なロボットは実用機械レベルに小さくなり、同時にその表現はリアリティを増します。現実にありそうなそうしたロボットたちの一部分(あるいは全部)を、劇中で設定された通りの大きさに引き延ばしたらどう見えるか? アニメの登場人物になった気分でご鑑賞ください!

3)「内部メカ」にもえる!
架空のロボットが、あたかも本当に存在するかのように、「内部透視図」が描かれてきました。装甲の裏側、そして隙間にのぞくメカは、架空メカの「実体化」への欲望なのか、制作者のフェティシズムか? 現在ではプラモデルや玩具でも当たり前のように内部メカが再現されることが多くなったロボットの「内部」に注目します。

4)メカニックデザイナー・宮武一貴による圧巻の巨大絵画を展示!
宮武一貴氏(スタジオぬえ)が巨大ロボットをテーマとした、描きおろしの巨大絵画を本展のために制作。美術館ならではの大画面で、宮武氏の描くロボットワールドを堪能してください!


開催概要
展覧会名 日本の巨大ロボット群像 - ​巨大ロボットアニメ、そのデザインと映像表現- 
(英訳)Giant Robots: The Core of Japanese Mecha Anime 
巡回会場・会期 福岡市美術館 2023年9月9日~11月12日
横須賀美術館 2024年2月10日~4月7日
以降、京都(2024年夏)など追加巡回を調整中。
企画協力 廣田恵介、タルカス(五十嵐浩司) 
展示内容 メカニカルデザインに関する資料(スケッチ、設定資料、絵コンテ、原画、セル画、アニメーション動画、模型、フィギュア、等)


チケット

チケットはARTNEチケットオンライン(https://artne.jp/tickets)、チケットぴあ(Pコード:686-520)、ローソンチケット(Lコード:83534)にて6月20日(火)10時~発売中。

またチケットぴあ限定のお得な図録付きチケットは6月30日(金)10時~数量限定販売される。

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ロボスタ編集部

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