商売繁盛、運を招く、人を招く、厄除け・・・やっぱり猫は最強なのか。
「ビジネスの課題」と「社会の課題」を同時解決するソリューションを提供する株式会社SIGNING(サイニング)は、地方観光地の人手不足支援のデジタルツールとして、ChatGPTを活用した「地元の情報を会話で得られる自動対話サービス」のプロトタイプを開発した。
2023年9月より実際に観光施設での正式導入を目指して実証実験を開始する。特徴的なのは運を招く、人を招く、厄除けなど古来より商売繁盛のために大切にされてきたシンボル「招き猫」をキャラクターに起用したこと。千客万来を祈願して店頭に飾られてきた招き猫に代わって顧客の観光をサポートする。
「ちょっとした手助けをできるツールをChatGPTを駆使して作ってみる」
同社は、地方が慢性的な人手不足だということを課題に感じ、このシステムを開発した。アイデアとデジタルの力でこの課題の解決に挑み「まずはちょっとした手助けをできるツールをChatGPTを駆使して作ってみる」という一社員の案からスタートしたという。
ChatGPTをはじめとするAIの台頭が接客・サービス業においてもその利活用が進行しているが、地方企業にとってはまだまだ導入にハードルがあり、完璧なDXの構築は開発時間もコストもかかるケースがある。また、観光地における「その土地の人らしさ」が損なわれた画一的な接客になることを不安視する観光関係者もいるという。
そこで、地方の抱える人手不足問題の中でも、観光時におけるコミュニケーションの質と機会の向上に注目して、地域を支援できるツールの開発を検討した。
なんでネコなのか?
観光地にいる老若男女問わず、どんな人でも利用できるよう、音声入力とテキスト入力に対応した。
可愛らしい猫の鳴き声や、本当に猫が話しているようなユーモラスな回答のしかけは、ただ情報検索をするだけではなくエンタメ要素も入れることで、少しでも楽しい体験ができるように設計したという。
回答情報はChatGPTとしての回答情報に加え、導入する地域の人が持っている情報を追加して掛け合わせ学習する仕様にしており、その地域に住む人の意見が反映されることで、地域での想い出づくりにもつながるような、AI×人による対話ツールとして開発したという。
今後は、地元の事ならなんでも知っている「タクシーの運転手」、地元の人が集まる「スナックのママ」、「地元の流行に敏感な若者」など、様々な立場の人の意見を反映したUI/UXを開発予定とのこと。やっぱりネコの方がいいかもしれない・・・。
同社は「プロトタイプ版としてのシステムのため、猫がオススメする施設や観光地に関して意図的な優劣等の編集は加えておりません。ChatGPTが生成した回答例としてご確認いただければと存じます」とコメントしている。
今後の展開
9月より大分県湯布院町や岡山県西粟倉村の観光施設にて実証実験を開始。実際に地元の関係者や観光客の方々に利用してもらい、アップデートを重ね、来年以降の本格稼働に向けて進行する計画だ。
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