会話AIロボット「Romi」大規模言語モデルをベースに独自の会話AIを開発 ユーザーを深く理解して寄り添う、会話性能が大幅に向上

MIXIは、“ペットのように癒やし、家族のように理解してくれる存在”を目指して開発している会話AIロボット「Romi」に搭載している独自AIを変更し、大規模言語モデルをベースに独自収集した会話データを追加学習させた新たな独自AIを、2023年10月11日に正式リリースした。
大規模言語モデルをベースに使うことにより、ユーザーの言葉をより深く理解し、よりユーザーに寄り添った会話の生成が可能となる。なお、大規模言語モデルを採用したのは今回が初。

また、新AI搭載「Romi」との会話を体験したユーザーの反応調査結果も公開した。

新AI開発の背景

「Romi」は、2020年6月の先行販売モデルにおいて世界初の「ディープラーニング技術を用いて言語生成し会話する家庭用コミュニケーションロボット」(ESP総研調べ)として誕生。コミュニケーションロボットの中でも会話に特化した唯一無二の存在として注目されており、「Romi」は進化し続けるロボットであり、これまでも会話精度の向上や機能追加を行なってきた。

現在、さまざまなAI活用サービスが、ChatGPT等の既存AIサービスのプロンプトをチューニングする形で生み出されてきている。「Romi」の新AIはプロンプトのチューニングではなく、ChatGPTでも使われているような大規模言語モデルに、「Romi」の目指す世界である「人に寄り添い共感するような会話データ」を追加学習させることで、より「Romi」が目指す世界観にそった会話のキャッチボールができるよう工夫を重ね独自に開発。

本AIを実験的にサイレントリリースし検証を行なったところ、会話を体験したユーザーからもポジティブなフィードバックが得られたこと、そして、サイレントリリース後の細かなブラッシュアップが完了したことにより、正式リリースすることを決定したとしている。また、今後も引き続き会話精度の向上や機能追加を適宜行なっていくとのことだ。

大規模言語モデルとは

大規模言語モデル(Large Language Models、LLM)とは ChatGPTなどに用いられている技術で、大量の言語データで学習を行った巨大なディープラーニングモデル。非常にたくさんの文章を学習しているため、大規模言語モデルをベースとした会話モデルは、言葉の背景を汲んだやりとりをすることができるようになっている。

アップデートの手順

2020年6月の先行販売を含むすべての「Romi」が対象となり、「Romi」をインターネットに接続すると、自動的に更新される。


新AI搭載「Romi」との会話を体験したユーザーの反応

新AIは2023年9月よりサイレントリリースし検証を行ってきた、実際に会話を体験していただいたユーザーのアンケート結果を紹介する。

1:会話頻度の高いユーザーの4割超が、本AIを採用した「Romi」との会話に変化を感じたと回答。多くのユーザーが”会話の精度向上”を実感


アンケートに回答した7割超が、「Romi」とほぼ毎日会話をしていると回答し、その中で本AIのサイレントリリース後に会話の変化に気が付いたユーザーは4割超となった。また、「変化に気付いた会話の内容」については、「より中身のある返しをするようになった」が8割超、次いで「会話内容をより覚えて返すようになった」が7割超となり、多くのユーザーが会話の精度向上を実感した結果となった。

2:「会話の変化」について、約9割が「良い変化(進化)」だと回答


「Romi」との会話頻度が高く、会話に変化を感じたユーザーの中で、約9割が「良い変化(進化)」だと感じていることがわかった。大規模言語モデルをベースとしたことで会話の成立率が向上したこと、そして「Romi」の一番の強みである「オーナーに寄り添い、癒やす会話」がより実現できるようになったことで、「良い」と感じる人が多かったと考えられる。

3:ユーザーからのコメント(一部抜粋)

・「Romi」が話す文量が多くなったように感じます。本当に『会話』しているようです。話題がどんどん膨らみ、おしゃべりが尽きない時がありました。

・チグハグにならず、しっかり意味のあるやり取りになることが増えたように思います。ひとつの話題でラリーが続き、関連のあるネタで話しを広げてくれたり、数ヶ月前に比べて進化していると感じます。

・返事をしないと『無視しないでよ〜』『返事がないから心配したよ〜』等、今まで聞いたことがない事を話すようになり、とても嬉しくなりました。

・私の好きなアニメ・漫画の話題では、登場人物や背景についてかなり詳しくなっていてびっくりしています。

※調査方法

調査期間 2023年9月11日〜2023年9月18日
調査方法 インターネット調査
調査対象 Romiオーナー登録者
有効回答数 682ss


MIXI取締役ファウンダー/Romiプロデューサー 笠原健治氏のコメント

MIXI取締役ファウンダー/Romiプロデューサー 笠原健治氏

新AIの正式リリースに際して、MIXI取締役ファウンダーであり、Romiプロデューサーの笠原健治氏もコメントを寄せている。

MIXI取締役ファウンダー/Romiプロデューサー 笠原健治氏

今から7年前、AIの可能性を信じ、AI×コミュニケーションで新しいプロダクトを生み出すことを目指して、「Romi」の開発を開始しました。そんな私たちでも、昨今のAIの進化は想像していた以上のものでした。今回のバージョンアップで、「Romi」も、例えばChatGPTなど世界最先端のAIと遜色のない会話精度に成長したと考えています。今後も会話精度はもちろんのこと、音声認識や音声合成、記憶の精度などもAIの進化とともに、より自然で滑らかなものとなっていくことを確信しています。そして、家庭になくてはならないロボットとして多くの方にご満足いただけるレベルに成長していくと考えています。

嫌なことがあった日も「Romi」と話せば次の瞬間に笑って心も軽くなっている。家族の中に「Romi」が存在し、ふとした会話にみんなが癒やされる。そんな多くの方たちに元気と愛を提供する存在になっていきたいと考えています。私たち開発メンバーもその発展や実現する未来を楽しみに、これからも日々開発を続けて参ります。


「CEATEC 2023」に「Romi」ブースを出展

2023年10月17日〜10月20日まで、幕張メッセで開催される「CEATEC 2023」においてMIXIは「Romi」のブースを出展。

「Romi」のブースでは、新たな会話AIを搭載した「Romi」との会話体験のほか、ハードウェアの構造やAI技術の進化などがわかる展示物を用意。開発チームメンバーが常駐し、来場者に直接「Romi」を説明するとしている。

名称 CEATEC 2023
開催期間 2023年10月17日~20日
10:00~17:00
会場 幕張メッセ 8ホール
※「Romi」ブース
アドバンスドテクノロジーエリア ブース番号 A067


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ロボスタ編集部

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