「ビルメンフェア&クリーンEXPO 2023」は「ほぼロボット展」と言えるくらい掃除ロボットばかり

清掃や点検など、ビルメンテナンスに関する商材展示会「ビルメンヒューマンフェア&クリーンEXPO 2023」が11月15-17日の日程で東京ビッグサイトにて行われた。主催は全国ビルメンテナンス協会と一般社団法人日本能率協会。


■各社ブースは掃除ロボットのオンパレード

「ビルメンフェア」は国内最大級のビルメンテナンス分野に特化した専門展示会だが、今回は、人手不足対策を背景として、ロボット掃除機のオンパレードとなっていた。本当に驚くほどロボットだらけだったので、各社のロボットを写真や動画でご紹介する。スペック詳細は省略するが、雰囲気だけでも感じてほしい。

蔵王産業「ロボットスクラバー R3-Scrub Pro」

アイリスオーヤマ床洗浄ロボット「BROIT(ブロイト)」。ナビ部分は中国シリウスロボティクス(炬星科技)。掃除ロボとしての仕様を決めたのはアイリスオーヤマ。「Whiz iアイリスエディション」と組み合わせて省人化が可能とし、清掃サポートサービスも展開予定

*動画

RaaS&AI 「UFO CLEANER」。巨大なルンバのような掃除ロボット

IDRIVERPLUS(智行者)無人清掃車「VIGGO」。複合商業施設や公園など1000以上の現場で既に使用されているとのこと

「VIGGO」はテクトレブースでも出展。屋外用自動掃除ロボットは国内では展開が遅れているが、これから普及が始まるのかもしれない

エムエムインターナショナルブースの「IWITH-J40」(手前)と「IWITH-J30」(右奥)。同社の親会社であるパチンコホール最大手マルハンの清掃へ50台導入されることが決定しているとのこと

エレマテックが出展していた床清掃・洗浄ロボット「iKitbot」。静音化が特徴

i-team「Co-botic」。「Co-botic 45」(手前)と「Co-botic 1700」(奥)

GAUSIUMの自律掃除ロボットを販売するくうかん/SmartBXが参考出展した「iXBOT(イクスボット) KB40」 。掃除ユニットの上に警備ユニットを一体化させた複合型。

くうかん 洗浄ロボット「Scrubber75」。大柄だが2m幅で180度回転が可能

アマノの床洗浄ロボット「Hapiibot」。「アマノロボットラボ」については本連載バックナンバーを参照

ブースではアマノが出資しているPreferred Roboticsの「カチャカ」活用例も紹介。ゴミ箱を搬送することで1箇所にゴミ箱を集めることが可能。また、市販のクリーナーをつけて動くことで掃除も可能。アルゴリズムは「Hapiibot」のものを移植

*動画

ケルヒャージャパン 床清掃ロボット「KIRA CV50」。開発中で参考出展。中型バキュームクリーナー。

ケルヒャージャパン 床洗浄ロボット「KIRA B 50」

オカムラ/江口ブース「STRIVER Ⅱ」。「STRIVER Ⅱ」はエレベーターとも連携可能。メカナムホイールを使った独特な移動や壁際1cmまで寄れる所も注目

オカムラのロボット掃除機は既存の業務用掃除機を搭載して使える

*動画

マキタの充電式ロボットクリーナ「RC300DZ」

日本信号 自動清掃ロボット「CLINABO」(左)と「CLINABO CL02」(右)

スウェーデンSveabot Tek ABの多機能掃除ロボット「Sveabot S100」。

三和 床掃除ロボット「Phantas(ファンタス)」。除塵と水吹きが同時に可能

「ガストの猫ちゃん」ことベラボットで知られるPudu Roboticsは「PUDU CC1」をアピール。配膳ロボットを含む同社のグローバルでのサービスロボット出荷台数は累計7万台。

主に中国製ロボットを日本向けにローカライズして販売しているRobot Bank。今もっとも押しているのはホテル向け搬送ロボットとのこと。中国メーカーと密接な関係を築き、いち早く対応できるという


■サービスロボット次の主戦場は掃除ロボットとなるか

掃除ロボットは、普及しそうでそんなに簡単にロボットが普及してこなかった業界だ。そもそもの話として、ロボットによって省人化できたとしても、省人化はメンテナンスサービス提供側には必要だが、ビルオーナー側には直接のメリットはない。そのため、コストダウンに繋げないと理解が得られにくい。

ロボットは新しい機材なので現場リテラシーの課題もある。技術課題もある。今回の展示会でも多くのベンダーが「ユーザーからは壁際まで掃除してほしいと言われることが多い」と語っていた。これは以前から言われていることなのだが「8割は清掃ロボット、残りは人でもいいのでは?」というふうには未だになかなか考えてくれないし、そういう形の使いこなしは望まれていないということらしい。「ロボットというなら全部自動でやってくれ」ということのようだ。しかしそのために大きなコストが必要になったら身も蓋もない。まだまだロボットの性能への理解が必要であるようだ。

だが少なくとも今回の展示会を見る限り、次のサービスロボットの主戦場は「清掃」ということなのかもしれない。特に今回は海外、中国製のロボットが目立だった。以前から掃除ロボットを展開していた企業の姿がかすむほどだ。

Robot Bankによれば、中国メーカーのほうが、ロボット自体の性能向上やカスタマイズ対応も素早いそうだ。国産メーカーも負けずに頑張ってほしい。


■複数社の清掃ロボットをクラウドで連携、データを蓄積

NTT西日本グループのテルウェル西日本のブース。複数社のロボットをクラウドで連携

掃除ロボットだけではない。NTT西日本グループのテルウェル西日本はスマートビル向けのクラウド型ロボット清掃サービス「ロボメン」をアピールしていた。複数メーカーのロボットをクラウド管理。マップ情報も一言管理して、遠隔からロボット管理ができるというソリューションだ。

様々なロボットを連携させる

清掃員の人手不足解消や運用効率化だけではなく、清掃結果を可視化することで品質アップにもつながるという。将来的には、ロボットを日々稼働させることでビル内のデータを蓄積・更新。日々の最新情報を可視化することでビルに付加価値を与えることを目指す。

地図情報をそれぞれのロボット向けに変換可能

ELID Technology 外壁メンテナンスロボットシステム「AXIOBOTS」。洗浄、塗装、漏水調査、外観調査に使えるという。パートナー、販売代理店募集中とのこと

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森山 和道

フリーランスのサイエンスライター。1970年生。愛媛県宇和島市出身。1993年に広島大学理学部地質学科卒業。同年、NHKにディレクターとして入局。教育番組、芸能系生放送番組、ポップな科学番組等の制作に従事する。1997年8月末日退職。フリーライターになる。現在、科学技術分野全般を対象に取材執筆を行う。特に脳科学、ロボティクス、インターフェースデザイン分野。研究者インタビューを得意とする。WEB:http://moriyama.com/ Twitter:https://twitter.com/kmoriyama 著書:ロボットパークは大さわぎ! (学研まんが科学ふしぎクエスト)が好評発売中!

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