「ビルメンフェア&クリーンEXPO 2023」は「ほぼロボット展」と言えるくらい掃除ロボットばかり
清掃や点検など、ビルメンテナンスに関する商材展示会「ビルメンヒューマンフェア&クリーンEXPO 2023」が11月15-17日の日程で東京ビッグサイトにて行われた。主催は全国ビルメンテナンス協会と一般社団法人日本能率協会。
■各社ブースは掃除ロボットのオンパレード
「ビルメンフェア」は国内最大級のビルメンテナンス分野に特化した専門展示会だが、今回は、人手不足対策を背景として、ロボット掃除機のオンパレードとなっていた。本当に驚くほどロボットだらけだったので、各社のロボットを写真や動画でご紹介する。スペック詳細は省略するが、雰囲気だけでも感じてほしい。
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■サービスロボット次の主戦場は掃除ロボットとなるか
掃除ロボットは、普及しそうでそんなに簡単にロボットが普及してこなかった業界だ。そもそもの話として、ロボットによって省人化できたとしても、省人化はメンテナンスサービス提供側には必要だが、ビルオーナー側には直接のメリットはない。そのため、コストダウンに繋げないと理解が得られにくい。
ロボットは新しい機材なので現場リテラシーの課題もある。技術課題もある。今回の展示会でも多くのベンダーが「ユーザーからは壁際まで掃除してほしいと言われることが多い」と語っていた。これは以前から言われていることなのだが「8割は清掃ロボット、残りは人でもいいのでは?」というふうには未だになかなか考えてくれないし、そういう形の使いこなしは望まれていないということらしい。「ロボットというなら全部自動でやってくれ」ということのようだ。しかしそのために大きなコストが必要になったら身も蓋もない。まだまだロボットの性能への理解が必要であるようだ。
だが少なくとも今回の展示会を見る限り、次のサービスロボットの主戦場は「清掃」ということなのかもしれない。特に今回は海外、中国製のロボットが目立だった。以前から掃除ロボットを展開していた企業の姿がかすむほどだ。
Robot Bankによれば、中国メーカーのほうが、ロボット自体の性能向上やカスタマイズ対応も素早いそうだ。国産メーカーも負けずに頑張ってほしい。
■複数社の清掃ロボットをクラウドで連携、データを蓄積
掃除ロボットだけではない。NTT西日本グループのテルウェル西日本はスマートビル向けのクラウド型ロボット清掃サービス「ロボメン」をアピールしていた。複数メーカーのロボットをクラウド管理。マップ情報も一言管理して、遠隔からロボット管理ができるというソリューションだ。
清掃員の人手不足解消や運用効率化だけではなく、清掃結果を可視化することで品質アップにもつながるという。将来的には、ロボットを日々稼働させることでビル内のデータを蓄積・更新。日々の最新情報を可視化することでビルに付加価値を与えることを目指す。
ロボットの見方 森山和道コラム
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森山 和道フリーランスのサイエンスライター。1970年生。愛媛県宇和島市出身。1993年に広島大学理学部地質学科卒業。同年、NHKにディレクターとして入局。教育番組、芸能系生放送番組、ポップな科学番組等の制作に従事する。1997年8月末日退職。フリーライターになる。現在、科学技術分野全般を対象に取材執筆を行う。特に脳科学、ロボティクス、インターフェースデザイン分野。研究者インタビューを得意とする。WEB:http://moriyama.com/ Twitter:https://twitter.com/kmoriyama 著書:ロボットパークは大さわぎ! (学研まんが科学ふしぎクエスト)が好評発売中!