NTTアグリ 施設園芸向け生産・労務管理サービス「Digital Farmer」を提供開始 デジタルデータ活用で安定した農業経営をサポート

NTTアグリテクノロジーは、施設園芸向け生産・労務管理サービス「Digital Farmer」の提供を2024年2月1日より開始した。「Digital Farmer」は、施設園芸を営む生産者の一連業務のデジタル化・データ活用による効率化を実現し、安定した農業経営をサポートするとしている。



提供の背景

農業人口の減少・高齢化が急速に進行するなか、農業現場においてもデジタル技術を駆使して生産性を向上させ、農業を稼げるビジネスにすることで食料の安定供給に繋げることが求められている。

特に高収量の生産が期待できることから世界で成長市場の施設園芸において、生産管理や圃場で働く従業者の労務管理を適切に行うことが生産性向上に重要とされ、経験と勘に頼らない、データを活用した農業経営の取り組みが注目されている。

「Digital Farmer」の概要

「Digital Farmer」は圃場の生産・労務実績データをもとに、リアルタイムで作業状況の進捗管理や精度の高い計画策定、進捗に応じた受発注管理により、農業経営をサポートする。これにより、経験と勘に頼らない、データ駆動型農業経営を手軽に実現でき「収量増」と「生産性向上」に繋げる。

1:作業実績管理
作業者が報告した作業実績データを管理者がリアルタイムに確認し、予実管理を行う機能
2:シフト計画自動策定
勤務人数や作業者の習熟度・作業効率データをもとに、自動で作業割当てを行う機能
3:受発注管理
受注量・収穫量・在庫推移を照らし合わせて出荷予実管理を行う機能

「Digital Farmer」の特徴

「Digital Farmer」では以下の特徴を通じて、農業経営において重要である収量の安定化・管理負担の軽減・適正な労務管理を実現する。

1:ダッシュボードによる圃場全体の作業進捗・収穫実績のリアルタイム把握

ダッシュボード画面イメージ

作業別の進捗状況や当日の収穫状況をリアルタイムに把握することで、管理者は作業遅れを早期に発見してタイムリーな指示を行い、計画的な安定出荷を実現する。

2:感覚的なUIで作業情報を簡単登録

作業登録画面イメージ

作業者がスマートフォンを使って作業内容や作業場所(区画・列)、作業開始及び終了時間等の作業情報を記録し、正確な作業実績データを収集し作業状況の見える化を図る。感覚的なUIで簡単に作業登録が可能で、作業者の負担にならない。

3:データに基づく作業計画・シフトの自動作成

シフト画面イメージ

勤務人数や作業者の特性(スキルレベル・作業効率データ等)により、自動で作業割当・シフト策定を行うことで、管理者のシフト組み立ての業務負担を軽減し、最適なシフトを提案します。作業者は自身のスマートフォンから作業予定を確認可能。

圃場の形状に合わせた柔軟なマスタ設定

区画・品種設定イメージ

作業者、管理者共に使いやすい画面デザインで、実際の圃場レイアウトに合わせて区画や品種、作業道具の設定・管理が可能。例えば、1区画に複数品種を栽培している場合、品種ごとに細かな設定ができるので、正確なデータ収集が可能となっている。

利用料金

あらゆる規模の施設園芸農家でご利用いただけるよう、導入しやすい料金プランで提供をするとしている。

また、料金プランも自然災害やエネルギー・資材価格の高騰など、農業経営を取り巻くリスクの増大を踏まえ、初期費用を抑えて導入しやすい売上連動型と、月額固定型の2種類を用意している。


売上連動型:圃場の年間売上に応じて利用料金が変動する料金プラン
月額固定型:圃場面積に応じた料金プラン・利用したい機能を選べる料金プラン

利用者の声


株式会社ゼブラグリーンズ 取締役 技術責任者 松宮周平 氏

このサービスを使って労務管理の仕組みを構築し、より効率的な圃場運営ができるようになりました。感覚に頼るのではなく、数値データとして可視化することで従業員の残業時間が減少しました。定時に退社できて、それにより人件費も削減できて助かります。
従業員同士のコミュニケーションや意識も変化しました。アプリ上で作業進捗や作業速度のデータが都度表示されるので、「この列の続きをお願い」といった具体的な会話や、「昨日より早く作業できるように頑張るぞ」といった積極的な意気込みも耳にするようになりました。圃場全体のモチベーション向上にも繋がっていると感じますね。
操作画面は、シンプルで感覚的に操作できるので高齢の方も使いこなしています。一日に何度も使うものなので作業者目線でストレスなく使えるのが嬉しいですね。


今後の展開

NTTアグリテクノロジーは、自社圃場の運営で得たノウハウを軸に、施設園芸の設計・施工、またその農業経営をサポートするDXツールの開発提供に加え、データ駆動型農業の実装活用をお客様や地域に応じて積極的に進めていき、日本の食を支える生産現場を起点にサプライチェーン全体の課題解決に寄与することで、食の安定供給、環境配慮型の持続可能な農業の実現を目指し、社会に役割を果たすとしている。

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ロボスタ編集部

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