NTT東「スリープテックプロジェクト」で子供たちに睡眠改善を探究する授業を実施 睡眠データを活用して効果的な睡眠教育を探究

日本電信電話株式会社 埼玉支店(NTT東日本)と学校法人佐藤栄学園は、2023年4月に締結した『最新テクノロジーを用いた次世代教育協創』の連携協定に基づく取り組みの第一弾として、睡眠データを活用し個別最適な睡眠改善を探究する授業(スリープテックプロジェクト)を実施した。

この授業は、小学生が自身の睡眠データを専用睡眠デバイスにより取得し、そのデータを扱いながら睡眠を学ぶというものだ。

NTT DXパートナーの調べ(2024年2月16日時点)によると、このような授業は日本初とのことで、その中の「次世代教育としての成果」と「授業実施による睡眠への効果」について2024年2月22日に発表があった。


同プロジェクトの実施について

日本人の睡眠時間は大人も子どもも世界で最も短いと言われており、小学生の睡眠時間はこの30年間で年々減少している。また、子どもの睡眠は、成長の面においてさまざまな発達と密接な関係があることが明らかになっており、睡眠不足によって体調不良や倦怠感、自尊感情の低下、脳の発達への影響も懸念されている。その一方、学校教育においては、子どもたちが自ら課題を見つけ、学び、考え、判断して行動する力の育成が求められていることなどを踏まえ、「社会へ羽ばたいていく子どもたちが、自分の力で礎(頭・心・身体)を健やかに維持できる力を養うこと」を目的として睡眠データを活用した探究的な学習「スリープテックプロジェクト」を実施した。


▼取り組みの概要

授業名称 睡眠データに基づいた探究的な学習「スリープテックプロジェクト」
実施期間 2023年10月19日~2024年2月末
対象 さとえ学園小学校 4学年児童 78名
内容 睡眠研究×AIの高度なアルゴリズムにより、自分では把握できない睡眠中の状態や睡眠の質などが解る睡眠測定デバイス(ブレインスリープコイン)を用いて睡眠データを取得し、感覚や経験に頼らず『データに基づいた個別最適な睡眠改善を探究』する睡眠教育を実施。同取り組みを通じて、子どもたちおよび保護者に睡眠の大切さについて理解を深めてもらうと共に、データドリブンによる改善手法を身に付ける。



スリープテックプロジェクト授業内容イメージ



▼ 各者の役割

NTT東日本 埼玉支店 ・スリープテックプロジェクト全体コーディネート
・授業の進捗管理、授業運営サポート
・参考書籍、スリープコインとアプリの提供 
NTT DXパートナー ・上級睡眠健康指導士による睡眠に関する知識インプット講義の実施
・小学校から提供いただくデータと睡眠データの相関分析
さとえ学園小学校 ・スリープテックをテーマとした探究的な学習授業の実施
・睡眠データ、学力データ、体測データの提供




同取り組みの結果

同取り組みにて、次世代教育としての成果と授業実施による睡眠への効果を確認することができた。


次世代教育としての成果

睡眠について知識を深く学ぶだけでなく、睡眠の質を可視化したデータを活用したことで、客観的・定量的な評価のもと子どもたち一人ひとりが個別最適な睡眠を探究する学びを実施することができました。また、睡眠を改善するための商品開発提案など、知る(探究)を活かしてつくる(創造)というSTEAM教育の要素を掛け合わせることで、未来の社会に必要な教育へのさらなる展開も期待できる取り組みとなった。


授業実施による睡眠への効果

各月ごとの児童全体の睡眠スコア(アプリ上で定義されている点数)と深い睡眠時間の平均値が向上。また、保護者と子どもへのアンケートから「家族で睡眠に関心を持って改善に取り組め、親子共に充実したプロジェクトだった」「目で見て確認できる事で睡眠に対しての意識が高くなった」などの授業に対する評価の声や、「寝つきが良くなってきた」「朝すっきり起床できるようになってきた」などの睡眠改善効果の声も得られており、同取り組みによって、正しい睡眠の知識と睡眠への意識が向上し、子どもたちの健やかな成長につながる効果的な睡眠教育となったといえる。

授業実施による睡眠への効果

授業実施による睡眠への効果

授業実施による睡眠への効果




今後について

3者は、今回の取り組みで得られた学びをもとに次世代教育の授業モデルを協創し広く展開していくことで、未来を担う子どもたちの生きる力を育んでいくとのことだ。また、効果的な睡眠教育が子どもたちの健やかな成長への一助となるよう努めていくとも述べている。

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ロボスタ編集部

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