三菱商事がティアフォーに出資 自動運転で「地域交通のDX」推進と課題の解決へ
三菱商事株式会社とオープンソースの自動運転の技術やソフトウェア、プラットフォームを開発・提供している株式会社ティアフォーは、三菱商事がティアフォーの株式を第三者割当増資の引き受けにより取得することに合意したことを発表した。出資金額は明らかにしていない。地域交通のDXと自動運転の社会実装を協力して推進していくことが目的としている。
三菱商事、「地域交通のDX」を推進
三菱商事は、日本が抱える交通課題の解決に向けて、事業会社や出資先を通じてオンデマンドバス事業やタクシー配車事業に取り組んできた。また、地域交通の効率化や利便性の向上を目指した「地域交通のDX」にも積極展開してきた。
「自動運転」もこの課題解決に繋がる重要な取り組みと位置付け、2022年に福岡空港における大型自動運転バスの実証実験に参画し、2023年2月には自動運転ワンストップサービスを提供するA-Drive株式会社を設立。以降、同社を通じて全国で自動運転の実証実験を推進しており、福岡県北九州市や神奈川県平塚市では、大型二種免許を持つドライバー不足への課題解決策の1つとして、大型路線バスの自動運転化の実証実験にも取り組んできた。
ティアフォーは「自動運転の技術・ソフト・ハード・実用化を一気通貫で提供
一方、ティアフォーは「自動運転の民主化」をビジョンとし、ディープテック企業として自動運転システムの社会実装を推進。独自開発の自動運転システム「Autoware」を活用したソフトウェアプラットフォームを自社製品として提供し、これらの製品を基盤に市場の需要に対応したソリューションを展開している。
先日、Armsとの連携も発表したばかり。(関連記事「Armとティアフォー、新しい自動運転技術で協業 SDVの開発サイクルを短縮する仮想プラットフォームとソリューションを立ち上げ」)
また、世界各地のパートナーと協力して、Autowareが生み出すエコシステムを通じて、個人から組織まで、全てのステークホルダーと共に自動運転システムの可能性を拡大し、より良い社会の実現を目指すとしている。
三菱商事とティアフォーは、これまでの実証実験を通じて協業関係を築いてきた。両社は、今回の出資により、自動運転システムの社会実装の加速化を目指し、自動運転に関する事業の取り組みを推進していく考えだ。