国産の大規模言語モデル開発のオルツ、デジタルクローンが自律的に仕事や作業をこなしていく「Polloq」(ポロック)を発表

株式会社オルツは2024年3月28日、都内で「オルツカンファレンス2024」を開催し、開発中を含めて4つの新サービスを発表した。


登壇した株式会社オルツ CEO 米倉 千貴氏

米倉氏自身のデジタルクローンが日本語/英語/中国語で来場者に挨拶


4つの新サービス

発表したのは、同社が開発した大規模言語モデル(LLM)「LHTM-2」(ラートム・ツー)を活用した自動オペレーションシステム「alt Polloq」(オルツ ポロック)、人材マッチングシステム「CloneHR」、企業マッチングシステム(M&A)「Clone M&A」、使われていないGPU計算リソースを提供する「EMETH GPU POOL」(エメス)の4つ。
今回は自律的にどんどんと仕事を進めていく「alt Polloq」について解説しよう。

会社を買いたい経営者と売りたい経営者の相性を判断して繋ぐ企業マッチングシステム「Clone M&A」を紹介する株式会社オルツ AI M&A Managing Director 井上 正貴氏 関連記事「企業クローン同士がM&Aの仮想面談 オルツのLLMを活用したM&Aマッチング「Clone M&A」とは?M&Aの相性をスコア化

使われていないGPU計算リソースを提供し、GPUを使用したいユーザーが借り受ける、それをマッチングするサービス「EMETH GPU POOL」(エメス)を紹介する株式会社オルツ CTO 西村 祥一氏




「デジタルクローンP.A.I」の開発・研究、累計資金調達額は100億円超

オルツは、各個人の個性も併せ持つ「デジタルクローンP.A.I」の開発を行っている。デジタルクローンを創るためには、AIの学習/推論はもちろん、デジタルヒューマンの画像処理技術、会話技術、大規模言語モデル(LLM)、主要な研究者とのネットワークなど、非常に多くの要素技術やコネクションが必要だが、オルツは「LHTM-2」(LLM)を初めとして、その技術の多くを持っている点が強みと言えるだろう。ちなみに累計資金調達額は100億円を超える。

同社のデジタルクローン「光綾」(ヒカリアヤ)を紹介するオルツの米倉CEO


米倉CEOが公開したイメージ動画は、AIが生成したものでタイトルは「Beyond perfection」。アーティストはバーチャルヒューマンの「光綾」、音楽や歌詞もAIが生成した。

■オルツ AIが生成したイメージ動画「光綾」(ヒカリアヤ)の「Beyond perfection」

■オルツのデジタルクローン・コンセプト

■米倉CEOのデジタルクローン




デジタルクローンが自分に変わって仕事や作業を代行する「Polloq」とは

「Polloq」は、その代表的なデジタルクローンP.A.I技術のひとつとなるもので、デジタルクローンが自分に変わって勝手に仕事や作業してくれる、というものだ(そう表現すると怖いのだが・・)。

「Polloq」は、『Personalized Optimized Large Language Operative Query;パーソナライズされ 最適化された 大規模言語 操作クエリ』の略称

ユーザーの考えや特性/個性を学習したAIが、キーボード操作など、ユーザーの行動も学習し分析することで、自律的にタスクを実行する能力を持ち、日常業務の自動化と効率化を実現する次世代のツールが「Polloq」。登壇した「OSと、GoogleChromeやEメール、Slackなどのソフトウェアの間に位置付く存在」とした。


自分の代わりにデジタルクローンがPCの作業を代行

最も基本的な利用方法のひとつに「明日の天気を調べる」という入力を受け取ると、システムが自動でブラウザを開き、Google検索を通じて天気情報を取得し、その結果をユーザーに報告する。これだと一般的なAIエージェントと、できることは変わらないように感じるが、例えば、「パソコンの画面をダークモードにして」とOSレベルの操作を行ったり、「オルツカンファレンスに参加した人宛に御礼のメールの文面を考えて、BCCで一斉送信して」といった指示や、Slackに届いた質問にユーザーの意図を自動で推論して回答したり、中途採用に応募してきた人の一次審査の書類を解析して合否を返したり等、今までのアプリではできないことを、デジタルクローンは自分の代わりに作業することができる。

■大規模言語モデル(LLM)「LHTM-2」を活用した自動オペレーション「alt Polloq」

人事担当者と米倉氏のデジタルクローンでは、中途採用に応募してきた人の一次審査の書類の合否の判断が異なる場合がある。そこがP.A.I、「パーソナル」AIの特徴的なところで、個人の性格や好み、判断の基準等を反映しているので、異なってきて当然だという。

「Polloq」の機能を、文字で説明すると「ユーザーの動作や状況を判断してユーザーの代行エージェントとなり、OSとソフトウェアを必要なタイミングでつなぐ役割を担う。さらに、常時命令を必要とする現行のLLMを進化させたシステムで、LLM自体が状況に応じて自らプロンプト(命令文)を生成、ユーザーに代わってコンピュータを操作することが可能になる」エージェントツール。
同社はこれをを『AAA(Artificial Autonomous Agent;人工自律型エージェント)』と名付けた。


同社は、将来的に「alt Polloq」を、音声入力やカメラ映像、クリップボードの内容など、さまざまなユーザーの行動を元に、より自律的に動作するエージェントにすることを目指すとしている。
デジタルクローンP.A.Iによって、ユーザーはより効率的かつ手軽に情報整理やタスクの実行を行うことが可能になる。


2024年6月頃の正式ローンチ

「alt Polloq」は、2024年6月頃の正式ローンチを予定。現在、ウェイティングリストの募集受付を開始しており、リリース時には登録した人に優先して案内をする予定だ。

「alt Polloq(オルツ ポロック)」Waiting List登録はこちら
https://polloq.ai/

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神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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