自動運転バス時代の車掌はAIアバターが担当?AI音声対話アバター「AI車掌」導入、2024年度中にレベル4を実現へ 北海道上士幌町

アドバンスト・メディアが提供するAI音声対話アバター「AI Avatar AOIのシステムにより実現したAI車掌「萩音士 清平」が、北海道の上士幌町の自動運転バスに2024年4月1日より導入された。

今回のAI車掌「萩音士 清平(しゅうおんじ きよひら)」の導入は、スパイスボックスの監修のもと、TRIBALCON.が、キャラクター設定を行っている。



自動運転バスにAI車掌導入は自治体初

上士幌町では、自動運転レベル4の実現により将来的に無人走行が可能となった際に、これまで行われていた車内での会話の機会が減少してしまう課題に対して、地域のコミュニケーションを活性化させ、高齢者でも受け入れやすく親しみやすい対話型AIの導入を検討していた。

そのような中、国内シェアNo.1(ecarlate「音声認識市場動向2023」音声認識ソフトウェア/クラウドサービス市場)のAI音声認識AmiVoiceを活用し、他の自治体での導入実績を持つAI音声対話アバター「AI Avatar AOI」の高い対話能力が評価され、上士幌町の自動運転バスに導入が決定した。

尚、自動運転バスにAI車掌が導入されたのは、全国の自治体で初となる(2024年3月時点・アドバンスト・メディア調べ)。

制御されたChatGPTにより、より正確性の高い回答を実現

今回、GPS機能と「AI Avatar AOI」のシステムを連携させることにより、バス停留所とその周辺情報の自動音声案内を実現。さらに、音声対話機能により、乗客は車内に設置されたタブレット端末でAI車掌との自由な対話を楽しみながら、より詳細な停留所周辺の情報を得ることができる。

また、キャラクターや上士幌町に関連する情報をインプットし、不適切なワードを回避するよう設定したキャラクタードキュメントと、制御されたデータベースから、AIが適切な回答を選択することで、より正確性の高い回答を可能にしている。

さらに、AI車掌が意図しない回答を行った場合の情報の追加・編集や案内する周辺情報などの更新もユーザー側が管理画面から自由に実施することが可能となっている。

AI車掌「萩音士 清平」のUI・アニメーションなど、キャラクター設定全般はTRIBALCON.が監修。2Dイラストに立体的なアニメーションを加える表現技術Live2Dを採用し、より滑らかな動きを実現している。

また音声合成は、声優の収録音声を元にアドバンスト・メディアが開発した。さらに、キャラクターの表情や仕草をAI自身に選択させることで、乗客から質問を受けた際に考える様子を示したり、笑顔で回答するなど、視覚的にも自然な対話を可能にしている。

アドバンスト・メディアは、少子高齢化に伴う人材不足の解消に向けた取り組みとして、さまざまな業種で無人化・省力化が進む中で、対話型AIである「AI Avatar AOI」を全国に広め、コミュニケーションの活性化や、利便性の向上を図っていくとのこと。

AI車掌の機能について

1:バス停留所の周辺情報案内

GPS機能と連携し、バス停留所やその周辺情報の自動音声案内を行う。バス停留所の位置情報を設定することで、次に停車するバス停留所の情報や定期おすすめ情報、町のイベント情報、有料広告枠の情報を音声で案内。音声案内のタイミングはGPSによる位置指定、または時間で設定が可能となっている。

2:AI音声対話

バス停留所の周辺情報案内に加え、AI車掌と自由に会話を楽しむことができる。キャラクターやユーザーに関連する情報をインプットし、不適切な会話を回避するよう設定したキャラクタードキュメントと、制御されたChatGPTのデータベースから、AIが適切な返答を選択することで、より正確性の高い適切な回答を実現する。

3:AIスペシャル機能

バス利用者に親近感を持ってもらうために、AI車掌によるワンフレーズ歌の歌唱や、上士幌町にちなんだ早口言葉、じゃんけんなど、特別なコミュニケーション機能が用意されている。

2024年度中に一部区間での自動運転レベル4を目指す自動運転バス

定員 11名(乗務員除く)
運行速度 最大20km/h未満
運行日 【道の駅循環線】月曜、木曜、土曜
 【西団地・北団地循環線】月曜、木曜

全ての曜日・運行ルートで、2024年4月1日(月)よりAI車掌を搭載。

少子高齢化によって生じる公共交通機関の課題にICTを活用して対応するための手段として、2017年に北海道初となる自動運転バスの公道走行実証を皮切りに、段階的に実証実験を実施。2022年12月より自動運転レベル2による定期運行を開始し、2024年度中に一部区間での自動運転レベル4の実現を目指している。

AI音声対話アバター「AI Avatar AOI」について

1:AIが顧客対応を自動化。24時間365日の対応が可能。

AI音声対話により顧客様対応を24時間365日無人で行えます。問い合わせ対応の工数削減や企業の人手不足解消、リモート環境下での顧客接点強化などに貢献します。会話の内容によって、有人対応に取り次ぐことも可能。

2:ChatGPT×独自の対話システムでキャラクター性を再現。

独自の対話システムとOpenAI社の会話生成AI「ChatGPT」を連携し、より品質の高いAI対話を実現。性格、口ぐせ、言い回しなど本来のキャラクターの性格や話し方を再現しつつ、柔軟で多彩な対応が可能。利用者に応じてアバターの外見変更や音声合成のカスタマイズも可能となっている。

3:マルチデバイスに対応

VR・メタバース、デジタルサイネージ、タブレットなど、目的や用途に合わせてさまざまなデバイスを選択できる。さらに、ソーシャルVRアプリ「VRChat」上では、AIアバターにさまざまな感情を表現させることや、ワールド内を移動しながら案内を行うことなどが可能となっている。

4:シンプルな管理画面で、対話内容を簡単に確認・編集

音声認識結果や自動応答の内容など、管理画面から確認・編集することが可能。データを分析することで、マーケティングなどに活かすこともできる。

5:多言語対応(字幕システム)

日本語に加え、英語、中国語などの音声で話しかけることが可能となった。多言語の問いかけに対してもリアルタイムに音声認識し、キャラクターが応答する。キャラクターの応答内容は、設定した言語に合わせてリアルタイムに字幕表示されるので、キャラクターの日本語特有のニュアンスや話し方、口癖はそのままに、映画の字幕のようなシステムでコンテンツの特性を保ったままの多言語に対応している。

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ロボスタ編集部

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