「自走式ロボット」に関する発明で特許を取得 RoboSapiensと戸田建設が共同で

RoboSapiensと、戸田建設は、「自走式ロボット」に関する発明で新たな特許を取得したことを明らかにした。

今回の特許は2023年1月に両社が共同で実施した「ロボットを用いた施設点検の自動化に関する共同研究」の成果をベースとしたもの。

共同研究の内容

この共同研究は、戸田建設が、ビル内環境を最適に保つため、空気質などの環境計測を固定センサや移動ロボットでおこなってきたものの、高さを変化させて計測することができないことが問題となっており、RoboSapiensの巻尺アクチュエータの機構を搭載した自律移動ロボット『BambooBot』を使うことで、執務スペースの床面・作業机・天井と高さを変えながら、作業場の照度が労働安全衛生規則を満たしているかを確認する法定検査の自動化実験をおこなったもの。

両社による共同研究の結果、いずれの作業エリアにおいても法定基準を満たしているというレポートを作成することができ、かつ、部屋の形状によって光の当たりづらくなる領域ができることがわかり、内装の最適化に役立てることもできるようになった。

発明の内容

今回の発明は、“自律移動ロボット”と“センサ計測”の技術分野に関するもの。

“自律移動ロボット”は、「センサから出力された検出結果に基づいて、高さ方向を含めた立体的な環境計測を正確に行うことができる自走式ロボットを提供する」という課題を満たしたもので、“センサ計測”は、「センサ計測の機能を持つ自走式ロボット」の発明に対してのものとなる。

なお、環境計測の対象は、CO2濃度のみならず、温度、湿度、照度、放射線、近接、磁気、撮像、気圧、加速度、騒音又は音響も含まれており、環境計測に関わる包括的な内容となっている。

特許の内容


特許番号 特許第7465511号
登録日 2024年4月3日
発明の名称 自走式ロボット
特許権者 株式会社RoboSapiens
戸田建設株式会社
発明者 長尾 俊(株式会社RoboSapiens 代表取締役社長)
田村秀一(戸田建設株式会社ICT統轄部DX推進室 主任)・他2名 (敬称略)


両社コメント

Robosapiens代表 長尾俊 氏

特許を取得した機能を搭載した、弊社の自律移動センサロボット『BambooBot』は、巻尺の機能を用いることで、水平方向に移動のみならず、垂直方向にもセンサを昇降させながら自動で環境計測を行うことができます。床から天井近くまで、今まで計測が難しかった位置を含め立体的に環境計測を行うことで、より詳細なデータを収集することができるので、設備点検業務の自動化や、新たな施設管理戦略のためのデータ提供が可能になります。また、高所作業などの危険な点検作業の代替で、安全や省力化にも貢献できると考えています。


戸田建設 DX推進室 主任 田村秀一 氏

オフィスビル内の環境は固定センサを設置して計測することがほとんどです。しかしオフィスビル内では様々な理由から固定センサを設置できない箇所があり、それが環境計測ができない「計測の空白地帯」の発生につながります。加えて、ロボットに搭載したセンサを用いて巡回計測を行う場合でも、センサの高さが固定されているために測定範囲が限られてしまうことがあります。今回、特許取得をした自律移動ロボット『BambooBot』は、「移動できるセンサ」であるとともに計測高さが可変であることから、オフィスビル内を3次元的に計測し「計測の空白地帯」を解消することができます。


BambooBotについて


特許を取得した巻尺の機構を用いることで、コンパクトな車体から高い位置に計測機器やカメラを持ち上げ、3次元のあらゆる位置での計測を可能にする自律移動ロボットです。先端にカメラやセンサなど様々なアタッチメントが装着可能で、風速・風量測定や火災警報器点検等が可能。

3次元マップを生成し、あらかじめ決めた巡回ルートを自律的に移動可能で、走行中に人や障害物を検知した場合は一旦停止し、ルートを再探索する。

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