パナソニックHD 自動搬送ロボット「ハコボ」佐賀県ロボット走行事業に参画 物流の人手不足や買い物弱者など社会課題解決に向けて

パナソニック ホールディングス株式会社(パナソニックHD)は、自動搬送ロボット「ハコボ」を用いて様々なサービスに対応してきた実績や、届出制に基づく導入実績、長期間のサービス提供に対応できる体制などが評価され、佐賀県が実施した令和6年度自動配送ロボット走行事業業務委託に選定されたことを発表した。4月28日からハコボと遠隔運用サービスを活用して佐賀市の「SAGAサンライズパーク」周辺での自動走行を開始する。

SAGAアリーナ前を走行するハコボ

「SAGAサンライズパーク」は2024年の「SAGA2024 国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会」の開催を契機として、2023年5月にグランドオープンしたエリア。

SAGAアリーナを出発するハコボ




ロボットを活用したサービスの実用化に取り組む

パナソニックHDは、少子高齢化による労働者不足などの社会課題の解決に向けて、ロボットを活用したサービスの実用化に取り組んでおり、ハコボを用いた住宅街での配送サービスや都市部での商品販売、公園内でのパトロールや情報発信など様々な地域で多様なサービスを提供してきた。

佐賀市文化会館内を走行するハコボ

本件では、佐賀県が抱えている物流分野の人手不足や買い物弱者などの社会課題の解決に向けて、住宅街でも受け入れられてきた高度な安全性能や親しみあるデザイン、コミュニケーション機能を有するハコボおよび安定の運行を支えてきた遠隔運用サービスを提供。届出制に基づき円滑に導入し、約1年間の定常運行を実施することで、ロボットの走行が日常的な風景となる社会に向けた第一歩を支援していく、としている。

書類を受け取る様子




自動搬送ロボット「ハコボ」および遠隔運用サービスの提供内容(予定)

期間:2024年4月28日から2025年3月28日
内容:
SAGAアリーナと佐賀市文化会館との間をハコボ(1台)が自動走行し、書類などの荷物を配送。
東京・神奈川・大阪に設置された遠隔監視システムからオペレーターが常時、ハコボの状態を見守る。緊急時には遠隔からオペレーターがハコボを操作することもできる。

遠隔監視の様子

「SAGA2024 国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会期間中」(2024年10月)は毎日走行する予定。この期間は、ハコボのキャビンを入れ替えて、商品販売など配送以外のサービス提供を検討している。

SAGAアリーナ前を走行するハコボ

なお、同社として届出制に基づくロボットサービスの提供は4件目で、この件数は業界最多となるという(2024年4月25日時点、同社調べ)。

パナソニックHDでは、モビリティサービスプラットフォーム「X-Area」を展開し、AI/ロボティクスの活用により、遠隔からもモビリティをつかいこなすことで、いつでも、どこでも、どんな方でも、安心して働くことができる、暮らしを便利にするサービスを利用できる社会づくりを目指している。
ラストワンマイル配送に留まらず、商品販売を始め、警備や見守り、広告、案内など様々な業務において、暮らしを便利にするサービスの提供と、労働力不足や労働環境の改善に貢献していく考えだ。

ABOUT THE AUTHOR / 

ロボスタ編集部

ロボスタ編集部では、ロボット業界の最新ニュースや最新レポートなどをお届けします。是非ご注目ください。

PR

連載・コラム