羽田空港の制限区域内で荷物輸送トラクターや旅客輸送バスのレベル4自動運転を2025年12月に実現へ NECが車両制御用設備を開発

NECは、東京国際空港(羽田空港)の制限区域内において、レベル4車両の自動運行システムの実用化に向けて、共通インフラの提供するための取り組みを行う。(冒頭の写真はイメージ)

これは、共通FMS(Fleet Management System)機能を持つ「東京国際空港制限区域内車両制御用設備(製造・設置・調整)」(VME)を国土交通省東京航空局からNECが受注したことに伴うもの。自動運転車両と連動する信号設備や、自動運転車両の死角を補うカメラ設備などで構成されたVMEを整備し、空港制限区域内でのレベル4自動運行の実現に貢献する。なお、同自動運転は2025年12月に運用開始が予定されている。


共通FMSとは

共通FMSとは、空港制限区域内を走行する自動運転車両を管理する複数の事業者が運用するFMS(自動運行実施者が、地図情報と連動しながらリアルタイムに移動体の位置を把握し、適切な経路情報の表示や配車指示などを行うもの)と接続し、信号制御機能、状態監視機能、情報共有機能を通じて、制限区域内の車両走行の安全且つ円滑な通行を確保するもの。


空港制限区域内でのレベル4自動運行の実現のため「VME」を整備

グランドハンドリングをはじめとする空港業務を巡っては、コロナ禍前から労働力不足が課題となっている。こうした中、昨今のインバウンドの急回復を受けて、業務の省力化・効率化を推進するため、国土交通省では、「手荷物や貨物などの輸送を行うトーイングトラクター」や「乗客・乗員の輸送を行うバス」などの自動運転化に向けた実証を進めている。
一方で、航空機が駐機し、様々なグランドハンドリング車両が走行する制限区域内でレベル4自動運行を実現するためには、航空機の安全性確保はもちろん、有人車両と自動運転車両が混在する状況においても各種車両の運行の安全性を高め、且つ円滑な空港運用を確保することが不可欠であり、事業者が共通して利用するデジタルインフラの整備が重要になっている。

NECは半世紀以上にわたり航空管制システムと空港関連システムを構築してきた実績をもとに、エアラインや自動運転車両メーカーなどの関係事業者と連携し、空港制限区域内でのレベル4自動運行の実現に不可欠なVMEの整備に取り組む。


VMEの主な機能

・空港制限区域内の交差点において有人車両と自動運転車両の交通整理を行う信号制御機能
・自動運転車両のみでは見通しの確保が困難な箇所にカメラ装置を設置し、カメラ映像を自動運行実施者へ配信する状態監視機能
・関係者間における情報共有を行う情報共有機能

これらにより、空港制限区域内の安全かつ円滑な車両運行を確保。また、事業者FMSと連携することで、自動運転車両を導入・使用する事業者が共通して利用可能なインフラとして空港制限区域内でのレベル4自動運行の実現に貢献する。


NECは「今後もデジタル技術を活用し、安全・安心で効率的な交通インフラの実現に取り組んでいきます。将来的に航空機の運航と制限区域内での自動運転車両などとのシステム連携を目指し、空港における業務の効率化に向けた取り組みを進めていきます」とコメントしている。

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ロボスタ編集部

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