NECと琉球朝日放送「AIアナウンサー」の番組制作へ 80言語以上に対応のバーチャルヒューマンで
琉球朝日放送株式会社と日本電気株式会社(NEC)は、番組制作に関わる働き方改革や多言語コンテンツ拡充の実現に向け、AIアナウンサーを活用した番組制作の取り組みを開始する。
具体的には、NECが放送原稿を基にアナウンス映像などを自動的に制作するシステムを構築し、琉球朝日放送がこのシステムを活用して、地上波での放送およびインターネットでの配信する。開始予定時期は2025年1月頃。
なお、この事業は琉球朝日放送が沖縄県の「令和6年度沖縄DX促進支援事業補助金」の交付を受け、NECとともに実施するもの。
地方放送局の人材不足や多言語番組対応をICTで支援
地方放送局では、アナウンサーや番組制作の専門的なスキルを持つ人材の慢性的な不足が課題となっていて、DX推進による働き方改革が求められている。また、定住外国人や訪日外国人に向けた、多言語でのニュースや災害情報、観光情報などの発信もますます重要になってきている。
そこでこの取り組みでは「AIアナウンサー」を活用した番組制作システムを構築。今回利用するAIアナウンサーは、80ヶ国以上の言語に対応し、入力されたテキストに対して自然な形で口元を動かし、原稿を読み上げることができるという。
これにより、制作者は原稿のテキストデータを用意するだけで、アナウンス映像を制作することができるようになる。多言語コンテンツを制作する場合も、機械翻訳を活用し、日本語コンテンツとほぼ変わらない作業時間で映像を制作することができる。
今後、琉球朝日放送ではAIアナウンサーの活用により、働き方改革の推進や多言語コンテンツの制作に取り組むとともに、多様なコンテンツの制作によるビジネス機会の拡大を目指す。また、NECはAIアナウンサーなど最新のデジタルテクノロジーの活用により、放送局のDX推進を支援する。
なお、今回のAIアナウンサーにはDeepBrain AI社のAIアバターソリューションを利用。DeepBrain AI社は、NECが、世界のスタートアップ企業を対象にして実施するグローバルアクセラレータープログラム「NEC Innovation Challenge」の2022年度NEC賞受賞企業。
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