ALS啓発 音楽フェス「MOVE FES. 2024」11/24にハイブリッド開催 脳波でロボットアームを操作する身体拡張パフォーマンスなど

一般社団法人WITH ALSは、ALS啓発を目的とした音楽フェス「MOVE FES. 2024」を、11月24日(日)に渋谷の「LINE CUBE SHIBUYA」にて開催する。ALS当事者の武藤将胤氏が視線入力や脳波でロボットハンド等を使ったパフォーマンスを披露するほか、賛同したミュージシャンやアーティストによるライブステージ、有識者や関係者によるトークショーなどが予定されている。また、武藤氏らがデザインしたアパレルグッズ等の物販も予定され、販売や商品説明など、来場者との会話をアバターロボット「OriHime」などが担当。アートとテクノロジーが高次元で融合するイベントになりそうだ。

このイベントフライヤーは、ALS当事者の武藤将胤氏が視線入力でデザインしたもの

難病のALSは筋萎縮性側索硬化症。2024年現在、有効な治療法が確立されていない指定難病だ。意識や五感は正常の
まま身体が動かなくなり、やがて呼吸障害を引き起こし、延命のためには人口呼吸器が必要とされている。
このイベントではALS当事者であり、クリエイター・アーティストとして活動を続ける、WITH ALS代表の武藤将胤氏が企画・演出を務める。

クリエイター・アーティストとして活動を続ける、WITH ALS代表の武藤将胤氏

「ちょっと先の面白い未来(ちょもろー)」でもステージ上でロボットハンドと視線入力でパフォーマンスを披露した(写真は『ちょっと先の面白い未来2023』にて)

今回も昨年に引き続き、現地ライブ会場に加えて、オンライン配信・メタバース会場でのハイブリッド開催となる。




著名なアーティストのライブと「EYE VDJ MASA」のパフォーマンス

ステージでは、「MOVE FES.」の趣旨に賛同したアーティストによるライブステージに加え、「EYE VDJ MASA」(武藤将胤氏)のパフォーマンスや、ボーダレスなアーティストとのコラボステージ、さらにはALS支援の最前線について対談するALSトークショーが予定されている。(以下、写真は過去のイベントの様子)




MOVE FES. 2024 見どころ
・世界で初めて身体拡張パフォーマンスを組み込んだライブ演出
 脳波でロボットアームを操作 / 筋電センサーでデジタルアバターをコントロール
・客席で脳波テクノロジーを体験できる限定チケットも販売
・ALS当事者・武藤将胤氏がテクノロジーによる身体拡張でPC作業
 楽曲制作・ジャケットデザイン・アパレルデザインをすべて視線入力で実現



イベントコンテンツの詳細


■身体拡張パフォーマンスを組み込んだライブ演出

「EYE VDJ MASA」のライブステージでは、 武藤将胤氏自身が視線コントロールでDJ・VJを操作。
筋電センサーでデジタルアバターをコントロールし、メタバース会場でもパフォーマンス。
脳波でロボットアームをコントロールし、ステージ上でパフォーマンス。

ライブステージのタイムスケジュール(予定)


■脳波テクノロジーを会場で体験

数量限定、脳波テクノロジー「EMOLIGHT」を体験しながらライブ鑑賞できるプレミアム席が登場。
言葉やジェスチャーや表情を使わずとも、感情や気持ちを表現・共有することができる。
会場ロビーでも、「NOUPATHY」による脳波テクノロジーを体験可能。


■ボーダレスウェア&ALSチャリティーアパレルを分身ロボットが接客販売

分身ロボットが接客販売する「01 ROBOT POP-UP STORE」。分身ロボット「OriHime」を通じて、障がいを持つパイロットたちが自宅から遠隔接客する。OriHimeパイロットは、商品説明だけでなく自己紹介や雑談も交えつつ、ユニークな接客が人気となっている。


ボーダレスウェアを展開するWITH ALS「01 BORDERLESS WEAR」から限定デザインも発表。



テクノロジーとの共生、身体拡張の未来

武藤氏は、アーティスト「EYE VDJ MASA」として、楽曲制作の打ち合わせやイベントの企画書作成、アパレルデザイン、楽曲ジャケットやイベントフライヤーのデザイン作業、音楽ソフトの編集に至るまで、すべて視線入力でPCを操作しながら自身の力で形にしてきた。

視線入力でイラストレーターを操作し、デザインを行う武藤将胤氏

「MOVE FES.」は毎回、テーマを設定しており、今回は『WE CAN EXPAND. 僕らは拡張できる。』が開催コンセプト。
これまでは、「ALSになると身体が動かせなくなる。そんな未来なら延命なんてしたくない。」世界中の人にそう思われ、全世界で約9割の人が延命を諦めてきた。しかし、2024年現在、武藤氏は視線入力を駆使して自分の意思や感情を表現し、他者とコミュニケーションを取り、実際に仕事をしている。脳波や筋電センサーなどのテクノロジーの力を活用して、アバターやロボットアームを操作できる未来が、目の前にある。

WITH ALSは「MOVE FES.でのステージ表現やWITH ALSでの活動を通じて、身体拡張の未来を自身が体現することで、固定概念を覆し、一人でも多くの人が希望を持ってもらえるようにと願っています」とコメントしている。


イベント名 : MOVE FES. 2024
会場 : LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)(〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町1-1)
日程 : 2024年 11月 24日(日) 16:30 〜 20:30予定(15:00開場予定)
主催 :一般社団法人WITH ALS
詳細情報(リンク) :ALS啓発音楽フェス「MOVE FES. 2024」
問合せ先:info@withals.net
各種チケット
来場(イープラス):https://eplus.jp/sf/detail/2617630001-P0030003?P6=001&P1=0402&P59=1
オンライン配信、メタバース(ZAIKO):https://withals.zaiko.io/e/movefes2024


武藤将胤氏プロフィール

一般社団法人WITH ALS 代表理事 / EYE VDJ /COMMUNICATION CREATOR / 株式会社オリィ研究所 当事者顧問

37歳、ALS患者。ALSの課題解決を起点に、クリエイティブの力でBORDERLESSな社会を創造することをミッションに活動している。全ての人が自分らしく挑戦出来るBORDERLESSな社会を目指して、エンターテイメント、テクノロジー、介護の3つの領域で、課題解決に取り組んでいる。

クリエイターとして、2020年東京パラリンピック開会式や2022年CANNES LIONS、2024年SXSW出演など国際イベントにも多数出演。「EYE VDJ MASA」名義で様々なアーティストとコラボレーション作品を制作する。

難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)
2024年現在、有効な治療法が確立されていない指定難病。意識や五感は正常の
まま身体が動かなくなり、やがて呼吸障害を引き起こす。延命のためには、人口呼吸器が必要。平均余命は、3~5年。
呼吸器を装着する事で生きることはできるが、身体能力に加え発話能力も失っていく。現在年間約10万人に1人が発症
しており、世界で約40万人、日本には約1万人の患者がいる。

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ロボスタ編集部

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