ルノーがセレンスと提携 ルノーの公式アバター「Reno」の車載AIエージェントに生成AIを導入して性能向上へ

自動車業界向けに AI技術を提供している Cerence Inc.(セレンス)は、ルノーとのパートナーシップを拡大し、ルノーの次世代マルチモーダル車内コンパニオン「Reno」の開発で連携した。「Reno」は2024年9月に欧州で発売の「Renault 5 E-Tech electric」に搭載され、2025年には「Renault 4 E-Tech electric」でも利用可能になる予定。

「Reno」はルノーの公式アバターで、生成AIを活用し、人間との対話のような自然なインタラクションを実現したAIエージェント。インテリジェントで愛らしい車内コンパニオンとして、今まで以上に直感的で楽しい運転体験をもたらす、としている。



生成AI対応の「Cerence ChatPro」

Reno の人間らしい音声インタラクションの実現に向けて、ルノーはセレンスとの共同開発の複数年契約を拡大し、生成AI対応の「Cerence ChatPro」を活用して「Reno」の機能を進化、そのインテリジェンスを新しいレベルに引き上げた。セレンス独自のインテリジェントな自動車グレードの大規模言語モデル統合である「Cerence ChatPro」を使うことで、ルノーのドライバーは ChatGPT を含む多数のソースを活用することができ、ほぼすべてのクエリに対して正確で適切な回答を得ながら楽しく会話できる。

「Reno」のインタラクションは、セレンスのニューラルテキスト読み上げ(TTS)機能によってさらに強化され、不安、陽気、共感、悲しみ、深刻などのさまざまな感情をドライバーに伝えることができるとしている。

新しい生成 AI を活用した Reno の基盤は、「Cerence Assistant」をベースにした高度に統合された音声対応のエクスペリエンス。Reno は、車の主要な機能の音声制御だけでなく、車両データとセンサーを活用してドライブモードを変更して航続距離を延ばしたり、特定の天候でフロントガラスのデフロスター(曇除去)機能をオンにしたりするなど、運転パフォーマンスを向上させる方法を予測して提案する。
また、「Cerence Car Knowledge」により、Reno はルノーの情報ソースから、信頼できる正確な情報を直接入手し、車に関する一般的な質問にも回答できる。


両社のコメント

ルノーグループの最高科学責任者(Chief Scientific Officer)のリュック・ジュリア(Luc Julia)氏は次のように述べている。

リュック・ジュリア氏

Reno は、ルノーの次世代の車内体験のシンボルであり、直感的で自然なインタラクションを提供し、お客様に付加価値と楽しさをもたらします。Cerence Chat Pro により最新の生成 AI を運転体験に適用することで、Reno は電気自動車の運転にまつわる状況を学習を強化し、ドライバーと同乗者の安全性と快適性を向上させる新たなレベルのインテリジェンスと機能を実現します



セレンスの最高収益責任者であるクリスチャン・メンツ(Christian Mentz)氏は次のように語っている。

クリスチャン・メンツ氏

ルノーとの長期的なパートナーシップを継続し、ルノーのお客様の車内インタラクション体験を変革する高度な機能を Reno に提供できることを誇りに思います。車内体験の未来に向けて、Reno はより人間的なインタラクションを実現する重要なマイルストーンとなります。Reno は、多くの拡張機能でドライバーのあらゆるニーズをサポートする、楽しく、知識豊富なコンパニオンです

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ロボスタ編集部

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