ニュースロボットフレンドリー実証実験サービスロボットロボット三菱電機ビルソリューションズ三菱電機株式会社株式会社タップ

「ロボフレ」研究開発プロジェクト実証実験の成果を公表　ロボットの群管理や複数台の同時エレベータ連携　三菱電機

2025年3月10日 By ロボスタ編集部

三菱電機と三菱電機ビルソリューションズは、タップからの委託を受け、経済産業省が推進する「ロボットフレンドリーな環境構築支援事業」の取り組みの一つである研究開発プロジェクト「リソース管理システムによる複数ロボットの群管理標準化に関する研究」に参画し、実証実験を2024年11月1日から2025年2月28日まで実施。プロジェクトの成果については、2025年3月7日に開催された事業総括会で、委託元のタップから経済産業省に紹介された。

ロボットの双方にとって最適な移動環境の構築を目指

本プロジェクトの実証実験は、ホテルを含む複合施設やオフィスビル、病院などの施設内で異なるメーカーのロボットがスムーズに動ける環境づくりを目的として、タップが運営する実証実験施設「タップホスピタリティラボ沖縄」で実施。実証実験では主に、交差点や狭い通路などでのロボット同士の衝突や対面膠着を防ぎ、さまざまなロボットが建物内を円滑に稼働するための群管理方式の妥当性に関する検証などをパートナー企業とともに実施し、メーカーや種類の異なる複数台数のロボットを同時に利用する際の運用効率の向上や改善点を確認した。

三菱電機と、三菱電機ビルソリューションズの両社は本プロジェクトのパートナー企業とともに、今回の実証実験で得た知見を活かし、ロボットフレンドリー施設推進機構（RFA）が発行する、「RFA規格およびRFAガイドライン」の標準化に向けて経済産業省や業界団体などへ情報共有や課題提起を行っていくとしている。また、両社は今後、さまざまな施設の人手不足の解消に向けて、「Ville-feuille」を活用してロボットの業務効率向上に取り組むとともに、エレベーターの運行効率も改善し、人とロボットの双方にとって最適な移動環境の構築を目指し、新たなビルソリューションの提供に取り組む。

本プロジェクトにおける三菱電機とMEBSの成果について

1：群管理方式により、交差点や狭路でのロボット同士の衝突や対面

ロボットはメーカーごとに管理系統が異なり、従来は、施設の管理者がメーカーの異なるロボットの制御を一括で行うことが困難だった。そのため、メーカーや種類の異なるロボットを複数台数導入している施設では、交差点や狭い通路などでのロボット同士の衝突やそれによる損傷、対面膠着が発生し、運用効率が低下することが課題としたてあった。

今回の実証実験では、RFA発行の群管理（リソース管理）方式を採用し、異なるメーカーのロボット管理システムにアクセス可能なインターフェースを導入。これにより、交差点や狭い通路などのエリアを群管理の対象として設定することで、特定のロボットがそのエリアを通行している場合、メーカーが異なる他のロボットを通行させない制御が可能となる。また、例えばフロアごとに異なる管理者が存在し、各々が異なるメーカーのリソース管理サーバーを利用している場合でも、インターフェースを介してロボットの制御を行うことが可能だ。これにより、ロボット同士の衝突や対面膠着を回避できるようになり、導入前と比較してロボットの運用効率が改善できることを確認した。

２：ロボットが利用できるエレベーターの台数を増やし、運用効率を改善

ロボットを導入している施設では、ロボットが利用できるエレベーターが1台のみに限定されているケースが多いのが現状である。人手不足が社会課題となる中で、将来的に施設内に導入するロボットの台数が増えると、ロボットがエレベーターに乗るまでの待機時間が長くなり、運用効率が低下するという課題が想定される。

今回の実証実験では、Ville-feuilleの機能を拡張し、ロボットが利用できるエレベーターの台数を増やして各ロボットに専用のエレベーターを割り当てることで、複数のエレベーターを同時利用して効率的に移動できる環境を構築。これにより、ロボットの運用効率を最適化でき、1台のエレベーターの運用時と比較してロボットの運用効率が改善できることを確認した。

本プロジェクトにおける三菱電機と、三菱電機ビルソリューションズの実証実験の概要

システム構成図

実施期間	2024年11月1日から2025年2月28日
実施場所	タップホスピタリティラボ沖縄（沖縄県うるま市）
両社の役割	三菱電機・ロボット群管理全般の実証のサポートを含むロボット群管理開発業務・ロボットとエレベーター及びリソース管理連携に必要なインターフェースの提供およびその実装三菱電機ビルソリューションズ・ロボット群管理全般の実証のサポートを含むロボット群管理開発支援業務・ロボットとエレベーターの連携に必要なシステム（Ville-feuille）の提供・搬送ロボット（カチャカ）の提供及び開発（Preferred Roboticsへ再委託）

「リソース管理システムによる複数ロボットの群管理標準化に関する研究」について

本研究の委託背景となる、経済産業省「ロボットフレンドリーな環境構築支援事業」採択先

株式会社タップ

「ロボットフレンドリーな環境構築支援事業」に関する委託事業名および委託先・再委託先

「リソース管理システムによる複数ロボットの群管理標準化に関する研究」
NECネッツエスアイ株式会社、株式会社エフ・シー・シー、株式会社沖縄日立、パナソニックホールディングス株式会社、パナソニック株式会社エレクトリックワークス社、三菱電機株式会社、三菱電機ビルソリューションズ株式会社、株式会社Preferred Robotics（三菱電機ビルソリューションズからの再委託）