【国内初】紙さばきロボットシステムで自動化し生産ラインの省人化と印刷品質の安定化を実現 富士フイルムビジネスイノベーション

富士フイルムビジネスイノベーションは、印刷会社が行う印刷製造工程の中で印刷後から用紙断裁までの作業工程において必要となる、大判サイズで重量のある刷本(印刷を終え、製本されていない状態の印刷物)の束の紙さばき作業を自動化する国内初の紙さばきロボットシステム「Revoria Kamisa PH12」を2025年7月1日に発売すると明らかにした。

「Revoria Kamisa PH12」の発売により、生産ラインの省人化と印刷品質の安定化を実現し、印刷会社の生産性向上に貢献するとしている。

背景

印刷製造工程では、印刷後の用紙断裁に入る前の準備として、積載された重量のある刷本の束を複数回に分けて持ち上げて、風入れ(用紙の両端をひねりながら、用紙間に空気を送り込む作業工程)をし、紙揃え機へ運んで紙揃えを行う「紙さばき」の作業工程が必要だ。これは静電気や印刷表面のインクやトナーが原因で用紙同士が貼り付かないよう、人為的に用紙間に風入れを行うことで断裁工程における品質不良を防ぎ、印刷物の品質保持と効率的な生産のために行われる必要不可欠な作業工程である。しかし、これらの紙さばき作業工程は人手で行われており、オペレーターによる熟練の技術が求められるうえ、身体的な負荷も高い作業となっている。

富士フイルムビジネスイノベーションは、紙さばき作業工程を自動化する紙さばきロボットシステム「Revoria Kamisa PH12」の提供を通じ、生産ラインの省人化と属人的なスキル依存解消による印刷品質の安定化を実現し、印刷会社の生産性向上に貢献するとしている。

「Revoria Kamisa PH12」について


今回発売する「Revoria Kamisa PH12」は、紙さばきに必要な複雑な動きを自律制御するロボットアームと紙種やサイズに応じてつかむ⼒を調整するロボットハンド、および周辺機器で構成されるロボットシステムである。

「Revoria Kamisa PH12」は、刷本の束を持ち上げる昇降機や、紙揃え機など周辺機器と組み合わせることにより、昇降機に載った刷本をロボットハンドでつかみ、さばきながら直接紙揃え機へ運ぶことで、断裁前の紙揃えまでの一連の用紙ハンドリング作業を自動化する。断裁前工程におけるオペレーターの作業負荷を軽減することで、印刷製造工程の省人化を実現し、印刷現場のスマートファクトリー化を加速する。

また「Revoria Kamisa PH12」は今後、欧州・北米・アジアパシフィック地域での発売も予定している。

主な特長

ロボットアームの主な特長

・ロボットコントローラが左右のロボットアームとロボットハンドの動作を制御。双腕が協調動作することで、たわむ大判用紙もしっかりつかみ、しなやかに持ち上げて次工程に渡すことが可能。

・6軸垂直多関節型のロボットアームを採用。プログラミングによってロボットアームの微細な角度の曲げ伸ばし、回転、ひねりなど自在な動きが可能。

・ロボットコントローラは、産業用ロボットの安全性に関する規格認証であるISO10218(国際規格)、およびJIS B8433(日本工業規格)を取得。セーフティースキャナなど各種安全センサーとの連動が可能。

ロボットハンドの主な特長

・停止位置・加減速・トルク(回転力)を高精度に制御できるサーボモーターにより、つかむ力をコントロール。多様な紙種・サイズに適した力で確実に用紙をつかみ、熟練した人の手と同じように巧みな力加減を調整しながらハンドリングが可能。

・ロボットハンドの先にイオナイザー(除電器)を搭載。用紙をひねりながら、イオナイザーの8つのエアノズルからイオンを含んだ風を用紙間に放出することで、静電気を除去。

・3Dセンサーが用紙表面の凹凸や波形を読み取ることで、確実に用紙をつかむことが可能。

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ロボスタ編集部

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