複数のロボットやモビリティの協調運行の実証を実施 イベント会場で多数の人とロボットの混在も再現 京都スマートシティ推進協議会

京都スマートシティ推進協議会は、自動運転車両や小型配送ロボットの協調運行に関する実証を2025年2~3月にかけて実施した。

人口減少により発生する人手不足などの課題の解決に向けて、自動運転や配送ロボットなどの新たなモビリティによるサービスの社会実装を加速させることが目的。

発表では下記の3タイプの実証を実施、協調運行に必要なシステムの構築や、様々な環境における協調運行に関する課題の洗い出しや必要なルールの検討を行なった。

・屋内・屋外環境での複数ロボットの協調
・商品配送を想定した自動運転車両と配送ロボットの協調・連携
・イベント会場を模した多数の人とロボットが混在する空間の再現

一般社団法人京都スマートシティ推進協議会:事業全体の計画
株式会社Keigan :ロボット提供
NTTコミュニケーションズ株式会社 :運行システム構築・データ連携基盤の追加構築
TOPPAN株式会社 :運行システム構築
アイサンテクノロジー株式会社 :車両提供・位置情報連携基盤構築
株式会社FUTURE :ロボット提供
ソフトバンク株式会社 :通信インフラ等の要件検討
ダッソー・システムズ株式会社 :デジタルツインによる検証結果の可視化

この情報は、京都スマートシティ推進協議会のホームページで確認することができる。


屋内・屋外環境での複数ロボットの協調

複数のロボット運行事業者による複数のロボットが混在する環境で、自律走行ロボット間が協調運行した場合の課題と問題の洗い出しを実施した。
ロボットの屋内・屋外での協調運行、進入禁止エリアの有無等の条件を加えることで複数シナリオを再現した。





商品配送を想定した自立走行ロボットと自動運転車両の協調・連携

自律走行ロボット、ゴルフカート型自動運転車間の協調運行によるフードデリバリーサービスを一連で再現し、ビジネスオペレーション上の課題の洗い出し、対策の有効性を検証した。





多数の人とロボットが混在する空間を再現しての協調

複数ロボット(6台)、一般参加者(40人程度)が参加し、混雑した状況(例えばイベントでのフードデリバリーなど)を再現した。
様々な環境においてロボットに発生し得る問題(人との接触リスク、人との接触回避のための進入禁止エリアへの進入等)を洗い出しをおこなった。
一般参加者はけいはんな学研都市での実証のための住民組織「Clubけいはんな」を通じて地域から募集し、職住近接のけいはんなエリアの特徴を生かし、想定利用者も巻きこんだ実証実験を実施した。


実証エリア図


使用した機体

自律走行ロボット:
1.(株)Keigan 提供のロボット
2.(株)FUTURE 提供のロボット
自動運転車:
1.アイサンテクノロジー(株)提供のゴルフカート型自動運転車
遠隔操作ロボット:
1.(特非)けいはんなアバターチャレンジ提供のロボット



実証の結果


1.分散協調運行に必要な対策の方向性

複数ロボットもしくは制限された走行エリアにおいて、ロボットが検知できない障害物によって設定された進入禁止エリアへの誤進入、追い越し・お見合い時の複数ロボットの接触等の問題が発生。こうした問題に対して、システム実装やロボットへの機能具備のほか複数の事業者間での事前の取り決め等が対策方向性として有効であると判明した。


2.分散協調運行基盤の機能

対策の方向性を実現するために、デジタルシステムとして、空間情報基盤や分散協調運行基盤といった協調領域を用いて、進入禁止エリアや共通的に必要となる走行ルールを取得・配布できる機能とルールの実現に必要な外部環境のデータの取得・配布ができる機能の必要性が示唆された。


今後にむけて

複数のロボット運行事業者(ロボット提供者)が同一空間でサービスを提供する際に発生する問題とそれに対する対応策やルールづくりと、その実現に必要な機能・システムについて検証実績を重ね、その結果を基にけいはんなエリアをフィールドとした複数ロボットによるサービス提供の実装にむけて継続的な取り組みを検討する。

京都スマートシティ推進協議会のホームページで確認することができる。

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ロボスタ編集部

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