「現場頼み」もう終り!パナソニックが海外実績を日本の物流に導入、サプライチェーン全体最適化で世界基準へと引き上げ

パナソニックコネクトは2025年6月20日、日本企業のSCM変革を支援するため、「現場から始める全体最適化」をコンセプトとした物流ソリューションの強化を発表した。積極的に変革を進め、2030年までに50社導入をターゲットに変革を進める。発表に伴って、報道関係者向けに説明会を開催した。

報道関係者向けに説明会に登壇した(左から)パナソニック コネクト株式会社 現場ソリューションカンパニー シニア・ヴァイス・プレジデント 現場サプライチェーン本部マネージングダイレクター 山名義範氏、同執行役員 シニア・ヴァイス・プレジデント 現場ソリューションカンパニープレジデント Blue Yonder Japan協業推進担当 奥村康彦氏、同現場ソリューションカンパニー現場サプライチェーン本部 SCM事業センターダイレクター 小笠原隆志氏

これは、パナソニック傘下のグローバル企業であるBlue Yonder(SCMソフトウェアで40年以上の実績を持つ)とZetes(自動識別やモビリティソリューション企業)の成功事例とソリューションを日本市場向けに再構築して最適化、提供していくもの。パナソニックコネクトは国内の物流ソリューションに豊富な経験と知見を持ち、Blue YonderとZetesは海外で豊富な実績を持つので、それらを活かして課題解決に挑んでいく。




物流現場を取り巻く現状と課題

現在のサプライチェーンや物流業界は、労働力不足、コスト増、社会情勢の不安定化、環境問題対応といった課題を抱えている。日本では特に、現場の属人的な運用や個別システムの乱立による非効率な運用が深刻と指摘する。特に、特定の人に頼った属人的な運用は、その人の替えが効かないなど、柔軟性に大きな障がいとなるため、これを解決するためにはデジタル化が重要だとした。




リューションの特徴と同社の強み

以下の3つの強みで物流ソリューションの提供を強化し、顧客のSCM変革を支援する。


グローバルで培われた業務フローの標準化
Blue YonderやZetesのベストプラクティス(成功事例)をソリューションとして提供、業務の一貫性と効率化を向上させる。


物流全体を横断するデータ基盤
倉庫から輸配送までデータをシームレスに連携させ、物流業務全体を横断的かつ包括的にサポート。段階的な効率化と課題解決を支援する。

福岡運輸の導入事例 配送進捗管理システムの導入によって誤配撲滅、拠点内の配送状況可視化、倉庫実行管理システムの導入による拠点間を含めた全体の可視化など、成功事例として紹介した

NX・NPロジスティクス 舞浜倉庫に2025年秋に「倉庫管理ソリューション (Blue Yonder’s warehouse management solutions) 」を導入する

日本市場に合わせた導入ノウハウと実行体制(国内に導入できるケイパビリティ)
45年の国内実績を持つ専門チームが、日本独特の商習慣や法規制に対応した機能開発とトータルサポートを提供。
これにより、人への過度な依存を減らし、持続可能なサプライチェーンの実現を目指す。

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神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。