2026年2月19日(木)、家電量販店大手の株式会社ノジマは、東京・品川に同社初となるロボットショールーム「MIRAI ROBO SQUARE(ミライロボスクエア)」をグランドオープンした。
日本のデジタル技術産業への貢献と、未来のロボット社会の体感を目指した同施設の開設は、単なる展示場の枠を超え、ロボットの社会実装を加速させる象徴的な拠点となることが期待されている。
また、同日にオープンセレモニーも開催された。株式会社ノジマ 取締役兼代表執行役社長 野島廣司氏、同社 事業部顧問 今井透氏、CYBERDYNE株式会社代表取締役社長 山海嘉之氏、株式会社イード 代表取締役 宮川洋氏が登壇。
本記事では、セレモニーのようすをレポート形式でお届けする。
日本の未来を見据えた「自社負担」の投資
セレモニーの冒頭、野島氏は本施設が「デジタル一番星」という企業コンセプトに基づいた挑戦であることを強調した。

野島氏は、2025年5月にCYBERDYNEの山海社長の講演を聞いたことが、ロボットの可能性を確信した大きな転機になったと明かす。
「この施設は、出展企業から費用をいただくのではなく、ノジマが全てのコストを負担して運営している」と述べ、これは短期的な収益を目的としたものではなく、「将来の日本の発展、そしてノジマの発展につながると信じての投資」であるとしている。
日本のロボット産業の普及を後押しし、社会全体が良くなることへの一助にしたいという並々ならぬ決意を語った。
家庭用ロボット普及を阻む壁を壊す「トリガー」
続いて、かつてソニーで初代AIBOの設計やビジネスに深く関わってきた今井氏が登壇。四半世紀以上ロボットの変遷を見守ってきた立場から、現在の課題を指摘した。

「産業用ロボットの世界では日本はトップを走ってきたが、家庭の中にはまだ完全に入り込めていない」と語る。その理由として、メーカーが一方的に機能を提供するだけでなく、ユーザー側の「こんなものが欲しい」という声が反映される場の不足を挙げた。
今井氏は、メーカーではない立場のノジマがこのような場を作ったことについて、「日本のロボット文化の育成、そして社会実装に向けた大きなトリガー(きっかけ)になる」と期待を寄せた。
世界でも類を見ない「歴史に残る一歩」
ゲストとして招かれた山海氏は、本施設の意義をグローバルな視点から絶賛した。中国がフィジカルAI領域に約21兆円もの予算を投じている現状に対し、日本の予算規模の小ささに危機感を示しつつも、日本の技術者の「マニアックでコツコツと積み上げる力」に希望を見出しているという。

山海氏は本施設を、「これだけのロボットが、実社会や生活空間への導入を前提に一堂に会する場は、世界でも類を見ない。まさに歴史に残る一歩である」と評した。ロボットがビル内を移動して地図を作り、センサーで人のバイタル情報を捉えて健康を支えるといった未来が、家電という身近な領域から始まろうとしていることに強い共感を示した。
ロボット文化の発信拠点としての期待
ロボット・AI専門メディア「ロボスタ」を運営するイード 代表取締役 宮川氏も、野島氏の先見性に敬意を表した。
職場や家庭でロボットやAIという言葉が日常的に交わされるようになった現代において、ロボットはもはや「未来」ではなく「今ここにある技術」であるとコメント。

「品川というビジネスの拠点に本格的なショールームを開設したことは、ロボット文化の発信拠点を築く挑戦であり、社会実装を一段と加速させる象徴的な一歩である」と祝辞を述べ、ここから新たな産業が芽吹き、未来が現実へと変わっていくことへの確信を語った。
セレモニーに登場したロボット
セレモニーではロボットの登場シーンもあり、会場を盛り上げた。
ロボパス株式会社の多機能サービスロボット「RPX-100」がテープカット用のハサミを運搬する演出

株式会社長倉製作所のヒューマノイドAIロボット「ミロカイ」がグランドオープンを宣言

ノジマが目指すコンサルティングの形
ノジマは単にロボットを展示・販売するだけでなく、家電量販店としての強みを活かした独自の付加価値を提供しようとしている。
現場担当者によれば、AIロボットの活用に不可欠な高速通信環境の整備を含めた総合的なコンサルティングなども行う方針だ。
ターゲットは、家庭での利用を検討する一般層から、清掃や配膳ロボットの導入を考える法人まで幅広く想定されている。

国内外メーカー約20社(開設時)の多種多様なロボットを展示。誰でも気軽にロボットに触れ、試せる場を提供することで、ノジマはロボットが当たり前に人々と共存する社会の実現を力強く後押ししていくとしている。







