ロボットのファッションショー、ロボット・プレタポルテ・コレクション「ロボコレ2019」が11月5日(火)に開催される。場所は渋谷の新たなランドマークとして11月1日にオープンする「渋谷スクランブルスクエア」15Fの共創施設「SHIBUYA QWS」(渋谷キューズ)。新しいカルチャーを作るロボユニと、イノベーションの発信地を目指す「SHIBUYA QWS」が融合した記念すべきイベントになる。
ロボット関連の参加企業はなんと20社、参加するロボットは15機種以上。総勢で80体を越えるロボットたちが人間と一緒にランウェイに登場する。その壮大な光景を想像しただけでもワクワクする。
「ロボコレ2019」は昨年に続いて2回目。主催はロボット用アパレルブランド「ロボユニ」を展開するRocket Road株式会社。昨年の様子はロボスタの記事やYouTubeで見ることができるが、今年は前述のように大幅なスケールアップが予定されている。
また、トークショーにも注目したい。ロボホンやロビ2など、数々のロボットたちを生み出しているロボットクリエーター、ロボ・ガレージの高橋智隆氏をはじめ、ライゾマティクスの齋藤精一氏、ゲームAI開発者の三宅陽一郎氏、そしてロボユニの泉幸典氏が登壇し、「ロボット共生時代 ~アパレルがつなぐロボットと人の暮らし~」をテーマに進行する。
SHIBUYA QWS × ロボユニ、新たな「ロボコレ2019」への挑戦
「ロボコレ2019」は、服を着たロボットたちによるファッションショーと、ロボットやAIを生み出している人たちによるトークショーで構成されるイベント。ひと言ではそうなのだが、さらに掘り下げれば、実はもっとずっと奥が深い。それは今年、「SHIBUYA QWS」がこのイベント「ロボコレ2019」に特別協力し、渋谷駅直結・直上の「渋谷スクランブルスクエア」のグランドオープン・イベントのひとつとして開催されることでもわかる。ロボコレが「新しいカルチャーを創造するイベント」として、SHIBUYA QWS と出会ったきっかけや、それが持つ本当の意味を探ってみたい。渋谷スクランブルスクエア 渋谷キューズのディレクター野村幸雄氏と、ロボコレ2019を主催するRocket Road(ロボユニ)の代表取締役 泉幸典氏に話を聞いた。
渋谷から世界へ問いかける、可能性の交差点
展望施設、オフィス、商業施設などの複合施設からなる渋谷スクランブルスクエアは11月1日(金)に開業する渋谷の新しいランドマークだ。最上階には360度の眺望が楽しめる都内最大級となる屋外展望施設「SHIBUYA SKY」(渋谷スカイ)がある。実はこの渋谷スカイのスタッフ人間用ユニフォームはRocket Road社が製作している。そしてその階下には、景色とお酒と音楽が楽しめるバーも用意されている。そして15階にオープンするのが産業交流施設「SHIBUYA QWS」。そのイベントホールで今回の「ロボコレ2019」は開催される。
SHIBUYA QWSとは
「SHIBUYA QWS」は「渋谷から世界へ問いかける、可能性の交差点」をコンセプトにした会員制の施設。コ・ワーキング・スペースを超越し、「プロジェクト・ベースド・スペース」すなわちチームを組んで新たなビジネスやイノベーションを生み出していく場所だ。会費も個人よりチームでの登録は割引料金が適用されるという。
サロンにはピッチ・スペース等も用意され、大学の講義も行われる予定だ。ほかに落ち着いた雰囲気でリラックスして打ち合わせできる空間もあれば、会議室も用意されている。キッチンスペースもある。
施設にはさまざまな先進技術が導入されている。そのひとつが入場時の顔認証システム。認証精度は98%以上、指紋認証を上回るという。登録会員はまさに顔パスで入場できる。
また、天井にはビーコンが設置され、それと連携したアプリも導入する。元々は「SHIBUYA QWS」内の混雑具合をアプリで確認できるシステムとして企画されたが、それにとどまらずコミュニティを創造するツールとしても活用する。SHIBUYA QWS内にいる人のプロフィールをお互いのアプリで参照することができ、チャットや直に会話することで新たな出会いを生みだすきっかけになるのでは、と期待されている。
「SHIBUYA QWS」は通常は会員制だが、11/1~12はオープン記念として誰でも入場できる。また、将来性を感じるプロジェクトチームのメンバーは、3か月間無料で施設が利用できる「QWSチャレンジ」も実施する予定、施設側からイノベーションの創出を支援する。
ロボユニと渋谷キューズがコラボする理由
編集部
SHIBUYA QWSとロボユニとのコラボレーションが実現したきっかけを教えてください
野村氏(渋谷キューズ)
「SHIBUYA QWS」はスタートアップ企業だけにとどまらず、文化・芸術など、どんな分野でもゼロからイチを生み出す活動を応援したいと考えています。縁があって泉さんとお会いしてお話したとき、ロボユニや「ロボコレ2019」が挑戦しようとしている新しい文化の創造は「SHIBUYA QWS」との親和性がとても高いと感じました。そこで、ロボユニさんの活動をなにか支援したいと考えて、今回協力させていただくことになりました。
編集部
ファッションブランドとの親和性とは
野村氏
親和性を感じるのは「ファッションブランド」という点ではなく「新しいカルチャーを生み出そうというロボユニさんの姿勢や実行力」ですね。
私たちは「イノベーションを目的化してしまってはいけない」と思っています。社会問題や課題を解決するために何をすべきかという「問い」からはじまり、歴史を振り返って未来をバックキャストしたり、多様な個性や領域を越えた深い知性と出会い、それらがスクランブルされることで、イノベーションを生みだす種にたどり着く、と考えています。「多くの問い」が重要という思いから施設名を「キューズ」と名付け、この施設には社会をより良くしたいという大きな志のある方々に集まってほしいと思っています。
泉氏(ロボユニ)
「問い」からはじまって自分たちで生み出した新しい何かを社会実装し、課題解決につなげていく、そんな場所にしたいという「SHIBUYA QWS」さんのコンセプトは、私にとっても心に響くものでした。私たちロボユニも「Made in Japan」のアイデアと技術力を世界に知っていただきたいと考え、米国シリコンバレーで多くを学び、ロボット用アパレルという新しい文化をつくっていくため、たくさんの人や企業の方々に応援していただきながら挑戦してきました。その象徴のひとつである「ロボコレ」を、一緒にやらせていただけないでしょうか、とお願いしました。それがきっかけです。
編集部
なるほど。施設のコンセプトと、ロボユニが目指すビジョンがぴったり一致したわけですね。
「ロボコレ 2019」の見どころは
編集部
次に「ロボコレ 2019」についてお聞きしたいのですが、前回と比べて変わったポイントを教えてください
泉氏
前回は「ロボットたちが服を着る、新しいカルチャーがはじまります」というコンセプトで、世の中の人たちにインパクトを与えたかったんです。今回は「服を着たロボットたちが世の中で活躍し始めている」こと、企業の店頭や家庭で、実際に社会実装されている一面を紹介したいと思っています。
ロボットの数も増えます。前回はメーカーの方が1社1台、手に持ってランウェイを歩きましたが、今年はロボットに関わる企業の方々が、そのシーンに合わせた服を着たロボットたちを紹介してくれる社会実装事例もお見せします。これだけの規模のロボットを一堂に介するところが見られるのは初めてのことだと思います。
野村氏
「当たり前を疑え」とよく言いますが、「問う」というのはまさにそういうことで、「なぜロボットは服を着ていないだろう?服を着ることで視覚的にもっとロボットの役割が分かりやすくなるのではないか?」というところに着目し、行動にうつし、新しいカルチャーに挑戦する点がとても素晴らしいと感じます。何年か後には、家庭や町中にロボットがいる社会が当たり前になっているかもしれません。そしてその時はロボットが服を着ているのは当たり前になっていて、多くの人が「あの時のロボコレが始まりだったね」と振り返れるような、そんな瞬間に立ち会い、見て感じられたらと思っています。そして、それに携われることは私にとっても刺激的です。
編集部
どのような人に見に来て欲しいですか?
泉氏
ロボットが大好きな人、家族の一員としてロボットとすでに暮らしている人、これからロボットを導入しようか迷っている企業や一般の方たち、更にはロボットのメーカーやクリエイターの方々が集まって交流できるイベントにしたいと思っています。あと、そもそもロボコレの仕組みはパリコレなどと同様の仕組みを構築していて来場者の多くはロボットやロボユニのビジネスに興味がある、いわゆる“買付け”目的の場を中心としてきました。
今回の新しい試みとして指定席の約200席をゾーン分けしています。一般のお客様向けのチケット販売はすでに始まっていますが、ロボットメーカーの方が自社のロボットを購入してくれたファンの方々を招待できるオーナーズシートもご用意しています。更にはロボットの販売に興味がある企業の方、そのほかにロボットの導入を検討されている企業方向けのゾーンも用意しています。というのも、ロボットを店舗や事業に導入したいと思っていても、なんらかの理由で躊躇されている方も多いと思います。これだけ多くのロボットが集まるイベントは他にないので、ぜひご来場頂き、ロボットを見比べたり、ロボットの可能性を肌で感じて欲しいと思います。
また、チケットが購入できなかったという一般の方も、ぜひ当日ご来場ください。指定席のほかに「無料の立見席」を多数ご用意しています。
編集部
なるほど、メーカーがユーザーを招待する、というのは新しい試みですね
泉氏
既にロボホンやロビ、aiboなどと生活している人たち、それらのコミュニティで写真を共有したり、情報交換している人たちは時代のパイオニアだと思っています。人とペットとのペアリングが当たり前になっているように、将来はロボットと人が結びつくのは当たり前になり、それぞれのロボットのコミュニティは日常の風景のひとつになるかもしれません。そのようなパイオニアの皆さんやコミュニティの方々を中心に、人とロボットの暮らしが社会に認められるためにもこのイベントは意味があるものだと考えています。
編集部
まさにロボットを介して様々な人間たちが集まるイベントですね
泉氏
実はそれだけじゃないんです。「ロボットなんてまだまだだ」と思っている否定派、アンチロボットの方もぜひ見に来ていただきたいんです。家電に比べるとロボットはまだまだなところもあります。しかし、これだけのロボットが集まると、たくさんバリエーションがあって、性能も用途も、そして価格も様々だということがわかっていただけると思います。そして、そんなロボットたちのランウェイをみつめる観客の方々を見て、新しい何かを感じていただければ嬉しいですね。
それから、まだ発表していないロボットも当日にサプライズで登場しますので、それも楽しみにしていてください。
野村氏
普段はロボットに触れていない人やアーティストの方などを含め、いろいろな方に来場していただき、ここからインスピレーションを受けて、さらに発展していくと素晴らしいと思います。
泉氏
「ロボット」×「アパレル」という掛け合わせでロボユニは生まれました。野村さんがおっしゃるように、さらにほかの分野の何かがそれに掛け合わさることで、また次の新しいカルチャーが誕生したら、それはそれで面白いですよね。
編集部
そういえば、ここまでロボットのファッションの話が出てきませんでしたね(笑)。
泉氏
出てこなかったですね(笑)。ファッションについての話は用意してきませんでした(笑)、すみません。私が話すより、会場でご覧になって感じていただければ、と思います。
あ、それから、イベントの翌日から期間限定ではありますが、この会場で複数のロボットメーカー公式としては史上初となるロボットアパレル専門店「ロボユニ」のポップアップストアをOPENします。ストアのプロデュースは吉忠マネキンさんにお願いしました。
15種類、80体以上のロボットが集まるというのは、おそらく今まで誰も経験したことがない空間になると思います。人とロボットの数の割合で言ってもこれほど拮抗した空間の中で私たちはロボットの存在をどう感じるのか、個人的に私自身もとても楽しみにしています。
新しい文化を生み出す挑戦を続けるロボユニと、それを応援する渋谷キューズ。ふたりの話を聞いていると、自然と力が湧いてくる気がする。
「ロボコレ 2019」はロボットと暮らす次の社会のランドマークとなる。
ロボコレ2019開催概要
【ロボコレ2019開催概要】
日程:11/5(火) 18:30開場 19:00スタート 22:00頃終了予定
会場:渋谷スクランブルスクエア 東棟15F共創施設(SHIBUYA QWS)
【観覧方法】
1.一般チケット(購入方法)
東京カルチャーカルチャーHPにて前売チケット発売中(ロボコレ限定オリジナルTシャツ付)
http://tokyocultureculture.com/
2.観覧希望企業の応募方法(1社につき2席)
ロボユニショッピングサイトHP内(お問合せメールにて)「ロボコレ2019」観覧希望で要連絡。
https://robo-uni.com/support/
3.当日無料の立見席を用意(立見席は先着順す)
【参加企業一覧】
ソフトバンク株式会社 (Pepper)
シャープ株式会社 (RoBoHoN)
株式会社デアゴスティーニ・ジャパン(初代ロビ、ロビ2)
ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社(Xperia Hello!)
株式会社講談社(ATOM)
ヴイストン株式会社(Sota)
ユニロボット株式会社(ユニボ)
ユカイ工学株式会社(Qoobo)
株式会社MJI(タピア)
バイバイワールド株式会社(ビッグクラッピー)
AKA株式会社(Musio)
株式会社FRONTEO(Kibiro)
日本サード・パーティ株式会社(NAO)
株式会社髙島屋(ロビ2)
株式会社三越伊勢丹(ロビ2)
東日本電信電話株式会社【NTT東日本】(Sota)
株式会社ベネフィットジャパン(RoBoHoN)
X-mov Japan株式会社(Pepper)
その他2社(随時発表)
【トークセッション】
テーマ:「ロボット共生時代〜アパレルがつなぐロボットと人の暮らし〜」
パネリスト
ロボットクリエーター 高橋智隆氏(ロボガレージ代表取締役)
齋藤精一氏(ライゾマティクス・アーキテクチャー代表)
ゲームAI開発者 三宅陽一郎氏(日本デジタルゲーム学会理事)
ロボットアパレル開発責任者 泉幸典( Rocket Road代表取締役)
パナソニック株式会社
株式会社伊藤園
株式会社マルヤナギ小倉屋
三和酒類株式会社(iichiko)
吉忠マネキン株式会社
【特別協力】
SHIBUYA QWS
【制作】
東京カルチャーカルチャー(東急グループ)
【主催】
Rocket Road株式会社 (ロボット用アパレルメーカー)
【ロボットアパレル専門店ロボユニポップアップストア】
期間: 11月6日(水)〜11月10日(日)
営業時間はSHIBUYA QWS営業時間に準する
場所:渋谷スクランブルスクエア 15F(SHIBUYA QWS内)
【観覧方法】
1. 一般チケット(購入方法)
東京カルチャーカルチャーHPにて前売チケット発売中(ロボコレ限定オリジナルTシャツ付)
http://tokyocultureculture.com/
2.観覧ご希望企業様応募方法(1社様につき2席)
ロボユニショッピングサイトHP内(お問合せメールにて)「ロボコレ2019」観覧希望でご連絡下さい。
https://robo-uni.com/support/
3.当日立見席は無料でご入場できます。 (会場満員の場合はご了承お願いします)