NTTドコモや凸版印刷などが参加し、自動運転車やロボットタクシー、小型モビリティが集合し、VR平城京ガイドツアー等にも参加できるイベント(実証実験)がおこなわれる。
奈良市の国営平城宮跡歴史公園は、国営公園を舞台としてAI やIoT などの新技術を活用し、公園の抱える課題の抜本的な解決や、公園利用者サービスの創出などによる一層の魅力向上を目指す“パークスマートチャレンジ”に取り組んでいる。
平成31年3月からスタートした「平城宮跡歴史公園スマートチャレンジ」は、特別史跡・世界遺産「平城宮跡」において、従来からの文化財・歴史的資産としての適切な保存を図りつつ、同公園の飛躍的な魅力向上を図るため、産学官コンソーシアムのもと、AI やIoT、ICT 等など、民間事業者からの提案に基づく新技術を用いた社会実験を実施するもので、公園サービスとしての実用化と同時に、奈良のまちづくりにおけるスマートシティ実現を目指した取り組みの一環だ。
具体的には、「新たなモビリティサービス」や「AR技術を活用した歴史体験サービス」など6つのテーマの課題解決に向け、公募にて選定した民間事業者(パートナー)9社による11種類の社会実験を、10月19日から順次実施しており、同実験テーマのうちの「新たなモビリティサービス」では、複数のモビリティによる回遊支援が11月29日より実施される。
実証実験「複数のモビリティによる回遊支援」について
公園内における将来的なモビリティサービスの実装に向けた取り組みとして、来園者の回遊性と満足度を向上させるための知見を収集することを目的としており、パートナー企業の株式会社NTTドコモ関西支社が、園内の特性に合わせた自動運転車やパーソナルモビリティなど、複数のモビリティによる移動支援サービスを11月29日(金)から12月12日(木)の期間で試験的に提供。「自動運転車による定点間送迎」「パーソナルモビリティによる朱雀門ひろばの回遊支援」「シェアバイクによる園内回遊支援」となっており、加えて、コンテンツと情報表示機器を提供すると同時に、来園者の移動ログを収集・分析・活用する予定だ。
自動運転車による定点間送迎
同公園内の踏切北側と「復原事業情報館」に乗降場を設定し、自動運転車による定点間の送迎を行う。特に、踏切北側から復原事業情報館へのルートでは、凸版印刷株式会社が実験実施パートナーとなり、同社が平城遷都1300年事業で製作したVRコンテンツを活用。株式会社ティアフォーの自動運転モビリティ「Milee(マイリー)」に乗りながら、今は見ることのできない当時の姿を再現した高精細で臨場感溢れるVRコンテンツを、ボランティアガイドによる魅力あふれる解説と共に体感できる。
1300年前には日本の中心であり、最先端の場所であった「平城宮跡」。今は見ることのできない当時の姿を再現した、高精細で臨場感溢れるVRコンテンツを、自動運転モビリティに乗りながら体感することができます。また、乗車中にボランティアガイドによる魅力あふれる解説を合わせて聞きくことで、より高い臨場感でVRコンテンツを体感できます。
なお、VRコンテンツに関しては、凸版印刷が平城遷都1300年事業で製作したVRコンテンツを活用し、自動運転モビリティに関しては、今回の社会実験に同じく参画している株式会社NTTドコモとPerceptIn Japan合同会社と共同で実施します。また、乗車中のガイドに関しては、NPO法人 平城宮跡サポートネットワーク協力の元で実施します。
パーソナルモビリティによる朱雀門ひろばの回遊支援
同公園南側の朱雀門ひろばにて、自由に屋内外の往来が可能な1人乗りの小型電動車いす「パーソナルモビリティ/ RODEM」による移動支援サービスを提供する。
モビリティの利用者には、移動に合わせた園内施設の案内を「多言語ARアプリ」にて実施する。他にも、シェアバイクによる園内回遊支援を含んだ内容となっている。
【動画】【tmsuk】RODEM / 【テムザック】ロデム 車いす型ロボット
▼ 実験期間
日時 | 2019年11月29日(金)~2019年12月1日(日) |
---|---|
時間 | 午前10時〜午後4時まで(休憩時間含む) |
予約方法 | 同社会実験のポータルサイトより予約できる ポータルサイト: https://heijo-psc.com/ |
その他 | • 体験は事前予約制、雨天中止 • 同実験参加受付は総合受付(平城宮いざない館)にて実施。現地での規約への同意と係員の指示に従う必要あり。 ※係員の支持:11歳未満の方、飲酒をされている方やその他スタッフが不適切と判断した方のご体験はご遠慮いただいております。 |
マイクロ・ロボットタクシー
また、同テーマの実証実験に関しては、PerceptIn Japan合同会社(本社:米国シリコンバレー)をパートナーとした「ロボットタクシーによる回遊性向上」の実証実験が11月1日より開始している。
自動運転の8人乗りの低速電動車両(LSEV)を使用したマイクロ(短距離移動用の)ロボットタクシーによって、同公園の来園者の回遊性を向上させ、さらにアトラクションとしての集客性を発揮できるかを検証するもので、LiDARや高精度3Dマップを使用せず、GPSとコンピュータビジョン(カメラ)の情報を統合する独自のソフトウェア技術によって、LSEVに最適な超低価格の自動運転を実現した。
なお、こちらの実験については2020年3月1日までの隔週土日 (年末年始を除く) 、午前10時 から午後3時まで(雨天中止)先着順で誰でも乗車体験できる。
https://www.heijo-psc.com/www
東京・丸の内エリアでテムザック「RODEM」を使った公道実証実験 3月18日から22日までの5日間
ティアフォー、愛・地球博記念公園で自動運転車両を試験運用 来園者の試乗も予定
【可愛い】ハンドルもアクセルもない自動運転AIモビリティ「Milee(マイリー)」の展示車を見に行ってきた