スマート治療室「SCOT」で5Gの活用実験に成功 広島大学とNTTドコモら 高精度な遠隔手術に弾み

広島大学とNTTドコモは、5世代移動通信方式(5G)をスマート治療室「SCOT」に適用した遠隔医療支援フィールド実験において、熟練医が遠隔地からリアルタイムで遠隔手術支援を行うシステムの接続性の検証を11月11日に国内で行い、成功したことを発表した。

これにより、脳外科手術のような高度医療において「5G」の有効活用が実現しそうだ。例えば、交通事故などで脳外科の緊急手術が必要な時に、専門医がいない場合や地域でも、熟練医が遠隔から5Gでアクセスして手術支援を行うことが可能となる。
SCOTは、Smart Cyber Operating Theaterの略で、東京女子医科大学が主導して、広島大学や信州大学などの5大学、デンソー、日立製作所など11社と共に、IoTも活用した「スマート治療室」。各種医療機器・設備を接続・連携させ、手術の進行や患者の状況を統合把握する「戦略デスク」の導入により、手術の精度と安全性を向上させる。同様の治療室が東京女子医科大学ほか、広島大学、信州大学などに導入されている。SCOTおよび戦略デスクは広島大学病院内で、従来はローカルエリア接続されていたが、大容量の手術データを「5G」を介してリアルタイムで双方向にやりとりするのは国内では初の試みとなる。
※冒頭の写真はSCOTのイメージ画像。2018年7月に東京女子医科大で公開された「スマート治療室」(ロボスタ撮影)


大容量の手術データを5Gを介してリアルタイムで双方向にやりとり

SCOTは手術室のMRIなど数多くの医療機器から入力された手術映像や、バイタルデータを含む多様な手術データを統合的に連携・可視化し、手術精度や安全性を向上する高度医療システム。


今回の実証実験では、広島大学病院内にあるSCOTとドコモ中国支社内に設置した「モバイル戦略デスク」間を5Gで接続し、SCOT内で脳外科手術を行う執刀医に対して、遠隔地に設置したモバイル戦略デスク側の熟練医がリアルタイムで遠隔手術支援を行うシステムの5Gによる接続性を検証。

現在の環境

今回の実証実験


■実験内容
・広島大学キャンパス診療棟のSCOTとドコモ中国支社に設置したモバイル戦略デスク(医局)を5Gネットワークで接続、MRIや手術顕微鏡の高精細画像や患者のバイタルデータなどを伝送、戦略デスク側に送信

・遠隔地にいる熟練医がモバイル戦略デスクの情報を基に操作介入により手術支援

・データ伝送時のスループット(単位時間当たりの処理量)やSCOT操作時の使用感に関する定量・定性評価を検証

SCOTおよび戦略デスクが大容量の手術データを5Gを介してリアルタイムで双方向にやりとりするのは国内では初の試みとなる。同実験の実施に当たりSCOTの実用化を推進する学校法人東京女子医科大学、各医療機器を接続するミドルウェアOPeLiNK(オペリンク)を提供する株式会社OPE×PARK(オペパーク)の協力を得て、実験システムの設置と実験の運営を実施。



今回の実証実験は、5月9日に広島大学とドコモが締結した「次世代移動通信方式5G等を活用した研究協力に関する協定書」に基づき医療分野でのフィールド実験を行ったもの。なお、2020年春をめどに、広島大学を5Gエリア化し今回の実験プラットフォームの本格運用に向けた検証を行っていく予定。

関連サイト
広島大学
NTTドコモ

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山田 航也
山田 航也

横浜出身、1998年生まれの20歳。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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