経営幹部の77%がAI未導入に危機感 導入済み企業は3倍の投資対効果を実感 アクセンチュア調査

アクセンチュアの最新調査「AI:Built to Scale」によると、日本企業の経営幹部の77%(グローバル全体では75%)が、人工知能(AI)をビジネス全体に積極的に導入しなければ、2025年までに著しく業績が低下するリスクがあると考えていることが明らかになった。(上の画像は公式サイトから引用)


AI機能を本格的に備えた組織の構築を実現している企業はわずか16%

このレポート「AI:Built to Scale(ビジネス全体でAIを活用する) 」は、企業のAI導入について、年間収益10億米ドル以上の企業(日本を含む12カ国16業界)の経営幹部1,500人への調査を基に、アクセンチュア ストラテジーとアクセンチュア アプライド・インテリジェンスが共同で作成したもの。

調査によると、グローバル全体で経営幹部の84%がAIの幅広い活用はビジネス戦略に不可欠であると考えている。しかし、単なる試験導入ではなく、AI機能を本格的に備えた組織の構築を実現している企業はわずか16%に留まっている。そして、この16%のトップ企業は、その他の企業と比べてAI投資から3倍近い投資対効果を得ているという。

AIの本格導入に成功したトップ企業の特長として、強固なデータ基盤、複数の専任AIチームの存在、経営幹部による戦略的かつ本格的なAI導入に対するコミットメントの3要素を挙げている。これらの企業は、他企業と比べて2倍近くの実証実験を実施し、はるかに早いペースでAIの本格導入を進めている。しかも、AIへの注力が必ずしも支出拡大につながるわけではなく、トップ企業はそうでない企業に比べ、実証実験や本格導入におけるAIへの投資レベルが低いことが明らかとなった。

アクセンチュア ストラテジーのマネジング・ディレクターであるアテナ・ライリ(Athena Reilly)氏は次のように述べている。

アクセンチュア ストラテジー マネジング・ディレクター Athena Reilly氏
「あらゆる業界・規模の企業が成長のためだけでなく、社会から必要とされる存在であり続けるために、AIを幅広く活用しなければならないと認識しています。しかし、大半の企業は依然として、AIによって企業の競争力を高め、最大のROIを引き出すことに苦戦しています。アクセンチュアでは、データ、戦略、人材という基本事項から着手することが重要だと考えています。」


95%の企業がAI活用の基盤としてデータの重要性を指摘

調査によると、ほぼすべての企業(95%)が、AIを本格活用するための基盤としてデータの重要性を指摘しており、なかでもトップ企業はデータ資産を適切に管理し、AI施策に活用できる環境を整えている。また、トップ企業はデータの構造化と管理により精通しており、61%が大規模で正確なデータセットを巧みに利用し、67%が社内外のデータセットを効果的に統合している。

また。トップ企業の71%は適切なツールを使ってデータ資産から知見を集めており、またビジネス全体にAIを取り入れるために明確な戦略と運用モデルを最初から整備している。さらに、67%が持続的な成長に必要な俊敏性を備え、柔軟なビジネスプロセスを導入し、AIアプリケーションを幅広くエコシステムに統合している。

アクセンチュア アプライド・インテリジェンスの最高アナリティクス責任者兼グローバル・リードであるアシーナ・カニョーラ(Athina Kanioura)博士は次のように述べている。

アクセンチュア アプライド・インテリジェンス 最高アナリティクス責任者兼グローバル・リード アシーナ・カニョーラ(Athina Kanioura)博士
「戦略的な企業は成功を収めるものだと思われるかもしれません。しかし、AIの導入が進むトップ企業とそうではない企業の違いは、戦略的であることだけではなく、意図的にAIを活用していることです。解決すべきビジネス課題を明確化し、戦略的思考に基づいてどのAIツールが適しているのか検証してから、試験導入、そして本格導入を実施しているのです。」

トップ企業に共通するもう1つの特長は、適切な人材を集めていること。92%の企業は一人のAI専門家に頼るのではなく、分野横断型のチームを組織全体で戦略的に組み込んでいる(日本では68%)。部門を超えたチーム編成によって思考の多様性が担保され、責任あるAI利用の在り方を検討する際などにも有用で、AI導入による価値を最大化することができるという。

アクセンチュア ストラテジーのシニア マネジング・ディレクターであるグレッグ・ダグラス(Greg Douglass)氏は次のように述べている。

アクセンチュア ストラテジー シニア マネジング・ディレクター Greg Douglass氏
「AIはもはやバズワードではなく、新しいビジネス価値と競合優位性の源泉になりつつあることが調査によって明らかになりました。画期的な方法でAIを本格導入している企業は、投資から多大な収益を得られるでしょう。経営幹部が初期からAI戦略に携わり、AIによる事業部門やビジネスプロセスの変革を奨励することで、企業はAIから最大の価値を引き出せるようになります。」

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山田 航也
山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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