【世界初】WHILLが羽田空港に自動運転機能付きパーソナルモビリティの導入を発表 自動運転で搭乗ゲートまで移動 感染症対策にも有効

WHILL株式会社は羽田空港内で、WHILL自動運転システムの正式導入が決定し、サービスを開始したことを発表した。まず導入したのは第1ターミナル内。利用者は検査場を通った後、パーソナルモビリティに乗車、利用する搭乗ゲートやその付近まで、自動運転で移動することができる。

羽田空港での実証実験の様子(正式導入ではスタッフは同行しない)

羽田空港の南ウィング 右の乗車位置「WHILLステーション」から乗り、搭乗ゲートをタブレットで指定することで自動運転で移動する

また、いわゆる「乗り捨て」が可能で、搭乗ゲートで降車した後、パーソナルモビリティは自動運転で元の「WHILLステーション」に自律的に戻るしくみになっている。


「空港」「人搬送用途」「自動運転機能」「パーソナルモビリティ」「実証実験ではなく実用化」の5点で世界初としている。


利用者の満足度向上、新型コロナ対策にも有効

WHILLはオンラインでメディア向け説明会を実施し、同社のCEO杉江氏と、MaaS事業本部長で執行役員の植田氏から、今回発表された羽田空港でのリリース内容の詳細、これからの航空、交通業界に関する見通しや、With/Afterコロナ時代の移動への提言等の解説が行われた。

左がWHILL株式会社の代表取締役兼CEO 杉江理氏、右がMaaS事業本部長で執行役員の植田剛之氏

当初、導入するのは羽田空港の南ウィングから。台数は3台。パーソナルモビリティの利用客は無料で利用できる。ビジネスモデルは空港の運営会社や航空会社とのサブスクリプションモデルを予定している。今回の羽田空港の場合、施設運営会社である日本空港ビルデングがWHILLとのサブスク契約を行い月額の定額料金を負担する(基本は1台当たりの月額契約)。なお、運用にはスタッフは介添えしないが、空港施設で車いすを押すスタッフをゼロにすることは考えていないという。ビジネスの目標としては、今後3~5年での世界の50空港に導入したい考えだ。

PRM(Passenger with Reduced Mobilly)に関わる現状の課題

上の写真は車いす1台につき、1人のスタッフがついて押している写真だが、最もわかりやすい課題の例として下の写真を紹介した。右の黄色い囲みは、車いすを押してくれるスタッフを待つ利用客、左の黄色い囲みは、1人のスタッフが2台の車いすを押している。スタッフ不足により、待ち時間や安全性が不足する状況になっている。また、左の状況では車いすの利用客は「飲食店や免税店に寄って欲しい」というリクエストもしづらいことが予想される。


また、空港施設では車いす利用客が渋滞を作ってしまいケースもあるという。


これらの課題に対して、自動運転機能付きのパーソナルモビリティは有効だ。

また、新型コロナ感染症の拡大防止に伴うソーシャルディスタンスが今後の課題にも加わる。同社は、羽田空港第1ターミナルでは長距離の歩行に不安を感じるユーザーに対して、近距離での接触による感染拡大のリスクが軽減できる「WHILL自動運転システム」によって不安は解消できるとしている。WHILL自動運転システムは運転を必要としない自動運転モードでユーザーを搭乗口まで案内したあと、無人運転により保安検査場B近くに設けられた「WHILL Station」に返却される。

ソーシャルディスタンスを保つ、WHILL 自動運転システム利用イメージ図

通常の車椅子介助サービスではユーザーと介助スタッフの間で十分なソーシャルディスタンスを保つことができなかったが、WHILL自動運転システムでは介助スタッフがいなくても空港内の移動が可能。


ソーシャルディスタンス イメージ図

ユーザーおよび介助スタッフ双方の感染拡大のリスクを下げることができることから、今後の航空業界のニューノーマル(新常態)となることが期待される。なお、空港における人搬送用途での自動運転パーソナルモビリティの実用化は今回が世界初となる。


これまでの実証実験は延べ11回。通算400人近くがWHILL自動運転システムを利用

WHILL自動運転システムはWHILL社が開発するデザイン性と走破性に優れたパーソナルモビリティに自動運転・自動停止機能などを搭載した「WHILL自動運転モデル」と複数の機体を管理・運用するシステムから構成されている。あらかじめ収集した地図情報とセンサー群で検知した周囲の状況を照らし合わせ、自動走行および自動運転による無人での返却が可能。



WHILL社は2019年以降、空港を利用するすべてのユーザーにシームレスな移動を提供することを目的に、長距離の歩行に不安を感じる利用者に対してパーソナルモビリティ「WHILL自動運転システム」を提供し、搭乗口まで案内する実証実験を行ってきた。

また、海外でも「ダラス・フォートワース国際空港」(アメリカ)、「アブダビ国際空港」(アラブ首長国連合)、「ウィニペグ国際空港」(カナダ)、「ジョン・F・ケネディ国際空港」(アメリカ)などで実証実験を行い、自動運転技術の精度およびユーザビリティ、空港のオペレーションとの親和性を着実に向上させてきた。

今後は、世界的な感染拡大防止のニーズに応えるべく、これまでの国内外での実証実験の経験を生かし、国内外の空港、施設での早期導入を目指す。


これまでに行った実証実験は延べ11回。通算400人近くのユーザー、および空港関係者がWHILL自動運転システムを利用した。
■「WHILL自動運転システム」導入概要
・導入時期:2020年6月8日(月)
・導入場所:羽田空港第1ターミナル ゲートエリア内。保安検査場B近くに設けられた待機場所「WHILL Station」から3〜7番ゲートまで。
・内容:ユーザーを「WHILL自動運転システム」により、搭乗口まで案内。往路は運転を必要としない自動運転モードで目的地までユーザーを送り届け、利用終了後は無人運転によりWHILL Stationに返却される
・利用対象:羽田空港第1ターミナルに到着され、長距離の歩行に不安を感じる利用者で、かつ当該システムの利用を希望するユーザー


「すべての人の移動を楽しくスマートにする」をミッションとするWHILL社

WHILLは「すべての人の移動を楽しくスマートにする」をミッションとして2012年5月に日本で創業。2013年4月には米国、2018 年8月にはオランダに拠点を設立。ーソナルモビリティとMaaSの二つを事業の柱とし、パーソナルモビリティ事業では、デザインとテクノロジーの力を生かした、近距離用のモビリティとして「WHILL Model A」、「WHILL Model C」をはじめとする製品群を12の国と地域で販売している。

MaaS事業においては障害の有無や年齢に関わらず、だれもが楽しく安全に乗れる一人乗りのモビリティによる移動サービス・システムの提供により、既存の交通機関を降りてから目的地までの「ラストワンマイル」の移動の最適化を行い、世界中の歩道領域において新しい移動のスタイルを生み出している。

関連サイト
WHILL株式会社

ABOUT THE AUTHOR / 

ロボスタ編集部
ロボスタ編集部

ロボスタ編集部では、ロボット業界の最新ニュースや最新レポートなどをお届けします。是非ご注目ください。

PR

連載・コラム