自宅でおこる高齢者の熱中症をまごチャンネルで予防 「セコム・マイホームコンシェルジュ」の希望ユーザーに提供

セコム株式会社は2020年7月1日〜8月31日(月)まで実施する熱中症予防の取り組みとして、株式会社チカク(以下「チカク」)と協働で開発した「まごチャンネル with SECOM」を活用することを発表した。

同取組みは「セコム暮らしのパートナー久我山」が提供する高齢者向け生活サポートサービス「セコム・マイホームコンシェルジュ」のユーザーのうち、希望者の自宅に無償で「まごチャンネル with SECOM」を設置。設置された「まごチャンネル with SECOM」の環境センサが熱中症危険度が高い環境情報(温湿度など)を検知した際に、離れて暮らすの家族のスマートフォンアプリ「みまもりアンテナ」に熱中症危険度や温度のお知らせが届くというもの。お知らせを受け取った家族は電話などのコミュニケーションや「セコム・マイホームコンシェルジュ」で提供しているBOCCOからの呼びかけなどで、積極的な水分補給や室温調整などの注意を促すことができる。


実家には同取組みに賛同する大塚製薬の「ポカリスエット アイススラリー」を提供


セコムが持つ高齢者向けチャンネル

セコムはもともと機械警備を強みにした暮らしの安全を守る警備サービス会社だが、近年はホームセキュリティの延長で高齢者の安否をセンサで感知したり、通報ペンダントを配布する見守りサービスなどにも進出している。そこをさらに推し進めたサービスとして現在高齢者向けに提供しているのが、チカクと協働で開発した「まごチャンネル with SECOM」と「セコム暮らしのパートナー久我山」が提供する高齢者向け生活サポートサービス「セコム・マイホームコンシェルジュ」。今回はその2つを組みあわせて提供する。


孫の写真や動画を実家のテレビで楽しめる「まごチャンネル」

「まごチャンネル」はテレビに接続すると家族がスマートフォンで撮った孫の写真や動画をかんたんに家のテレビで楽しむことができる。ケーブルを2本接続するだけのかんたん設置で、wifiなどのインターネット回線設定なども不要なため高齢者ユーザーひとりでテレビに繋いでサービスをスタートすることができるのが特徴。「まごチャンネル with SECOM」は「まごチャンネル」に環境センサを接続し、ゆるやかな見守りを家族に提供するサービス。


「まごチャンネル」のイメージ

家族はアプリを通して視聴情報の通知を受けることができる。この送信、通知のやりとりをきっかけに互いのコミュニケーションが生むのが最大の狙い。

「まごチャンネル with SECOM」は「まごチャンネル」に環境センサ、スマートフォンアプリ「みまもりアンテナ」を接続し、ゆるやかな見守りを家族に提供するサービス。「みまもりアンテナ」はまごチャンネルの持つ通信回線を使って温度、湿度、照度、生活音の有無などの情報を家族に送信。「みまもりアンテナ」アプリのグラフやかんたんな通知でゆるやかに実家の状況を知ることができ、監視されているというストレスなく、ちょうどいい距離感で安心を伝えることができる。


まごチャンネル with SECOM本体価格30,000円(税別)月額料金1,680円/月(税別)



緊密でリッチなサービスを提供するセコム・マイホームコンシェルジュ

それにたいして、セコム・マイホームコンシェルジュでは緊密でリッチなサービスを提供している。このサービスは「老人ホームなどに入るにはまだ早い」「長く暮らした家を離れたくない」という高齢者向けに、細かな調べ物や少し難しい家電の設定、病院の付添い、自宅の手入れなどといったきめ細かい相談事を24時間365日、なんでもケアする、という幅広いもの。
昼夜通じて豊富な人的リソースを持つセコムならではのサービスだ。さすがに、まだ「セコム暮らしのサービスパートナー久我山」が担当可能な地域限定のサービスにとどまっているが、月々18,000円から、というリーズナブルな価格帯だけに、サービス地域が拡大すれば、注目されるであろうサービスだ。



こちらのサービスの特徴として、家族やケアマネに変わって1日に複数回の電話や訪問での声がけをセコムが実施する、というものがあるが、「服薬確認や宅配サービスのスケジュール」など、何回も確認するには抵抗があるような部分に関してはBOCCOを使ってのメッセージングを行う、などの工夫も有り、この価格帯で抑えることが出来ているようだ。


熱中症による救急搬送人員のうち、約4割が「住居」での発症

これら2つの既存のサービスを組み合わせることで、熱中症予防に活かすというのは非常に良いマッチングだと言える。熱中症は発生しうるシチュエーションさえ知っておけば、水を飲む回数を増やす、冷房をつけるなどといった簡単な方法で避けることができるものだ。しかし、一度重篤な状態になってしまえば、死の危険性も有り、救急搬送など早急な対応が必要となる。つまり、通知や声がけといった緩やかなコミュニケーションと、いざとなれば家に上がり込むような密なコミュニケーションの両方を併せもつサービスが求められるわけだ。

今年は新型コロナウィルスによる緊急事態宣言の影響で夏季に向けて身体を暑さに順応させる「暑熱順化」が遅れ、熱中症にかかりやすくなる方が増えることが心配されている。
例年でも熱中症救急搬送者の4割が住居で発症し、最多となっているなかこのサービスが今夏の医療崩壊を救うモデルとなるか、注目していきたい。

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梅田 正人

大手電機メーカーで生産技術系エンジニアとして勤務後、メディアアーティストのもとでアシスタントワークを続け、プロダクトデザイナーとして独立。その後、アビダルマ株式会社にてデザイナー、コミュニティマネージャー、コンサルタントとして勤務。 ソフトバンクロボティクスでのPepper事業立ち上げ時からコミュニティマネジメント業務のサポートに携わる。今後は活動の範囲をIoT分野にも広げていくにあたりロボットスタートの業務にも合流する。

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