NTTドコモとZMPが5G活用ロボットビジネスで協業 「姫路ウォーカブル協議会」で日本初「ウォーカブル」な街づくりの実現へ

株式会社ZMPは、NTTドコモと、歩行速ロボ三兄弟(ラクロ/デリロ/パトロ)と5G通信を組み合わせた新たなロボットビジネスの創出にむけた協業を検討することで基本合意を締結したことを発表した。



また、両社は協業の最初の具体的な取り組みとなる「姫路ウォーカブル協議会」に参画し、姫路の「ウォーカブル」なまちづくりの実現を目的としたプロジェクトで連携する。「姫路ウォーカブル協議会」の幹事企業はZMPがつとめる。

歩行速モビリティ「ラクロ」と姫路城


「姫路ウォーカブル協議会」とは

「ZMP World 2021」のセミナーに登壇したZMPの谷口社長が「姫路ウォーカブル協議会」の概要とドコモとの連携等について説明した。
「姫路ウォーカブル協議会」は、ZMPが提供する歩行速ロボなど会員企業の技術やアセットを活用し、姫路市のウォーカブルなまちづくりを実現することを目的として設立されたもの。歩行速ロボの運用の高度化や、新たな観光サービスの創出などを実現、姫路市のウォーカブルなまちづくりに貢献する、としている。

株式会社ZMP 代表取締役社長 谷口恒氏

ZMPの谷口社長によると、「ウォーカブル」とは「Walk」と「able」を合わせた造語。ニューヨークやロンドン、パリなどで先行して実践され始めていて、「自動車中止の街から歩行者中心の街へ」の変革を意味し、「歩きやすい」「歩きたくなる」「歩くのが楽しい」街づくりを行うことだという。


谷口社長は「歩行速モビリティ「ラクロ」の話しをすると、「大きな段差や階段が上れない」など、ラクロが自由に移動できない点に突っ込んでくる人が多いが、逆に言えばラクロが移動できない道路は人間にとっても歩きにくい道路、移動しにくい街だということ。ラクロが自由に移動できるかどうかが、歩きやすい街の指標になるとよい」と語った。


また、谷口社長は「このプロジェクトのきっかけは”郷土への思い”。郷土を歩きやすい街にしたいという思いに、姫路市やドコモさんなどの企業が賛同してくれて実現した」と続けた。



【実現したいサービス】 (姫路駅前周辺での取組)
1.既存の交通手段とデジタル技術&ロボットを活用し、オンデマンド移動(行きたい場所へ行きたい時間に待ち時間無しで移動)
2.姫路城へ、デジタル技術とロボットを利用し、ユニバーサルな観光(今までにない体験)
3.商店街と、デジタル技術とロボットを組合せて、うきうきする買物(美味しい、買って良い、来て嬉しい)
4.デジタル技術とロボットを活用し、今までにない広告宣伝(印象の高い、インタラクティブな広告)

その後、ZMP姫路の大内所長が登壇してこの評議会の活動のゴールを明示した。「新しいモビリティサービスMaaSの早期実現」「他にない観光体験の創出」「日本を代表する”ほこみち”を具現化」「ゼロカーボンシティへの貢献/SDGs未来都市の実現」を掲げた。


株式会社ZMP ZMP姫路 所長 大内裕史氏

この協議会では参加会員の各企業それぞれが持つ得意分野(技術・アセット)を集積し、サービスを高度に、かつ早期に実現させ、新しいまちづくり=先進事例(ショーケース)として「ウォーカブルな姫路」として新しい価値の創出と社会実装を図る、としている。各地で実施の社会実験から社会実装のための協議会としては日本初の試みであり、この新しい価値を「姫路から世界へ」発信したいとする。

【参加会員企業】
2021年7月13日時点 13社(順不同)
・ 株式会社 ZMP
・ 株式会社 NTT ドコモ
・ 神姫バス株式会社
・ 株式会社 日建設計シビル
・ 福伸電機株式会社
・ あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
・ シスコシステムズ合同会社
・ 凸版印刷株式会社
・ NEC キャピタルソリューション株式会社
・ 株式会社 関西フーズ
・ NPO 特定非営利活動法人姫路コンベンションサポート
・ 税理士法人信和綜合会計事務所信和綜合会計事務所
・ 大手広告会社(非公表)


NTTドコモと5Gを活用したロボットビジネスの創出

ZMPとドコモとの協業については、一人乗りの小型モビリティを5G通信により遠隔での管理・制御を行い、公道を走行する日本初の取り組みとなるという。5Gの特徴である「高速・大容量」「低遅延」通信を活用することで、ロボットの位置情報、ロボット設置された複数のカメラ映像やセンサーによる周囲の障害物情報等をリアルタイムで遠隔管理システムへ伝送し、公道での安全な自動運転ロボットの運用を実現する。

株式会社NTTドコモ 執行役員 5G・IoTビジネス部長 坪谷寿一氏

また歩行速ロボットとウェアラブルタイプのXRデバイスを組み合わせ、新たな観光サービスの創出にも取り組むとしている。



ZMPは、本協議会での取り組みやドコモとの協業検討を通じて、姫路市における5Gとロボットをくみあわせた新しい街づくりモデルの創出をめざし、さらにはここで培ったまちづくりモデルを全国へ展開し、5GやXR技術と、歩行速モビリティ「RakuRo」(ラクロ)、無人宅配ロボ「DeliRo」(デリロ)、無人警備・消毒ロボ「PATORO」(パトロ)などの歩行速ロボ三兄弟を組み合わせた自律移動を実施する実証実験および社会実装を進めることで地域振興や社会課題の解決に貢献していく考えだ。

関連サイト
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神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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