セコム AIを活用した「バーチャル警備システム」を発売開始 近づいた人には声がけ 緊急事態は監視用アプリに通報 顔認証システムや検温とも連携可能

セコム株式会社はAIを活用し警戒監視や受付業務などを行う「バーチャル警備システム」を2022年1月13日より販売開始することを発表した。


バーチャルキャラクターが警戒・受付業務を行う

労働力人口が減少していく日本社会において、持続的な経済成長を図っていくために、さまざまな業務をより効率的に少人数で行うことが求められている。警備業もその例外ではなく、特に有人施設などにおける常駐警備においては、セキュリティニーズに応えるための人材確保、人件費高騰によるサービス価格への影響を回避するための新たな解決策が必要となっている。

今回セコムが発売する「バーチャル警備システム」は、現実空間を映しこむディスプレイ一体型ミラー上に3Dモデルとして表示したバーチャルキャラクター「バーチャル警備員」が常駐警備サービスを提供するセキュリティシステム。


AIを活用した警戒監視や受付業務などを「バーチャル警備員」が提供、対処や緊急対応などの業務は熟練した常駐警備員が提供する。また、クラウド制御により、どこからでもモニタリングや設定操作が可能。これにより人員配置の効率化とコストを抑えながら警備強化を実現することができ、幅広いユーザーが高度な常駐警備サービスを利用できる。



同サービスは革新的・独創的なサービス創造に向けたセコムとパートナーとの戦略的な協働プロジェクトのブランド「SECOM DESIGN FACTORY」から誕生したもので、セコム、AGC株式会社、株式会社ディー・エヌ・エー、株式会社NTTドコモの4社が協働して2019年4月に初期プロトタイプを発表し、試験運用と開発を繰り返しながら実用化を図った。

今後もセコムは、想いを共にするパートナーと先端技術を駆使したセキュリティの開発を進め、「安全・安心」な社会の実現を目指すと共に、社会の生産性向上に寄与するサービスを提供していくとしている。


「バーチャル警備システム」の特長

「バーチャル警備システム」の監視卓から最大3台の「バーチャル警備員」を管理でき、常駐警備員と連携した効率的で高度な施設警備を提供する。「バーチャル警備員」は男性「衛(まもる)」・女性「愛(あい)」の2キャラクターがあり、使い分けることができる。


1.AIを活用した高度な警戒監視
「バーチャル警備員」は目配せなどにより存在感を発揮しつつ周囲の警戒・監視を行い、犯罪抑止効果を発揮する。内部にカメラやモーションセンサーなど各種センサーを搭載し、AI解析により近づいた人への声掛けを行うほか、映像または音声で急病人の発生といった緊急事態を認識した場合は自動でモニタリングダッシュボード(監視用アプリ)に通報する。

機器構成

2.自然で親しみやすい受付対応
来訪者から話しかけられると、AIが音声認識してあらかじめ設定した対話シナリオに沿って、自律的に受付業務を行う。来訪者の背丈に合わせて腰をかがめたり、対話内容に応じた自然な表情をしたりすることができ、地図など案内に必要な画像の表示もできる。必要時にはモニタリングダッシュボードより常駐警備員が遠隔で通話して応対することも可能。オプションで顔認証システムと連携させた来訪者の案内や、サーマルカメラを設置して来訪者に検温のお願いをすることもできる。

3.常駐警備員との連携対応
「バーチャル警備員」からの映像・音声や通報はリアルタイムで施設内の防災センターのモニタリングダッシュボード(監視アプリ)に届く。「バーチャル警備員」による自律応答が難しい場合やきめ細やかな対応が必要な時にはモニタリングダッシュボードより常駐警備員が遠隔で通話して応対することも可能で、緊急時には常駐警備員が駆け付けて適切に対応する。「バーチャル警備員」と熟練した常駐警備員ならではの能力を組み合わせて効率的な警備強化が実現する。

4.クラウドを活用した遠隔対応
モニタリングダッシュボードなど管理システムをクラウド化したことにより、「バーチャル警備システム」の対話シナリオや案内地図など、各種設定の更新がいつでも容易に可能。また、遠隔地から「バーチャル警備システム」のカメラの映像の確認のほか、「バーチャル警備員」による自律応答が難しい場合の対応もできる。災害発生時にはミラーディスプレイに避難経路などを表示することもできる。

■料金(レンタルの場合)

■仕様

関連サイト
セコム株式会社

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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