労働力不足解消に向けて多数のサービスロボットを連携、ロボットバンクが新たなコネクトシステム「POWER」を発表

ロボットバンク株式会社は、複数のサービスロボットを統合的に管理・連携させる「POWER(ロボットコネクトシステム)」を開発していると発表した。深刻化する労働力不足の解消に貢献し、ロボットと人々がより豊かに共生できるスマートシティの実現を目指している。


多様なサービスロボットの横断管理を実現

飲食店やビルメンテナンス、病院など多岐にわたる現場では、スタッフが多くの業務を兼任し、マルチタスクに追われている。例えば飲食店では、接客からオーダー、配膳、下膳、精算まで、一人で多くの役割をこなす必要がある。サービスロボットはこれらの業務を効率的に代替できるが、現在の技術では1台のロボットですべてのシステムを統合的に管理し、連携させるのは困難であった。

この課題を解決するために開発されているのが新システム「POWER」だ。配膳や清掃、消毒、案内などそれぞれの業務を担うサービスロボットを横断的に管理し、連携させる。人がシフトを組むようにロボットの稼働を調整し管理することで、ロボット同士が協力し、必要なタイミングで適切な場所へ向かい、業務を遂行できる環境が実現する。


データ活用による付加価値創出やコスト削減に貢献

「POWER」の役割は、業務の自動化にとどまらない。将来的に、複数のロボットから取得したデータを活用し、マーケティングや業務改善、顧客訴求などを実施できるプラットフォームを構築し、新たな付加価値を提供していく計画だ。すべてのサービスロボットから収集したデータを可視化することで、これまで見えなかったインサイトを発見し、利用実績をマーケティングデータとして活用することが可能になる。

本システムにより異なる役割を果たすロボットの連携対応が不要になり、教育や採用にかかるコストの削減にも貢献する。最低賃金法の改定などにより人件費が高騰する中、サービスロボットは数時間分の時給で1日中稼働させられる。導入効果だけでなく、人手不足を補う支援策としても、サービスロボットの活躍の場が拡大していく見通しだ。


人とロボットの協働社会実現へ

ロボットバンクは「人とロボットが協働で働く社会の実現」をビジョンに掲げ活動している。サービスロボットが人間に協力できる領域を拡大することで、スタッフとロボットが共に働く風景が一般的になることを想定している。


「POWER」(ロボットコネクトシステム)はスマートシティー実現に向けて、新たな社会を創出するための重要な一歩となる。ロボットバンクは、今後も人とロボットが協働し、より豊かで持続可能な社会の実現に貢献していく方針だ。

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